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2006年12月24日

●随筆「クラシック・テレスコープ賛歌」

「天文はやっぱり観測だ!」
 ちょっと大げさですが、これが長年の信念?でした。
 天文という趣味には、観望、観測、写真とさまざまな流派?があり、最近ではプロも裸足の研究屋さんや、本物の星を見るよりも「プラネタリウムを見るのが大好き」という人もいます。色々な楽しみ方があり、それゆえ天文という趣味は楽しいのですが、私は単なる観望よりも、何か目的を持って観測をするという、どちらかといえば硬派路線が好きで、ここ10年ほどはそんな楽しみ方をしてきました。
 いわゆる「観測屋さん」志向は今でも変わらないのですが、最近はもうひとつ、「オカネがあればやってみたい」ことがあります。それは「古い望遠鏡を集めてみたい」ということです。
 天文以外の趣味では、こうしたレトロ趣味の収集志向という路線は、ひとつの分野として確立しています。たとえば、クラシックカー、バイクのレストア、古書収集など、いわゆる「大人のシュミ」として確固たる地位を築いているように思います。しかし、こと天文という趣味分野では、そうした収集志向はあまり聞いたことがありません。
 どちらかといえばハード志向の「観測」に対し、こうしたレトロ趣味は、ややもすれば後ろ向きの姿勢とも取られかねませんが、長年、天文趣味を続けていると、やはり懐かしい望遠鏡、そして時代を画した往年の名機を、折に触れ思い起こしてしまうのです。
 私が天文をはじめた頃のベストセラー機であるミザールのH-100反赤、その頃の天文少年の憧れだった同じくミザールのカイザー型屈赤、初の本格的自動赤道儀であるタカハシP型、驚異的な鋭像を誇ったニコン8㎝屈折、短焦点屈折のハシリ、カートンコメットシーカー6㎝屈赤、日本離れしたスタイルと性能のユニトロン(日本精光)赤道儀シリーズ、初のシステム赤道儀の五藤マークXシリーズ等々、挙げればキリがありません。比較的最近では、トミーのファミスコなども異色の存在として挙げることができるでしょう。現行品では、タカハシEM-200赤道儀、ビクセンR-200SS反射なども、いずれ「名機の殿堂」入りすることと思われます。
 同じ光学品でも、カメラの場合は東京にカメラ博物館があり、古今東西の名機を収蔵・公開しているのですが、天体望遠鏡に関してはそういった事例を知りません。光学品としての歴史的・文化的価値を考えた場合、天体望遠鏡についても、収集・保存を行う必要性が急務であると考えます。
 今回、例に挙げたのは、過去30年間ほどの比較的新しい機種ですが、古くは戦前・戦中の機種も保存する必要に迫られており、既にその多くは散逸してしまっているものと思われます。
 何だか学芸員報みたいになってしまいましたが、趣味として、そして文化遺産として、古い天体望遠鏡を収集して公開できたら、最近、そんなことを思うのです。
 有志でお金を出し合って「幻の名機集め」をしてみるのもいいかもしれません。お金はかかりますが、ハイソな大人の楽しみでっせ~。

Star Light Party通信 Vol.5(1995年1月28日発行)掲載分を一部訂正

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