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2007年11月07日

●田舎暮らしは高くつく?

「田舎暮らし」は、相変わらずのブームのようです。
テレビ、新聞、雑誌、さまざまなメディアで取り上げられもてはやされています。
曰く「田舎には都会で失われた温かさがある」「自然に囲まれた生活ができる」「生活費が安い」・・・。
このブログでは、都会の人が抱いているそんな田舎暮らしのイメージを、東京から岐阜県の山奥の村へ移住した私の視点からさまざまに検証してきました。
で、今回取り上げるのは「田舎暮らしは生活費が安く済む」というトピックです。

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なぜそのようなことが巷間に流布され始めたのかわかりませんが、結論から書きましょう。

「田舎暮らしは高くつく」

そんなはずないじゃん。都会のマンションに較べたら、あるいは東京で一戸建てを買うことを考えたら住居費は安いし、野菜は自家菜園で栽培できるし(それに近所から貰えるらしいし)、交際費もかからないだろうし、なんて反論がきそうです。

1.住居費について
田舎には、いわゆる賃貸物件がほとんどありません。あったとしても、ニーズが少ないので、東京近郊と変わらない家賃であることが多いのです。
一戸建て住宅も同様です。田舎の人は、先祖代々の土地や家を売りたがりません。
物件を探すのが非常に困難です。たとえ土地が見つかっても、上物を建てるには都会と同じ金額がかかります。
いちばん安いのは、山間部の過疎の町村が提供する公営住宅でしょう。これならば、庭付き一戸建てが2万円以内で借りられます。ただ、物件数としては少ないですよ。

2.食料費
田舎でも、食糧はスーパーで購入するのが当たり前の時代です。スーパーで売っている品物の値段は、田舎も都会も変わりません。かえって競争が激しい分、都会の方が安いこともあります。
「畑で栽培すれば」と思われる方。食べられる野菜を栽培するのにどれほどの肥料代、農薬代、手間がかかると思いますか。スーパーで買った方がよほど安く済みます。
「近所で貰えるんじゃないの」という方。たしかに仲良くなれば貰えます。でも、ご近所も豊作で自分で食べきれないから人に配るわけで、あちこちから同じ種類の野菜ばかり頂戴して閉口することになります。そうした野菜は市場でも流通量が多いですから、スーパーでもごく安価に購入できます。
「鳥でも飼えば卵ぐらい自給できるのでは」という方。野菜栽培以上に生き物を飼うにはコストと手間がかかります。

3.交際費
「都会では毎晩お付き合いで飲食費がかかって仕方ない」という方は、結局、外で食べるのが好きなわけで、そうした方はたとえ田舎へ移住しても、飲み代・外食代がかさみます。田舎でもお付き合いのためには当然、交際費が必要なので、職種や付き合いの深さ次第では都会と同等の交際費が必要でしょう。
飲食店などひとつもないような過疎地の場合、かえって一人で毎晩、晩酌することになり、やはり飲食費はかさんでしまいます。

4.交通費
公共交通が発達した都会と違って、田舎では車が主要な移動手段となります。
一人に一台の時代ですから、たとえば4人家族では4台の車を購入・維持しなければなりません。購入費、車検代、保険料等に加えて、昨今のガソリン代高騰は家計を直撃しています。
さらに、積雪地では、4駆の車とスタッドレスタイヤが必需品ですので、車1台についてノーマル、スタッドレスと、タイヤを常に2種類、準備しておくことになります。
タイヤ代も馬鹿にならない出費です。

5.燃料費・電気代
暖かい地方では問題ありませんが、寒冷地では灯油やエアコンのための電気代がかさみます。石油製品高騰で、こうした支出もじわじわと家計に影響してきます。

というわけで、どのような根拠で「田舎は生活費が安い」などというウソが流布されているのか、田舎移住者としてはまったく理解できません。
マスコミや田舎暮らしをしたことのないジャーナリストが喧伝する偽りの情報に、どうかくれぐれも騙されないようにご注意下さい。

写真:雪は生活の大敵!(揖斐川町東横山)

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