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2007年11月26日

●熊と人との共生を

 毎年、秋になると繰り返し報道されるのが、熊の出没である。特に昨年は件数が多く、一説によれば昨年だけで全生息数の三分の二近い熊が駆除されたという。今年も秋が深まれば、また熊騒動が繰り返されるのだろう。
 人と熊との緩衝地帯であった里山の荒廃、人間が放置した生ゴミを求めて熊が人里へ降りてくることなどが熊出没の要因と考えられているが、繰り返される熊騒動に国が何の対策もとらないのは不思議なことだ。人や作物の被害防止と並行して、個体数の急速な減少が危惧されるこの動物を保護する方策を早急に立案しなければならないはずなのに、正確な個体数さえ把握されていないのだ。
 地方への権限委譲が進んでいるが、野生動物保護は国土全体の実情を把握できる国が管轄すべきことがらであろう。国は、熊と人が共生するためのガイドラインを早急に策定してほしい。このまま駆除を続けていけば、数年を経ずして貴重な大型獣がわが国から姿を消すことになってしまう。野生動物と人が共生できる優しい国を作ることこそが、これからのわが国が目指す方向ではないだろうか。

(2007年10月 朝日新聞掲載)

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