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2006年06月01日

●水たまりのおたまじゃくし

長い雨がようやくあがった昨日、昼休みに散歩していると、ある駐車場の一角にある水たまりに、たくさんのおたまじゃくしが泳いでいるのを見つけました。
その駐車場は、何年か前まで湿地で、たくさんのカエルや蛍が見られた場所でした。そんな湿地が埋め立てられて駐車場になったのですが、カエルには、生まれた場所に産卵するという習性がありますから、かつて、その湿地で生まれたカエルが、たまたまできていた水たまりに産卵したのでしょう。

たまたま雨が続いていましたので、卵が孵り小さなおたまじゃくしにまで育ったのでしょうが、それにしても小さな水たまりです。このまま晴天が続いていたなら、半日ほどで乾いてしまうことは確実です。

小さな命を見殺しにはできず、かといって昼休みはあとわずかしかありません。まずは近くの沢からバケツで汲んだ水を、当座しのぎに水たまりへ補給しました。

退庁後にその場所へ行ってみると、水たまりは今にもなくなりそうでした。昼休みに水を足さなかったなら、きっと干上がっていたことでしょう。
バケツを傍らに置き、コップでおたまじゃくしを掬ってはバケツに移す作業の開始です。ふたつある水たまりから、1時間ほどかけてほぼすべてのおたまじゃくしを掬い終えた頃には、薄暗くなり始めていました。

掬ったおたまじゃくしは、次の休みにでも安全な場所へ移すつもりですが、すべてのおたまじゃくしを掬ったにもかかわらず、後味の悪さが残りました。

開発と称する自然破壊によって生息場所を奪われた生き物は、人間の行為に対して何ら反対する術をもちません。それでも、生まれた場所に産卵しようとする本能に基づいて、今は駐車場となってしまったかつての湿地に戻ってきたカエルは、迷った挙句、わずかに水を湛えた水たまりを産卵場所に選んだのです。
こうした事例は、きっと数えきれないほどあるのでしょう。今、この瞬間にも、何の罪もない生き物たちが、人間の欲望のために小さな命を奪われているのです。

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人類は、地球環境を破壊しながら繁栄してきました。それでも、人類には知恵があります。小さな生き物の声に耳を傾ける理性と想像力も、私たちには備わっているはずです。
果てしない自然破壊によって、地球が取り返しのつかない事態を迎える前に、ひとりひとりができることをもう一度考え直してみる必要があるのではないでしょうか。

(写真:おたまじゃくしがいた水たまりです。他にも水たまりの跡はいくつもありましたが、すべて干上がっていました)

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