2006年11月03日

●入館者大幅増で嬉しい悲鳴

プラネタリウムは、11月になっても相変わらず異常なほどお客さんの多い状態が続いています。
10月の対前年度伸び率は60%以上、10月半ばですでに昨年11月末の年間入館者数をオーバーしてしまいました。今日も先週も200人ほどのお客さんがあり、私たち職員は嬉しい悲鳴をあげています。
ほぼ完成した天文台への関心も高まりつつあり、今月中旬の竣工式に向けて、最後の調整が続いているところです。
お客さんが増えて仕事が忙しいのはありがたいことなのですが、たった2人の職員では有り余る業務量をこなせなくなりつつあります。町の上層部には、繰り返し増員をお願いしているところですが、なかなか色よい返答が貰えず困っています。
それでも、幸いというべきか、町長が天文への関心をけっこう持っていますので、何とか実情を理解してもらい、施設の発展につなげたいと思っているところです。
明日も明後日も200人前後のお客さんがありそうですから、連休の三日間で600人~700人の積み増しができることでしょう。11月も、昨年度より大幅増の記録となりそうです。

2006年11月08日

●星空へ続く道

仕事が終わってから、本当に久しぶりに藤橋と坂内の村境の寒谷峠へ上りました。
月が出るまでの僅かな時間、静かな山中で星を楽しもうというわけです。
この峠については、しばらく前に「寒谷峠銀河幻想」なるタイトルでこのブログでも紹介しました。狭い峠ではありますが、人工灯火は皆無、通る車も皆無、南から西の視界は西美濃の山にしては最高という場所です。

15cm双眼鏡を速攻で組み立て、南西を中心に見てゆきます。
まずとらえたのは、いて座のIC4812。暗い星に隣接した9.5等ほどの小さな天体です。
次々にメシエナンバーが視野に入ってきますが、NGCナンバーの天体があまり入ってこないことに気づいたときには、東から大きな月が昇っていました。

周囲を見渡せば、月明りに照らされた山々が白く夜空に浮かび上がり、とても幻想的な光景です。
林道の新設・延伸工事が行なわれたらしく、峠からも新しい林道が延びていました。
新しい林道は、峠よりさらに高みへ続いているらしく、白い月明りに照らされた林道の先は、まるで星空へそのまま続いているようにも思えました。
動物が時折、藪の中でかさかさと動き回る音が聞こえます。小動物は気になりませんが、熊が出ると困るので、わざとぶつぶつひとり言を呟いたりしながら、星空へ続く道の真ん中でしばらく青い夜空を見上げていました。

帰り道では、道の真ん中に大きなイノシシが立っていました。
動物はヘッドライトを点灯したままだとすくんでしまってその場を動きませんから、ライトを消してやると、ごそごそ森の中へ入っていきました。

星を見ている間、聞こえていたのは動物の動き回る音と落ち葉が風に舞う音だけ。
一人の星見はやっぱりいいなあと思いながら、峠道を下りました。

2006年11月09日

●視線が痛い水星の日面通過

今日は水星の日面通過でした。
このところ非常に仕事が忙しくて準備もなかなかできず、前日の晩になってから機材を準備、工作の得意なカミさんに減光用フィルターの枠を作ってもらい、何とか間に合わせることができました。減光用のフィルターは、職場のOさんのご好意で頒けていただきました。

使用機材は8㎝ED屈折と天文台のEM200赤道儀、それにコンパクトデジカメとソニーのビデオカメラです。
近くにある公共施設の駐車場に機材をセッティングし、さあ、撮影しようと思ったら、ちょうど出勤時間帯で、町役場の職員さんが車で来るわ来るわ、中には知り合いもいて、急遽アイピースに差し替えて覗かせてあげることも何度かありました。

天候はまあまあでしたが、折からの冬型でシーイングは最悪。太陽の縁でピントを合わせるのに非常に苦労しました。ピントの山がぜんぜんわからないのです。
そこは職人的カンで何とかピントを合わせたところ、今度はビデオカメラが突然の不調。
仕方なくいったん外して、デジカメで数枚撮影し、ビデオカセットを入れ換えたら回復。再度、ビデオを接続して撮影を続行しました。

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昼間なので極軸が心配でしたが、前日の晩に北極星の位置はだいたい確認して地上の目標と合わせておいたところ、ほとんどドンピシャ。たまにコントローラーで修正してあげるだけで済みました。

何とか撮影は終了。家に戻ってテレビに接続して見たところ、思ったよりもシンチレーションの影響は少なく「とりあえずは見られる」映像となっていました。

それにしても、昼間の現象は通行人の視線が痛いですね。やっぱり天文家は、夜中に人知れずこそこそやっているのがいちばん(?)と思いました。

2006年11月13日

●いよいよ初雪

昨日はこの秋最初の冬型となり、プラネタリウム・天文台周辺は終日氷雨模様。周囲の高い山の山頂付近は、うっすらと雪化粧をしました。

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このあたりでは、「山に三度、雪が降ると平地にも雪が積もる」と言います。私の経験上でもおおむねそれは当たっているようです。
また、「カメムシが多いと雪が多い」「テントウムシが多いと雪が多い」とも言います。
昨年は近年にない豪雪となりましたが、11月の今頃は白い壁が真っ黒になるほどのテントウムシが発生し、「これは雪が多いのではないか」と噂していたところ、本当に
ドカ雪が降りました。
ただ、昨年の大雪は、山に三度も降らないうちに、いきなり平野部への積雪となりましたので、こうした経験上の天気予報が常に当たるとは限らないようです。
プラネタリウム周辺は、昨年12月、2メートル半の積雪となりました。背よりも遙かに高い雪を除雪するのは、本当に絶望的な気持ちにさせられます。

2006年11月15日

●紅葉が始まりました

暖かい秋で遅れていた紅葉がようやく始まりました。
写真は、プラネタリウムから揖斐川の上流方向の景色です。

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今夜は冷えるとのことですから、週末にはより鮮やかになるものと思います。
週末といえば、天文台の竣工式を17日に控えて職員は恐ろしく多忙です。
18日は新天文台最初の観望会、晴れてくれれば良いのですが・・・。


2006年11月17日

●新天文台の竣工式が挙行されました

今日17日、新・西美濃天文台の竣工式が挙行されました。
冬型の気圧配置となり、あいにくの雨模様でしたが、県会議員・町会議員、町長含む県・町の職員60名ほどの出席をいただき、滞りなく終了しました。
テープカットから始まった式典は、天文台の研修室に会場を移し、来賓の祝辞と挨拶、祝電披露の後で、職員撮影の天体ビデオの映写、60センチ反射望遠鏡と太陽望遠鏡の見学と続き、12時少し過ぎにお開きとなりました。
天体ビデオも望遠鏡見学も、皆さん興味津々で、通常の施設竣工式典とは異なる和やかな雰囲気でした。
天文台の設備は、ぼつぼつこのブログでも紹介していきます。とりあえずは竣工式の模様が、明日の岐阜・中日新聞に掲載されるはずですので、購読されている方はご覧下さい。
太陽望遠鏡のリアルタイム画像は、晴れていれば明日から藤橋城の2階でご観覧いただけます。
曇雨天時は、これまで撮像した画像からピックアップして映写します。
今日の竣工式まで、私たち職員はほとんど休みがありませんでした。そろそろ疲労の限界に達しつつあります。でも明日はお披露目の観望会。もうひとがんばりしなくては。

2006年11月19日

●新天文台の設備紹介「簡天儀」

これ、なんだかわかりますか。

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ちょっと天文をかじった方であれば「ははあ、天球の座標を理解させるための仕掛けだな」と気づかれるかもしれません。
そう、これは新天文台のテラスに設置された「簡天儀」といいます。
全体の丸い構造は天球を表しており、天の赤道、子午線など、星空における天体の位置をあらわすのに使う座標軸を配置しています。
天の北極方向には丸いリングがはまっており、簡天儀の中心からその方向を見ると、リングの中に北極星が覗きこめる仕組みになっています。
また、天の北極と天の南極を結ぶ軸が落とす影により、時刻が読み取れる日時計としても使用できます。
モニュメントでもあり、体感できる天文教具でもあるこの簡天儀、天球の座標理解に、これから大いに活躍してくれるのではないかと思っています。

2006年11月21日

●校長会で昼間の恒星観察

今日は、揖斐川町の校長会があり、会議後の視察で校長先生たちが天文台とプラネタリウムを視察に来ました。
快晴とはいかないまでも、まあまあの天候で、60センチ反射に同架した20センチ屈折望遠鏡で昼間のアークトゥールスとベガを観察してもらいました。
校長先生方は、初めて見る昼間の恒星の姿にびっくり。金星や水星が見えれば良かったのですが、どちらも太陽に近いために、またの機会にということになりました。
太陽望遠鏡ももちろん稼動、折悪しく無黒点でしたが、いくつか出ているプロミネンスを観察してもらいました。
その後、プラネタリウムで短い解説を行い、ふだんの研修とは異なる珍しい体験の連続に、皆さん、満足して帰られたようでした。

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写真は、20センチ屈折にコンパクトデジカメを押し付け、手持ちで撮影したアークトゥールスです。手持ちのためにカメラとアイピースの光軸がうまく合わず収差が出てしまいました。
眼視で見ると、青空の中に針で突いたような銀色の点がキラキラと輝いて見えます。
以前に昼間、何等星まで見えるかをテストしたことがありましたが、3等星までは見えました。
望遠鏡の威力というのはすごいものですね。

2006年11月23日

●新天文台の設備紹介「太陽望遠鏡」

このたび天文台の移転にともない、昼間時間帯の有効活用という戦略から太陽望遠鏡が設置されました。

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望遠鏡は4連で、10cm屈折望遠鏡2本がHα、7.7センチ屈折望遠鏡2本が白色光用となっています。
それぞれの画像は、天文台2階研修室のパソコンに導かれ、リアルタイムで太陽の表面を観測できる他、任意のインターバルでディスク上に、静止画・動画が録画できるようになっています。
また、天文台と隣接したプラネタリウムはLANで結ばれており、プラネタリウム館内でもリアルタイム画像を見ることができる他、プラネタリウムのパソコンからも太陽望遠鏡の遠隔操作が可能な設計になっています。
この太陽望遠鏡の最大の特徴は、システムのすべてがフルデジタルであることです。
国内には多くの太陽望遠鏡がありますが、ほとんどはシステムのどこかにアナログ部分があり、そこで画像の劣化や転送容量・時間の制限が生じてしまっています。それらを解消するために、すべてをデジタルとしたものです。
まだ調整が完全でなく、画像も満足できるレベルではないのですが、来春に向けて調整を行い、冬期休館後の19年度期には、フルスペックの美しい太陽画像を来館者に楽しんでいただけるつもりでいます。

2006年11月29日

●旧天文台で

天文台の移設事業が完成し、いよいよ新・西美濃天文台が動き出しましたが、それでは旧天文台はどうなったのかといえば、以前の場所にそのまま建っています。
とはいえ、残っているのは建物だけで、6メートルドームの中はもぬけの殻、がらんとしていかにも寂しいたたずまいです。

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思えば、平成4年に旧藤橋村へ移住後、このドームの中でどれほどの夜を過ごしてきたのでしょう。
移住早々の「SL9彗星の木星衝突」では、60㎝望遠鏡に映る黒々とした衝突痕跡に驚愕し、「百武彗星」接近時には、連日ほとんど徹夜で観測・撮影を行いました。まさに「夜空を翔ける虹」とも言うべき壮麗な姿は忘れることができません。
「ヘール・ボップ彗星」も連日の観測を行い、その他にも暗い彗星を多数、観測してきました。
視界も天候も良くないという悪条件を乗り越えて、多くのお客さんに親しまれた要因は、いささか手前味噌で恐縮ですが、4名の天文担当職員のフレンドリーな対応でした。
「曇っても雨が降っても職員の対応が良いから西美濃へ来た」という声を聞くたび、とても嬉しかったものです。
ともあれ、移設は完了しました。あとは新しい天文台を活用して実績を作っていくことが使命です。
まもなく深い雪に閉ざされますが、新年度からは公開に観測に、精一杯活用していこうと考えています。

2006年11月30日

●藤橋歴史民俗資料館の紅葉

一週間ほど前の藤橋歴史民俗資料館の秋景色です。

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この頃は紅葉が盛りでしたが、今はかなり散ってしまいました。
今夜は雪の予報です。さほどは積もらないでしょうが、資料館の茅屋根が雪に厚く覆われる日も近そうです。
去年は2mを超える雪で連日除雪に追われましたが、今冬はどうでしょうか。