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2006年06月24日

●杉の山

写真は、プラネタリウムの玄関から見える山の斜面です。幾何学模様とも言うべき杉木立が整然と並んでいますね。

sugiyama1.jpg

見ようによっては美しいこの光景、日本中の山間地で見慣れた景色となっています。戦後、建材需用が逼迫する中、国策として杉の植林が奨励されたことにより、またたく間に山という山が杉の単一林となってしまったのです。右向け右の国民気質が如実に現れた風景といっても良いでしょう。
ところが、植林した杉が育たないうちに、安い外国産の木材がどんどん輸入されるようになりました。何十年かすれば宝の山となるはずだった杉は、ほとんど無価値となってしまったのです。

そうした事情により、手入れをする人もお金もないまま放置された杉山は年々荒廃の一途をたどっています。
杉は、根の張りが浅く保水力が小さいことから、水源地の山林は、頻繁に鉄砲水に襲われるようになりました。
また、手入れされない杉山は暗く、他の植物が育つことができません。そのために山に住む動物が餌不足となり、生態系の破壊が進行しています。熊が里に下りてきたり、猿が畑の作物を食害するのも、山林の多くが杉の単一林とされてしまったことが原因のひとつと考えられています。

国産の木材がもっと使われるようになれば良いのですが、なかなか難しいようです。
手をこまねいているうちに、生態系の破壊はどんどん進行してしまいます。
いたずらに議論を重ねるよりも、百害あって一利なしの杉山を伐採し、元の混交林に戻すことが急務ではないでしょうか。

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