2008年12月01日

●月と金星、木星の接近

今日、夕方の西空に目を留めた方はけっこう多いのではないでしょうか。
暮れなずむ空に、三日月と金星、木星が接近し、きれいな三角形を描いていました。
どれも明るい天体ですから、思わず足を止めて見てしまった方もいると思います。

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明日の晩には、月はもう少し太って、東の方へだいぶ離れてしまいます。月は毎日、次第に東へと移動してゆくのです。
金星は、少しずつ高度を上げつつあります。年末から来年には、夕空のさらに高いところで、まさに「宵の明星」にふさわしい輝きを放つようになります。
木星は、地球からの距離が遠いため、星座の中での動きはゆっくりです。これからは次第に西の空へ低くなり、年明けには見えなくなってしまいます。
このように月や惑星が星空の中を動いてゆく理由は、月は地球を回り、惑星は太陽を回ってゆくことによります。さらに地球も太陽を回っていますから、惑星の見かけの動きは複雑なものになります。
「惑星」という呼び名は、まさに「惑う星」。星空の中を西へ東へ迷っているように動くことから名づけられました。
金星は太陽に近く、見えている時間が短いため、星空の中での動きを観察することは難しいですが、地球に近く真夜中でも見える火星は、惑星の複雑な動きを観察するのにとても適した天体です。毎晩、観察していると、名前のとおり星座の中をふらふらと動き回るようすがよくわかります。

本当はもっと夕焼けが残っている時間帯に撮影したかったのですが、仕事が終わるとすっかり暗くなってしまっていました。いろいろ撮りましたが、とりあえず300mm望遠レンズで撮ったものを掲載します。

2008年12月03日

●見上げた空に流れ星

何日か前、寝る前に空を見上げたとたんに流星を見ました。
冬の代表的な星座である「オリオン座」が南東の空に高く昇っており、流星はそんな
オリオン座のすぐ下にある「うさぎ座」に出現したのでした。
明るさは3等ほど、経路を逆にたどると「おうし座」のヒアデス星団付近から放射したようです。そろそろ活動も終息を迎える「おうし座流星群」の流星でした。

「私、流れ星って一度もみたことがないんです」
あちこちで星の講演をしていると、そんな声をよく聞きます。
流星って、そんなに見にくいものなのでしょうか。

流星の出現数は、春は少なく、夏から秋にかけて多いのが特徴です。
流星は、毎年決まった時期にたくさんの流星を飛ばす「流星群」に属するものと、そうでない「散在流星」に分けられますが、春は活発な流星群があまりなく、散在流星も少ないために、全体として見られる流星数が少なくなります。
春は平均して1時間に5個以下しか流星を見ることができません。

これに対して夏は散在流星も増加し、流星群も活発なものがいくつも重複して活動します。毎年、お盆の頃に見られる「ペルセウス座流星群」などは、空気の澄んだ場所ならば1時間に100個近くの流星を飛ばします。平均しても1時間に20個程度は見ることができるはずです。

秋も、さほど大きな流星群はないものの、やはりいくつもの流星群が重複して活動しますから、1時間あたり15個程度は見ることが可能です。

冬は、12月の中旬に活動する「ふたご座流星群」が白眉でしょう。私は以前に、1時間に130個ほどの出現を観測したことがあります。

ということは、流れ星をたくさん見たいという方は、春より夏から秋、そして大きな流星群の極大日(もっともたくさん出現する日=概ね毎年決まっています)を選んで夜空を見上げることが大切ということですね。
もちろん、雲が多かったり明るい月が出ている晩にはあまり流星は見えません。街灯やネオンサインがピカピカの都会でも見えにくいことはもちろんです。

「じゃあ、今月のふたご座流星群に期待だね」と思われた方。
残念ながら今年のふたご座流星群は満月が一晩中、煌々と夜空を照らしています。
眠さと寒さをガマンできる方は、明けて1月4日の明け方に見られる「しぶんぎ座流星群」をご覧になると良いですよ。田舎で見れば、1時間に50個以上の流星を数えることができます。
この流星群については、またこのブログでもご案内しますね。

2008年12月05日

●詩「未来」

そんなに自由に振舞える君が
いつもとてもうらやましくて
それはきっと
生まれながらに神様からもらったものだと
ずっと思っていた

でも
あの雪の夜
小さく震えていた白い横顔
あのとき
ようやくわかったんだ
ひそかな決意を
一瞬一瞬
心に刻み続けながら
君も僕も生きているということを

いまさらだけどね
笑わないで

ビルの谷間から
冬の青空を見上げる
君のまなざし
凛冽として拡がってゆく
一秒先の未来


*久々に詩です。
星には関係ありませんが、おお、珍しく爽やか系の詩ではありませんか。
私の書く詩には、ミイラや幽霊が出てきたり、わけのわからない超現実的な風景が描写されたりと、あまりすかっとしたものはないのですが、自分自身の人間性としては案外(?)爽やか系なのではないかと思っていたりします(自分だけ?)。
あ、「君」が誰かとか「あの雪の夜」って思わせぶりだな、なんて詮索はしないよーに。
冬の青空のように凛として清冽な未来を生きてゆきたいですね。


2008年12月07日

●カオナシを飼う・・・?

ウチの猫部屋に「てぃび」という猫がいます。今のところいちばんの新入りです。
とはいえ、もう一年ほど経つでしょうか。私が仕事の帰り、まだ子猫だったてぃびが足元にまとわりついてきたのです。
ちょうど「マーブル」という猫が、腎不全で死んだばかりでした。まとわりついてきた子猫は茶色のサビ模様だったのですが、マーブルも同じく茶色のサビでした。マーブルの生まれ変わりのような気がして、私はその子猫を保護することにしたのです。

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ただ、マーブルとてぃびは、見かけこそ似ていたものの、中身はだいぶ違っていました。
賢く優しかったマーブルに対して、まだ子猫ということもありましたが、てぃびはかなりのおばかだったのです。おばか、というよりは、精神的に子供のまま進歩しないという方が正しいかもしれません。

その上、野良経験がそうさせるらしく、とにかく食べること食べること。他の猫の餌までぜんぶ食べてしまいます。
当然、肥ります。もともと頭が小さいこともあって、おなかだけが肥え太った姿は「千と千尋の神隠し」に出てくる「カオナシ」そのもの。
もと野良猫は、多かれ少なかれ飢餓経験から過食傾向が出ることは確かなのですが、てぃびは極端でした。制限しなければいくらでも食べてしまうのです。

てぃびは可愛いとはいえません。というより、可愛くないから捨てられたのでしょう。
その上、大食漢でおばか。
「こんな猫、飼ってくれるのはウチだけだね」
娘がてぃびを見つめてそう言います。
そう、ウチで飼っているのは、さまざまな理由によって捨てられた猫ばかりなのです。
今のところ、いいところのないてぃびですが、ウチで保護しなければ今頃は生きていないだろうと思うと、カオナシのようなその姿も、なんとなく愛しいものに見えてくるから不思議ではあります。

2008年12月10日

●オリオン座大星雲あれこれ

オリオン座がきれいに見える季節となってきました。
1等星を二つも含むこの星座は、星座の中央部に「オリオン座大星雲」という肉眼でも確認できるガス星雲があることでも有名です。
オリオン座大星雲は、宇宙空間の濃い水素ガスの集まりで、鳥が羽を広げたような形をしています。
通常、こうしたガス星雲は非常に淡くて、写真には写りこそすれ人間の目で見ることができるものはほとんどありません。ところが、オリオン座大星雲は三ツ星の下に肉眼でもちゃんと見えますし、望遠鏡を使えば、空の明るい街中でもぼんやりと輝く姿をしっかり見ることができるという、文字通りの「大星雲」なのです。

星雲の中心部では、盛んに星が生まれています。ハッブル宇宙望遠鏡などによる画像では、生まれたばかりの星がガスの中で輝いているようすがはっきりとわかります。
実を言えば、オリオン座の主な星は、ほとんどがこの星雲の中から生まれてきたものです。
肉眼で見える星の中で生まれ育ちが異なるのは、赤い1等星のベテルギウスだけ。他の星は、どれもがオリオン座大星雲から生まれ出て、長い年月をかけて宇宙空間に拡散していったものなのです。

このオリオン座大星雲、眼視や短時間露出の写真では、三ツ星の下に小さく映ずるだけですが、長時間露出の写真では、オリオン座全体を包むように広がっていることがわかります。
その意味では、オリオン座そのものが、この星雲から生まれ出た巨大な散開星団ということができます。地球からの距離が非常に近いために、明るい星を多く含む星座として見えるわけで、もう少し遠くからオリオン座を眺めたら、ちょうどプレアデス星団(すばる)のように、明るい星がバラバラと集まった美しい星団として見えるはずなのです。

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写真は、20cm屈折望遠鏡で撮影しました。
写真では赤く映りますが、眼視では目の感光特性から赤くは見えず、青白、もしくは青緑色に見えます。
よく「最高に澄んだ夜空の下ではわずかに赤く見える」などという人がいますが、人間の目は水素の波長が出す赤い光に感度がまったくありませんから、これは根拠のない思い込みということになります。
眼視で青白く見えるのは、酸素の出す輝線を見ているためです。
私は、眼視で見る青白いオリオン座大星雲の方が、透徹した冬の夜空に似合っているようで好きです。

それにしても、澄んだ夜空の下、大きな望遠鏡で見るこの星雲は圧巻の一言に尽きます。
空の暗い公開天文台へ行かれる機会があったら、心ゆくまでこの星雲の複雑なディテールを楽しんでほしいと思います。

2008年12月12日

●ビビさんが病気

ウチの猫で最長老のビビさんが病気です。
3日ほど前から急に何も食べなくなってしまいました。
もともと、ウチに来たときからかなりの高齢で足や胃腸も悪かったのですが(捨て猫でした)、その割には大きな病気はせず元気だったので、なんとなく安心していました。

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病状を見ていると、急に不調になったこと、吐いたり下したりしているわけではないことから、私やカミさんは、歯が痛いのではないかと思っています。
というのは、以前から歯肉炎に罹っていて歯の半分以上が抜けていました。ただ、元気で食欲もあったので本人(本猫?)は、さほどの自覚症状はなかったようなのです。
それが急に痛くなったために、食事が摂れなくなったのではないかと思います。

人間は、少しぐらい歯が痛くても、まったく食事が摂れなくなることはあまりありませんが、動物は口内の症状に非常に敏感です。
猫は口内炎に罹ることが多いのですが、口内炎を患った猫はまったく餌を食べなくなります。ウチで飼っている猫たちも、これまでに何度も口内の炎症で餌を食べなくなったことがありました。

この文章は出先から書いているので結果はわかりませんが、今日、カミさんが病院に連れていくと言っていましたので、何らかの治療が施されているはずです。

ウチで飼っている7匹の猫のうちでは最長老かつ最も古くからいるビビさん。
何とか元気になってほしいものです。

2008年12月13日

●彩雲

今日の夕方、あまり顕著ではありませんでしたが、彩雲を見ることができました。

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彩雲とは、文字通り、雲の一部が美しい色に染まる現象です。太陽の光と雲を作る微細な水の粒子の位置関係によって太陽の光が分散され、虹と同じ七色に染まって見えるのです。
今日は、雲のようすが何らかの珍しい気象現象を引き起こしそうな雰囲気だったので観察していたところ、見ることができました。
昔は彩雲が瑞兆と考えられ、彩雲の出現によって元号を変えたこともあるそうです。
本当はそれほど珍しい現象ではないのですが、久しぶりに見ましたので、何かいいことあるかなあと、ちょっとだけ期待しているところです。

そうそう、猫のビビさん、元気になりました。
不調の原因は意外なところに・・・。

続きを読む "彩雲"

2008年12月14日

●夕雲

昨日の夕方の様子です。

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昼間は良い天気だったのですが、夕方から急速に曇り始めました。
写真は曇り始めた頃の西空です。ちょうど日没で、残照に照らされた雲が綺麗でした。
今日は午前中から晴れ始め、午後からは良い天気になりました。
秋のようにめまぐるしく天気が変わります。冬型が安定するのはしばらく先になりそう。
雪が降らないのはありがたいですが、12月というのにこれほどの暖かさというのはちょっと不気味です。
天気が安定しないといえば、昨夜は、ふたご座流星群の極大日でしたが、今年も見事に曇られました。以前は、12月中旬のこの時期、冬型が定着して太平洋側では晴天が続いたものでしたが、ここ数年、ふたご群の極大日になると天気が崩れるジンクスが続いています。
ここ数年の天候異変、やはり地球温暖化が急速に進んでいるのでしょう。
流星群といえば、来週末は「こぐま座流星群」が活動します。通常の年は1時間に数個の出現ですが、時折、突発的に出現数が増加します。
来週末は晴れるといいなあ。

2008年12月16日

●大流星雨の夢、再び!

2001年11月、日本の夜に華麗な大流星雨を降らせた「しし座流星群」。
母天体であるテンペル・タットル彗星も遠ざかり、もう活発な出現はないと思われていましたが、もしかすると来年、ふたたび流星雨が見られるかも知れないという期待がひそかに高まっています。

毎年、同じ時期に見ることができる流星群の活動は、彗星が軌道上にばらまいた細かいチリの帯と地球軌道が公差することによっておこります。
そうしたチリの帯のことを「ダストトレイル」と呼んでいますが、テンペル・タットル彗星が33年の周期で太陽に接近するたびにばらまいたダストトレイルは、惑星の引力などさまざまな要因で少しずつ異なった軌道を描いて太陽を回っています。ひとくくりに「しし座流星群」といっても、その実態は33年ごとに放出されたたくさんのダストトレイルの集合体というわけなのですね。
2001年は、そうしたダストトレイルのひとつが、たまたま地球と大きく接近したためにあのような大流星雨を見せたわけです。

実は今年も、そうしたダストトレイルのひとつと地球が接近し、1時間に100個前後というやや活発な出現が観測されました。
そして来年は、1466年にテンペル・タットル彗星が放出したダストトレイルの中心部を地球が通過することがわかっています。
そのために、1時間に500個超の流星雨が見られる可能性があるのです。

今のところ、活発な出現が見られるのは、日本時間で11月18日の6時40分前後と予報されています。
中国が最も適した観測地となるのですが、予報の前後数時間は活発な活動が続くと見られていますから、日本でも18日の未明、1時間あたり数百個の流星雨が見られる可能性があります。
2001年同様、来年も邪魔な月明かりはありません。問題は天候だけというわけです。

以前はあまり当たらなかった流星群の出現予測は、ダストトレイル理論の研究によって非常に当たるようになってきました。
ということは、かなりの確率で来年、流星雨が見られる期待が高まっているのです。

2001年の感動を再び、と思われる方、11月17日~18日は今から他の用事を入れないようにしておきましょう。
もちろん私も、何をおいても観測するつもりでいます。

2008年12月18日

●アルネ君が白内障

ウチで飼っているうさぎのアルネ君は、もうすぐ8歳になります。
これまで大きな病気もなく元気いっぱいだったのですが、寄る年波には勝てず、白内障になってしまいました。

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目が白くなりかかっていることを見つけたのは夏過ぎです。
動物病院に行って目薬を貰ったのですが、「薬を投与しても進行が遅くなるだけで
治ることはないですよ」と言われました。
医者の言葉通り、目の白さは次第に進行し、今では両目とも真っ白に近い状態になってしまいました。
今ではほとんど見えていないらしく、嗅覚と聴覚を頼りに動いているようです。

それでも、さほど苦にしている様子はありません。
餌もよく食べるし排泄も問題なし。
うさぎは高齢になると骨が弱くなってくるため気をつける必要がありますが、怪我をさせないようにすれば、まだまだ長生きしそうです。

うさぎは案外、寿命が短く、5歳以上生きれば長寿うさぎと呼ばれます。
8歳まで生きることは少なく、10歳を超えることは稀だそうです。
その意味ではアルネ君は、立派なご長寿うさぎというわけです。

今はもうすっかり家族の一員になっているアルネ君。
何とか頑張って長生きしてほしいものです。

2008年12月20日

●九州寝台特急が廃止

 3月末で、とうとう東京~九州間の寝台特急が廃止されることになりました。
 私は、ここ10年ほどは仕事や家庭が忙しく、なかなか旅行にも行けないものの、若い頃?は全国各地へ寝台特急を利用して旅していましたから、今回の廃止決定には感慨深いものがあります。
 しばらく前からいずれは廃止されるだろうなとは思っていましたが、とうとうそのときが来た、という感じです。
 以下の文章は、数年前にある鉄道雑誌に書いたものです。結局、なんら改善はなされないまま廃止になってしまいました。
 寝台特急の利便と旅情を愛する私としては、寂しさを禁じえません。
 以下、雑誌に書いた文章です。

      ☆ ☆ ☆ 

 10数年ぶりに九州方面ブルートレインに乗った。「はやぶさ・富士」のB寝台である。
 岐阜から乗車したのだが、まずは意外な乗車率に驚いた。私が乗った車両は、上下段ともほとんどの寝台が埋まっていた。「さくら・はやぶさ」が廃止されたために乗客が集約されたのかもしれないと思いながら洗面に行く。

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 とたん、懐かしさと切なさがないまぜになった感慨にとらわれる。昔ながらの白い陶器製の洗面台。押し続けていないと水が出ないシンク。
 寝台に横になる。こんなに揺れが激しかっただろうか。こんなに走行音がうるさかっただろうか。車両の端の寝台だからか。それとも車両の経年劣化のためだろうか。以前「さくら」に乗車した際には、滑るような乗り心地に感心したものだったが・・・。
 狭い寝台で不眠と懐旧を噛みしめながら、ふと気づいた。現代の洗練されたサービス水準にいつのまにか慣れた体にとって、寝台列車のサービスは許容レベルを遥かに下回っているのだと。
 汽車旅派を自認している私ですらそうなのだ。個室はともかく、開放型のB寝台は選択の対象にすらなりえないに違いない。
 もはやタイムリミットである。遮音と震動対策に優れた個室主体の車両を新造するか、現在の開放型寝台すべての料金を大幅に値下げするか、どちらかの選択しかない。
 睡眠中に移動できるというメリットは大きく、需要はかならずある。JR各社の英断を望みたい。

写真:寝台特急「富士」のB寝台車

2008年12月22日

●詩「てのひらの中の宇宙」

「私ね、宇宙を持ってるの」
彼女の笑顔は陽だまりのあたたかさ

「ほら、ね?」
ひろげたてのひらに
遠く
紫の宇宙
幾千の星のまたたきのなか
遥か
僕の知らない星雲が光っている

「もう、おしまい」
彼女はてのひらを閉じて
「今のはね、アンドロメダ星雲から見た銀河系」
僕を見つめてにっこり笑うと
「ね、私、アイスクリームが食べたい」

公園のベンチでアイスクリームを食べながら
僕らは
宇宙開発について話した
ロケット工学に
彼女はとてもくわしい


☆手に触れることができないはずの宇宙が、ふと開いた手のひらの上にあったなら、とても素敵だと思います。あくまで涼しげな女性の手のひらにあってこそいいのであって、むくつけき中年男では願い下げであることはもちろんです。

2008年12月23日

●今日は冬型の雨

今日は冬型の天気となり、自宅のある岐阜県大野町でも冷たい雨が降っています。
明日は宿直で藤橋まで行かなければならないので冬型が解消してくれないかな、と天気予報を見たら、この冬型は今日いっぱいのようでした。

岐阜県は、若狭湾と三河湾にはさまれた、本州が細くくびれた部分に位置しています。
日本海側と太平洋側を画する山脈も低いために、弱い冬型であれば晴天となるのですが、
少し冬型が強まると山を越えて日本海の雪雲が流れ込み、太平洋側に近い美濃地方でもとたんに雪になってしまいます。
もちろん美濃地方でも北へ行くほどその傾向は顕著で、例えば私が自宅から車で福井県との県境に近い藤橋の天文台へ行く場合、こんな感じです。

自宅付近・・・快晴
旧揖斐川町・・・曇り時々雪
旧久瀬村・・・雪(積雪20センチ)
旧藤橋村・・・強い雪(積雪40センチ)
天文台付近・・・激しい雪(積雪60センチ)
徳山ダム付近・・・激しい雪(積雪1メートル以上)

通常の冬型でこんなところですから、強い冬型になると急藤橋村で積雪60センチ、天文台付近で1メートル、徳山だと2メートルほどになります。
冬、自宅から北西の山を見ると、真っ黒な雲がべったり山に覆いかぶさり、その雲の下は白くかすんで、雪が降っている様子がわかります。これほど短い距離で劇的に天候が変化する場所はそうそうないだろうと思います。
生まれ育った東京では、こんなことは考えられませんから、思えば面白いところへ移住したものではあります。

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東京では、雪は美しいもの、はかないものでしたが、岐阜県の山間部では違います。
雪は恐ろしいもの、始末に負えないものです。メレンゲのように甘く繊細な東京の雪に対して、こちらの雪は除けても除けても堆積し続ける膨大な量の土砂、と例えれば良いでしょうか。それが凍結すれば、スコップも歯が立たないコンクリートの塊に変わります。

星空の美しい天文台付近でも冬場は連日の雪となり、たまさかに晴れた晩があっても帽子のように降り積もった雪で天文台のドームは回らず、一面の深雪に覆われた地面には望遠鏡を設置する場所もありませんから、冬場は観測もお休みとなります。

今年は暖かですが、冬はこれからが本番。
この冬の雪はどの程度でしょうか。

写真:天文台への道路を埋めた雪崩

2008年12月26日

●体調不良なのに忙しい

ちょっとご無沙汰してしまいました。
というのは、ここ三日ほど体調不良で死んでいるためなのです。
胃腸炎みたいで、気持ち悪いやらお腹が痛いやらで何をする気も起こらない。
それでも年末でお仕事は非常に忙しく、しかも宿直や消防などさまざまな予定が入っていて・・・。

結局、一昨日の宿直は無事にこなしましたが、昨日は午後から仕事を休んで、その晩の消防の訓練も欠席、今日は締め日なのでどうしても休めず、半死半生で出勤+残業、何とか年末を迎えた次第です。本当は今夜も消防があるのですが、さすがに休むことにしました。でも、明日の晩の消防年末夜警は休めないので、何とか体調を治して参加するつもりでいます。

ここで「消防って何?」という方。
田舎では、健康な男子には消防団への入団がほぼ義務付けられているのですよ。
軍隊の召集令状みたいなもので、逃れることはできません。で、普通は40歳ぐらいでお役御免になるのですが、過疎地域である私の勤務先だと、なんと50歳までお勤めしなければなりません。村民・町民皆兵みたいなものですね。
というわけで私もかれこれ15年もお勤めしています。早くやめたくて仕方ないのですが・・・。

しかも、体調不良+消防+お仕事に追い討ちをかけるように、昨日からめちゃくちゃ寒い!
今日は一日、雪でした。今までが暖かすぎで、これが普通の冬なのですが・・・。
まあ、いろいろありましたが、今年の仕事も今日で終わり。そう思うと、何とか一年の責務を果たした心境です。

2008年12月28日

●消防団の年末夜警

昨夜は、消防団の年末夜警でした。
毎年、年末に恒例行事として行われているもので、12月25日から30日までの間、午後9時から午前1時まで町内を消防車で巡回します。

昨夜は降り続いていた雪も止んで小雨でした。
相変わらず体調不良でしたが休むわけにはゆかず、しっかりお勤めしてきました。
山奥の村ですから、巡回する時間帯にはほとんどの家が寝静まっています。そんな家々の間を、赤色灯を回しながらゆっくりと消防車を走らせます。

前夜までの雪は日陰に残るのみでした。
それでも、天文台のある鶴見地区まで行くと5センチほど積もっていました。
この時期にこの程度では積雪とは言えず、楽でしたがちょっと拍子抜けでした。
3年前の大雪の際の夜警では、道の両側に3メートル近い雪の壁ができていたものなのですが・・・。
温暖化の影響か、年々、雪の量は減っているようです。

全員、ねむねむでしたが、何とか1時までこなし、かっとびで帰路に就きました。
これで年内の仕事がらみ、というか公式行事はすべて終了。
あとは胃腸炎を早く治さないと・・・。

2008年12月29日

●月と水星、木星の接近

夕方、月と木星、水星の接近を撮影しました。
実は今日の昼過ぎ、水星が月齢2の月に隠される現象が起こったのですが、ちょうどその時間帯だけ雲が出ていて見ることができませんでした。
でも、水星食が起こったということは、夕方、暗くなった時点で月のすぐ近くに水星があるということになります。
ということで、暗くなり始めるのを待って、地動説を唱えたコペルニクスも見ることがなかったという水星を、月を頼りに探すことにしました。

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透明度が良かったので月は肉眼で簡単に見つかり、双眼鏡を向けると、月のすぐ上に木星、すぐ下に水星が明るく見えていました。月をはさんで、ちょうど良い構図です。

早速カメラを持ち出し、家のすぐ近くで露出を変えながら続けて撮影。
薄明時間帯で露出が難しい現象ですが、そこはデジカメの利点を生かして撮影のたびに画像を確認、そこそこ適正露出を得ることができました。
これが以前のようなフィルムカメラだったら、現像が上がるまで結果がわからなかったのですから、薄明時間帯の現象にはデジカメ様様です。

水星は間もなく、夕方の西空でもっとも太陽から離れる「東方最大離角」を迎えます。
西の低空が開けた場所で、太陽の沈んだ方角を双眼鏡で探せば、透明度さえ良ければ街中でも見つかりますので、いつも太陽のすぐ近くにいてなかなか見るチャンスのない水星を、この年末からお正月に、ぜひ見ていただきたいと思います。

写真:12月29日 17時37分 EOS KissDX(200mm F5.0) 露出1/4秒 ISO800

2008年12月31日

●日本天文学会創立100周年記念切手

カミさんが「日本天文学会創立100周年記念」の切手シートを買ってきました。

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80円切手の10枚シートで「太陽系の天体」として水星から海王星までの惑星と小惑星を描いた切手が2枚と、岩崎一彰さんの天体画を背景に「すざく」「はやぶさ」「すばる望遠鏡」「野辺山45m電波望遠鏡」を描いた切手が8枚のセットになっています。
なかなかいい感じの切手シートで、一枚だけ切り離して使ってしまう気にはなれません。
このままコレクションにしてしまいそうです。私と同じく使用せずコレクションしてしまう人が、かなり多いような気がします。

最近、日本でも宇宙を描いた切手が増えてきていますが、世界の切手事情を見ると、まだまだ少ないようです。
西美濃プラネタリウムでは、世界の天文切手をコレクション・展示していますが、なぜか発展途上国で天文に関する切手の発行が多く、いわゆる先進国では切手の総発行数の割に天文に関するものは多くありません。
その理由はよくわかりません。発展途上国だからこそ、先端の科学に憧れる気持ちがあるのかもしれませんね。

「日本天文学界創立100周年」の切手シート、まだ郵便局で売っていると思います。
興味のある方はぜひお買い求めください。

と、ここまで書いて近況です。

仕事納め頃から体調不良が続き、せっかくの年末休みにもかかわらず家にこもっています。
本当は29日から東京へ帰省するつもりだったのですが、胃腸の不調が治らず、カミさんと娘だけ帰省させて私は居残りになってしまいました。
東京の友だちと会う予定もあったのにすごく残念です。
思えば今年は公私共にさまざまなことがあり、仕事中は気を張っていたものの、さすがに年末になってぷつんと切れてしまったようです。
今朝からはだいぶ回復してきましたが、ウチには猫が7匹、うさぎが1羽いるために家族の誰かがその世話で残っていなければならず、この年末年始は帰省できずに終わりそうです。

ちょっと情けない年末となってしまいましたが、今年も一年間、このブログを読んでいただいてありがとうございました。