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2008年02月07日

●真冬に見上げる夏の星座

 立春を過ぎたとはいえ、まだまだ寒さは続く。もう冬はうんざりだという人も多いのではないだろうか。南半球へでも旅行すればストレスも吹き飛ぶのだろうが、そうもいかない人は少し早起きして、明け方の星空を眺めてみるとよい。
 星は一晩のうちに少しずつその位置を変えていく。これは地球が自転していることによる現象だが、たとえば今の時期なら、夜8時ごろ真南に見えているオリオン座は、時間が経つにつれて西へと傾き、真夜中過ぎには地平線へと沈んでしまう。特に夜が長い冬は、一晩中がんばって起きていると、太陽の方角にある一部の星座を除いて、四季の星座を一晩のうちに見ることができるという楽しみを星見人に与えてくれる。

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 今の時期、明け方の空はすっかり夏の星空だ。南東の方角には夏の代表的な星座・さそり座が大きなS字のカーブを描いて昇り始め、さそり座から天の川をたどっていくと、北東の空にはこと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブが描く夏の大三角を見つけることができる。
 身を切る冷たい風に吹かれながら、こうした夏の星々を見上げるのは、季節を先取りした嬉しさを感じるものであるし、真冬の空に見る夏の星座は不思議にファンタジックな印象を与えてくれる。逆に、真夏の明け方、東の空からオリオン座が昇っているのを見つけたときも同様で、長い夏の倦怠を忘れさせてくれるひとときだ。
 黎明の静寂の中、一人見上げる新しい季節の星々は、忙しい日常の中で忘れかけていた何かを、人の心に呼び覚ましてくれる気がする。

(初出:岐阜新聞連載「ぎふ星見人」1993年2月16日)
写真:いて座の天の川

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