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2008年02月12日

●農山村部の道路に「緑の回廊」を

農山村部の道路を走っていると、車にはねられた動物の死体を見ることが多い。動物も哀れだが、はねたドライバーの方もいい気持ちはしないに違いない。
 野生動物が、危険を冒してまで交通量の激しい道路を横断するのには理由がある。道路に囲まれた狭い範囲のみでは、生存に必要なだけの食物を得ることが難しい。たとえ餌に不自由しないとしても、限られた異性としか接触できないために近親交配が進み、いずれは種を保存することができなくなってゆく。個体を維持し種を保存するためには、危険極まりない道路を横断してまで広範囲に行動せざるを得ないのである。
 野生動物が自由に往来でき、かつ不幸な事故を減らすための有効な方策は、動物の移動経路(いわゆる「けものみち」)を精細に調査した上で、けものみちが道路を横断する箇所に動物横断用のトンネルか橋を設けることだ。通路には土を入れ、人や車は通行禁止とする。
 こうした通路を通行するのは哺乳動物だけではない。土と緑のベルトで結ばれていれば、道路や人工物に遮断された細切れの緑地であっても、個体と種の保存に非常に有効であることがわかってきており、こうした「緑の回廊」を整備することによって、爬虫類や昆虫、植物もより広範囲に生活圏を広げることができるはずだ。
 折しも道路特定財源に関する論議が盛んである。不要な道路を造る必要はないし、必要な道路は造らなければならないが、道路整備にあたってはただ建設するのでなく、人にも自然にも優しい道路づくりに留意してほしい。

(初出:2004年7月 中日新聞)一部加筆訂正

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