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2007年05月30日

●都市と農山村の相互理解を

 東京から岐阜県の山村に移り住んで10年になる。村の人はみな暖かく、趣味を活かした仕事に関わることもでき、実り多い毎日だったが、農山村部住民と都市部住民の意識の差を痛感した10年でもあった。
 田舎はのんびりしていてうらやましいと都市に住む人は言う。ところが田舎暮らしは少しものんびりしていない。人口が少ない分、一人当たりに回ってくる地域の「役」が実に多い。私は現在、PTAやら消防団やら多くの役を兼務しているが、仕事以外には拘束されることのなかった東京時代の方が、時間的にも精神的にもはるかに余裕が持てた。

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「自然が豊かでいいですね」と言われることも多いが、都市近郊のハイキングコースと違い、峻険な自然は容易に人を寄せつけず、時に激しい災害をもたらす。多くの農山村住民にとって、自然や野生動物は生活をおびやかす敵でこそあれ決して友ではない。
 公共事業や選挙制度の改革が問われる中で、都市部と農山村部の対立が取り上げられることも多いが、もっと互いの実情を知り、相互理解を深めることが必要なのではないか。10年間田舎暮らしを続けてきてそう思う。

2001年 朝日新聞掲載
写真:秋の揖斐川上流(旧藤橋村役場前より)

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