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2009年01月01日

●2009年、日本はどうなる

明けましておめでとうございます。

昨年の元旦に「年頭所感」として2008年の日本経済の見通しを書きました。
原油高は続き、増大する長期債務など構造的な要因で株価の低迷も続くだろう、格差問題の根本はアメリカに追随してきた戦後の日本経済と政治の積もり積もったツケであり、総選挙による政権交代(=国民の意識変革)がなければ解決は難しいだろう、そうした中で地球規模の環境への取り組みが日本再生のキーワードになろう、そんな内容です。
そのときは、サブプライムローンに端を発した世界同時不況が訪れることは予想できませんでしたが、市場が限られているのに右肩上がりの経済成長が続くはずはないという意識は常にありました。

それから1年後。
経済情勢は激変しました。我が家の資産も半減しましたが、これは仕方のないことで、歪んだ成長を続けてきた世界経済が常態に戻ろうとしていると考えれば、さほど異常な状況ではないのだと思っています。
短期的には市場に激震が走るでしょうが、アメリカのビッグスリーも自らの経営努力で再生できないのであれば、潰れてしまった方が長期的にはプラスになるでしょう。

年頭に麻生総理は「日本こそ世界で最初に不況から立ち直る」と決意を述べました。
その心意気やよし、と言いたいところですが、日本経済の足を引っ張る最大の要因が、実は変化もなく進歩もない「政治」にあることを考えれば、総理の決意にうなずくことはできません。
自民党は、あまりの長期政権によって持てる資産(人材、発想力)を使いきってしまった感があります。給付金や高速道路1,000円均一など、子供でも考えそうな「政策」しか浮かばないことがそれを如実に示しています。
昨年も書きましたが、政権交代によってしかこの閉塞状況は打破できません。
不況脱出の決意を述べた首相率いる与党こそ日本経済の再生を妨げる最大の要因なのだということを、与野党の政治家はもう一度自覚すべきだと思います。

格差問題も深刻です。
小泉改革が悪かったという短絡的な論調が目立ちますが、どんな社会でも長い平和が続くほど金持ちと貧者の区別が鮮明になってくるものです。
よく二世政治家が問題になりますが、二世が幅を効かしているのは作家や芸能人も同じです。
親に資産や知名度がある二世は才能の有無に関わらずスタート地点から圧倒的に有利です。
親の資産を元に成功した二世の子孫はさらに有利なスタート切れるわけで、こうした状況は社会の全てをぶち壊す戦争や飢餓などが起こらない限り続いてゆきます。
「下流社会」という言葉が流行りましたが、現実はまさにそうで、平和が続くほど社会は「貴族」と「下流」の2階層に分化してゆくのです。
もちろんそうした流れにストップをかけるのが政治ですが、二世政治家がどんどん増えている現状では難しいように思われます。

今は息をついている原油価格も、基本的には産出量が減少する一方ですから、安くなったと喜ぶのでなく、余裕があるうちに次代のエネルギー政策を具体化しなければなりません。

昨年も書いた環境問題への取り組み。
これは世界で最も高い環境技術を有するわが国が、いちばん力を入れるべき分野です。
もちろんその根底には「地球を救う」という高い理念を常に掲げ、そのことを世界にアピールし続けることが大切です。国際社会で尊敬を集めることは、中長期的にわが国の将来にとって大きなプラスになるはずです。

中国が空母の運用を始めるというニュースもありました。
極東の軍事バランスは大きく変わっていくものと思います。
日本もシーレーンと島嶼防衛のために空母を運用する時期がきたのかもしれません。
今後の世界は、露骨な資源の奪い合いになっていくものと思います。
平和を希求する理念と適正な軍事力の保持は相反するものではないことを国民も政治家も自覚しなければ、国益を大きく損ねることになりかねません。

株価はあと3年は低迷するでしょう。今は頭を低くしてやりすごすしかありません。
構造的な不況の脱出に特効薬はありません。麻生総理が固執する「給付金」など、カンフル剤ほどの意味も持たないでしょう。また、自民党や民主党が掲げる「高速道路の低料金化・無料化」は温暖化防止に逆行するもので、交通インフラを活性化させたいのなら鉄道運賃への何らかの補助を行なうべきでしょう。

総合的には、今年のわが国の見通しに明るい要素はあまりないものと思います。
サービスやモノづくりの原点に立ち返って地道に働くしかないのでしょう。

ただ、世界が混乱している今、わが国の技術や制度、理念を誇りと誠実さをもって世界に発信し、アメリカ一辺倒だった世界の流れを変える大きなチャンスでもあります。
そのためにはまず政権交代、ということになるでしょうか。旧いしがらみでがんじがらめになった
今の政権では、未来を見据えた政策はまったく期待できそうにありませんから。

昨年同様、年明け早々から小難しいことばかり書いてすみません。
実は私、経済学部商学科の出身なんです。
明日からはまた、天文や田舎暮らしのことを書きますね。

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