2007年08月01日

●昼間の金星

昨日は、終日すばらしい快晴でした。
でも、夜は月齢16。せっかくの快晴なのにすぐ月が昇ってしまいます。
なんだかもったいないので、昼間の金星を天文台で撮影しました。

venus20ED3.jpg

シーイングは絶好、というわけにはいきませんでしたが、何とか撮影できる条件でした。
最大離角の頃の金星は半月型であまり面白くありませんが、内合近くの姿は視直径も大きくなかなか見事なものです。
ちょうど西方最大離角の水星も見ました。
やはり金星とくらべると小さくて、こっちは見ただけ。撮影する気になりませんでした。

20cmF8ED屈折 EOS-KISS+PL6mmによる拡大撮影

2007年08月03日

●保育園で観望会

台風5号の影響で時折激しい雨が降る中、今夜は揖斐川町内の保育園での観望会でした。
5歳児と6歳児20人ほどを相手に、私が望遠鏡3台と双眼鏡をツールに使いながらの望遠鏡の話、相棒のKさんがプロジェクターを使用して太陽系天体から銀河に至るまでの天体の説明を行ないました。
幼児相手のお話というのは、数字や科学用語が使いづらく、なかなか難しいのですが、この保育園の幼児さんはなぜか非常にノリが良く、まったく飽きる気配なく食いついてきてくれるので、あっというまに予定時間を過ぎてしまいました。
この保育園では昨年も、やはり雨の中、同様にお話をしたのですが、そのときも今年と同じく興味津々という感じでした。
私たちが幼児相手の話に慣れてきたのか、この保育園の子たちが特別に星好き?なのかは何ともいえませんが、帰るときも全員で見送ってくれて、楽しい観望会でした。
次回はぜひ快晴に恵まれた夜空の下で、さまざまな天体を見せてあげたいなあと思います。

2007年08月06日

●花火と星

昨夜は、日曜の晩で晴れているにもかかわらず天文台の予約がなかったので、家族で花火大会に行きました。
このところ仕事ばかりだったので、初めての夏らしい行事です。
揖斐川の堤防に座って見たのですが、そこは天文屋。花火があがる背景の星空に目が行ってしまいます。
南の空に木星が明るいなあ。もう少し透明度がよければさそり座もきれいだろうなあ。
花火が上がる方角の上のほうに夏の大三角が良く見えるけど、気づいている人はいるかなあ。
こんなとき、花火とコラボレーションで大火球が出現するとよいなあ(以前、根尾川花火大会で火球を見たことがあります)。
花火の煙のせいで、ちょっと星の数が少ないなあ。
花火とロケット工学は親戚といっていい間柄なのかなあ。
そんなことを思いながら花火を見ているのは、やはり私が天文家だからなのか、それとも真の天文家であるならば花火なんて見ずにどこか山奥で観測をしているべきなのか、うーん、どうなんだろうかなどと思いつつ、花火と星のコラボを楽しみました。

そうそう、以前、遠くの花火を見るのに15cm双眼鏡で見ていたら、次々に近所の人が集まってきて、時ならぬ「花火観望会」になったことがあります。
望遠鏡で見る花火は、分解能が高い分、恐ろしく細部まで見えて実に感動モノです。
花火大会の会場まで出かけることができないときなど、望遠鏡をお持ちの方はぜひお試しを。
基本的に花火は丸い(球状)なので、倒立像でもぜんぜん問題ありません。
にしても、花火見物に15cm双眼鏡って、ちょっとゼイタク?

2007年08月07日

●プラネタリウムの修理

先日、プラネタリウムのメーカーが来て、ちょっとした修理を行ないました。
修理の必要箇所がプラネタリウムの回転軸そのものだったため、投影機を、ほぼバラさないといけませんでした。

MS8b.jpg

ツアイスタイプの投影機の恒星球部分がはずれ、さらに惑星棚部分が外れてしまうと、ちょっと異様な姿となります。複雑な機械だけど、基本になる部分はこんな感じなのね、というところでしょうか。
床にごろんと置かれている恒星球部分も異様です。メーカーの方は「タコ」と呼び習わしていましたが、なんというか、海にいるタコの頭の部分に吸盤がたくさんついている感じです。
バラしていく過程の要所要所をデジカメで撮影しながら、なかなか興味深い一日を過ごしました。
プラネタリウムでも天文台の望遠鏡でも、ふだん見えない部分が見えるのは勉強になりますし楽しいものです。
とりあえず、修理は完了。
設置して19年目になるMS-8型ですが、まだまだ元気です。
でも、もうしばらくしたらモーター交換が必要とメーカーさんが言っていました。
モーター交換となれば、いわゆるオーバーホールを兼ねて行なうことになるのですが、果たして揖斐川町は予算を組んでくれるのでしょうか。

写真:回転系のみが残ったMS-8

2007年08月08日

●川涼み

厳しい暑さが続いています。
ウチにはエアコンがなく、毎夏、扇風機と団扇でしのいでいますが、昨日はあまりに暑いので、娘と二人、近くの川へ涼みに行くことにしました。

hisaka3.jpg

山間の渓流なので、涼しいこと涼しいこと。
台風の後ということもあって、けっこう水量がありましたので泳ぎはしませんでしたが、娘は学校の宿題を持参して平らな岩の上で勉強、私は淵にいる魚を観察したり、鉱物を探したりして、午後のひとときを過ごしました。
平日ということもあり、他に訪れる人もなく、聞こえるのはせせらぎの音と鳥の声、そしてうるさいほどのひぐらしの声だけ。
何も生産的なことはしていないにもかかわらず(娘は勉強をしていましたが)非常に充実した数時間でした。
暑いからエアコン全開、では電気代もかかりますし、地球温暖化にも拍車がかかります。
山や海の近くに住んでいる方は、天然エアコンを求めて水辺へ出かけてみてはいかがでしょう。
自然の中で本を読んだり勉強したりすると、意外なほどはかどりますよ。

2007年08月12日

●観望会3連発

9日から11日まで、観望会が3連発でした。
9日は、揖斐川町教育委員会主催の町民向け星空教室、10日は30名弱の団体さん、11日は定期観望会でした。
9日と10日は若干、雲が出ましたが、11日は快晴、満天の星空に参加者は歓声を上げっぱなしでした。
ペルセウス座流星群の活動期ということもあって、星座案内の合間にはいくつも流星が出現、メジャーな星座だけでなく、いるか座やかんむり座といった小さな星座も丹念に解説し、参加者は感心することしきりでした。
60㎝望遠鏡では、木星、M57、M13、ベガなどを観望。低空の木星はシーイングが悪くイマイチでしたが、M57は輪を作ったたばこの煙そのもの、M13は大望遠鏡の写真さながらで、ため息の連続となりました。
楽しい観望会でしたが、8日は宿直、4連続の夜間勤務はさすがに疲れました。
ウチの施設は、通常の事務職と同じく朝8時30分出勤です。職員を増員してシフト勤務を組めるようにすれば、天文台をもっともっと活用できるのですが。

2007年08月13日

●星は降らずに雨が降る

昨夜は、ペルセウス座流星群の極大日でした。
ずっと良い天気が続いていたのですが、岐阜県西濃地方は、ちょうど極大日の昨夜だけが曇りの予報。
ペルセウス座流星群の頃は、毎年、夏型が一時的に弱まって天気が崩れることが多いので、まあ仕方ないか、と思っていました。
それでも、ときどき自宅から空を見ていると、25時を過ぎて、俄然、晴れてきました。
おお、これは観測するしかないと思い、あまり山間部へ行くとモヤっている可能性が高いので、とりあえず谷汲横蔵の某所へ。
シュラフとカメラを速攻で準備するうち、なんとぐんぐん曇り始め、またたく間に快曇。
北のほうは少し星が見えるので藤橋へ。
藤橋へ着くと、おお、けっこう晴れている!
またカメラの準備。雲の流れが速いので、眼視観測は無理そう。
晴れている方角へカメラを向けて3枚ほど撮ったところで、またもや雲、雲、雲。
27時20分、とうとう小雨まで降り出したので撤収。
結局、見えた流星は2個だけ。時間と体力とガソリンの無駄遣いに終わりました。
関西や関東では晴れたらしく、どうやら本州では、東海地方がいちばん天気が悪かったようです。
日本流星研究会のML等で報告されている昨夜の結果を総合すると、さほど活発な出現はなかったようで、なんとなくひと安心。
次は28日の月食かあ。何とか晴れて欲しいなあ。

2007年08月15日

●二日月を見る夕暮れ

珍しく天文台勤務がなく早く帰れた今日の夕方、部屋の窓から西の空を見ると、暮れなずむ低空に細い月がかかっていました。
まだ木星しか見えない明るい空でしたが、透明度が良いために地球照まで肉眼でくっきりと見えていました。
思わず娘を呼んで、近くの道路から肉眼と7×40双眼鏡で観望。
山なみと夕焼けの向うにかかる月齢2.5の月は、いかにも地球の衛星という印象で、夏の夕暮れの風に吹かれながら娘と見入ってしまいました。
ちょうどお盆で、通る車もなく、心がしんとするほど静かな夏の黄昏。
写真を撮ろうかな、と思いましたが、いやいや、ただ肉眼で眺めているのが一番と思い直し、娘と並んで沈んでいく月を見続けました。

2007年08月16日

●天文台の昼間公開

今日は、午後から天文台の昼間公開を行いました。
観望する天体は、うしかい座のアルクトゥールス。金星はちょうど今日が内合だし水星も太陽に近いので。

昨日は満員大盛況だったプラネタリウムも、今日はやや人出が沈静化したので、天文台を公開してもどれほどお客さんが来るかなと思っていたのですが、蓋を開ければ来ること来ること。
約50名の方がアルクトゥールスを観望し、天文台の設備を見学し、知る人ぞ知る西美濃天文台名物、星空トイレに感嘆し、ビデオを持参されている方は昼間の星の画像をビデオに収め、全員、大いに満足して帰られました。
ただ、快晴だったのは良いのですが、折からの異常高温でドームの中は暑いこと暑いこと。お客さんも私も汗びっしょりで大変でした。

アルクトゥールス近くの2.35等星も見ましたが、さすがにこちらは半分程度の方しか見えなかったようす。
一度、確認できればあとは楽に見えるのですが、一般の方には1等星以外はなかなか難しいようです。

2007年08月19日

●暗さを取り戻した西美濃天文台

昨夜は、西美濃天文台の定期観望会でした。
天気予報では山間部は夜から雷雨とのことでしたが、夕方まで快晴、20人以上から申込みがあり、19時30分からスタートしました。

070817moon.jpg

月齢5.5の月が低くなり、ドームのスリット下縁すれすれだったので、まずは20cm屈折で月面観望。
続いて定番の木星。全員、縞模様と衛星は見えたようでした。
だいぶ暗くなってきたので、テラスへ出て星座の説明。月があるにもかかわらず、天の川がくっきり見えて参加者一同感動。
あとは、ベガ、M57、M27、M22、M11などを見て、最後に研修室で質問コーナーを実施後、終了。
終了と同時ににわかに曇りましたが、観望会の時間内は晴れて、全員、非常に満足されたようでした。

一時は、徳山ダム建設の宿舎が立ち並び、新聞が読めるほどの光害があふれていた天文台周辺ですが、今年になってそうした光害はほぼなくなり、あたりは懐中電灯なしでは歩けないほどの暗さです。以前と同じ、真っ暗な天文台が戻ってきました。
天の川がくっきり見える夜空の下で行なう観望会はとても楽しいものです。
秋からは、観測や天体画像の撮影にも力を入れたいと考えています。

写真:夕暮れの月

2007年08月22日

●国産人工天体の愛称を考察する

このところ、夜になると曇ってしまい星が見えませんので、先日は、ロケットに関する本を読んでいました。
日本が打ち上げた人工天体のリストを見ていて、ふと、どこかで見たことのある名前がいくつもあることに気がつきました。
ちょっとマニアックですが、気づいたものだけ挙げてみます(順不同です)。

ぎんが  X線衛星・東京~大阪間の寝台急行列車
のぞみ  火星探査機・新幹線列車
はやぶさ 小惑星探査機・東京~熊本間の寝台特急列車・旧陸軍戦闘機
すいせい ハレー彗星探査機・旧海軍爆撃機
はるか  電波天文学衛星・関西空港特急列車
しんせい かつて上野~仙台間に走っていた寝台急行列車

人の名前に使えそうなものもありますね。
たとえば、

あかり  赤外線観測衛星
はるか
のぞみ

など。

国産人工天体は、どれも日本語を大切にしたきれいな名前でいいですね。星の名前を使っていても、どれもわかったようなわからんような横文字ネーミングの車とは大違いです。
列車の名前は、なるほどね、という感じですが、旧軍の飛行機の名前とかぶるのはちょっと意外な気もします。
そういえば、人工天体にはありませんが、旧陸軍の戦闘機の「疾風」と東北新幹線列車の「はやて」はかぶっていますね。
北海道を走る特急「おおぞら」や、京都~長崎間の寝台特急「あかつき」などは、そのうち人工天体にも命名されそうです。

こういったネーミング方面に詳しい方、他にもあったら教えて下さいませ。

2007年08月23日

●せめてバイクで旅に出たい

お盆の間、仕事ばかりしていましたので、昨日は久々に遠くに行きました。
大野町の自宅から藤橋~八草峠~木ノ本~マキノ~小浜~舞鶴~小浜~敦賀~木ノ本~八草峠~藤橋~大野町というルートです。
舞鶴~小浜間はけっこう雨が降りましたが、久々に海も見て楽しいドライブでした。
一般道だけで400キロ近く走ったかな。

でも、本当は車なんかじゃなくてバイクで走りたいルートです。
車好きの方には申し訳ないのですが、私は、旅の手段としていちばん楽しいのが徒歩、次が自転車、その次にバイクと列車が並び、もっとも面白くないのが車だと思っています。
今回も、はじめは列車でどこかへ行こうと思っていたのですが、ちょっと寝坊してしまい、ダイヤが組めなくなってしまったので車にしたというわけです。
車は楽ですが、風の匂いや気温、湿度が体感できません。
その点、バイクならそれこそ厭になるぐらい風は感じられますし、どこでも停めることができます。
昔はバイクであちこち行ったものですが、ここ数年はなかなか乗る時間がなく、バイクも知人に貸したままになっています。
今回も、舞鶴の街を細かく見るには車は不便でした。次回はぜひバイクで行こうと思った次第です。

旅の手段として「徒歩」がいちばん楽しいと書きました。
今どき、徒歩の旅なんてできるのかよ、と思われるかもしれませんが、東京在住中、数回に分けて、新宿から山梨県の韮崎までを歩いたことがあります。
基本的には中央本線沿いを、奥多摩湖から塩山までは柳沢峠を歩きました。
何ものにもわずらわされず、ひたすら空と山を見て歩き続ける旅は本当に楽しいものです。
車や列車がものすごい速度で走り去っていくのが、異次元のできごとのような気がします。

TS50&DR250.jpg

とはいえ、若い頃はともかく、徒歩で旅を楽しむ時間などなかなかとれないのが現在の境遇。
また、その後、交通事故で大怪我をして長時間の歩行ができなくなってしまったこともあり、徒歩が無理ならせめてバイクで旅がしたいと思うのですが、それすら叶わないのが悲しいところです。

写真は、初めて乗ったバイクのハスラー50と2台目のDR250。学生時代~勤め始めた頃に乗っていた懐かしの愛車です。

2007年08月27日

●夏の終わり

ここ数日、所用があって東京へ出かけていたため、更新ができませんでした。
で、ふと気がつくとそろそろ8月も終わり。
めちゃくちゃ暑いので、夏の終わりという感じがしないのですが、先ほど外に出て見ると、木星やアンタレスはもう南西に低く、秋の星座が東天に昇り始めています。

M8a-2.jpg

天文台が本格稼動しはじめましたので、ここ数年よりは夏の天体を観望(というかお客さんに見せた)した気がしますが、ペルセウス座流星群も惨敗したし、明日の月食も天候が危なそうだし(もし晴れても、ちょうど天文台の予約が入っているので気ままに観望や撮影とはいかないのですが)、なんだか毎年、食い足らないままに夏が過ぎ去っていくようです。
まあ、天文台のテラスできれいな天の川を何度か見ることができただけでもよしとしましょうか。
そういえば、夏、定番の星雲を今年は観望してないなあ・・・M8。
60センチで見ると、色こそついていないものの、写真どおり(?)の形に見えてなかなか見映えがするのですが・・・。

写真:M8(あれい星雲) 12.5cm屈折望遠鏡にて撮影

2007年08月28日

●晴れちゃったよ、皆既月食

今日は朝から雨降りでした。
昼間はプラネタリウムのメンテナンス。
ようやく終了して、19時、帰宅したところ、なんとみるみる晴れ間が広がってくるではありませんか。
そう、今夜は皆既月食だったのです。
薄雲でかすんだ東の空には、ぼんやりと赤い月が・・・。

gessyoku1.jpg

とりあえず数枚、撮影するうち、雲が広がり、やっぱダメかな、と思っていたら、皆既終了の頃からまた晴れてきて、その後は本影食終了まで、ときおり雲がかかる中、見ることができました。
近所の人もやってきて、時ならぬ観望会。
天文台にいればよかったかな、と思いながら、月や木星を近所の人に見せていました。
天気予報では「ダメ。北海道と九州以外は絶対に晴れないね」みたいなことばかり言っていましたので、とりあえず見ることができてラッキーでした。

2007年08月31日

●復円中の月食

28日の月食、一応、望遠鏡でも撮りました。
でも、皆既中はクモクモでダメ、皆既終了後から晴れてきましたが、やはり薄雲があって、撮影するとコントラストがなくボケた感じになってしまいました。

gessyoku2.jpg

次の皆既月食は3年後ですが、今回よりも皆既の開始時刻が早い月出帯食なので条件はよくありません。
救いは、12月に起こるので、白道が高いことに加えて冬の透明度が期待できることでしょうか。
でも、それよりも、2009年7月の皆既日食。
見たいなあ。でも夏休み中で絶対に仕事を休めない時期。
星の仕事やってるがゆえに国内で起こる久々の皆既日食が見られないなんて、矛盾してると思いませんか。

写真:8cm屈折 EOS-kissD ISO800 1/4sec