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2009年08月31日

●望遠鏡流星

皆さんは「望遠鏡流星」って見たことありますか。
天体望遠鏡で星空を見ているとき、視野内をスッと暗い流星が流れることがあります。これが望遠鏡流星です。

とはいえ、通常は1時間に1個か2個程度しか見られませんから、ふつうに天体観望を楽しんでいる人では、なかなか見るチャンスがありません。
星雲・星団観望や彗星観測を行っている人は、ご覧になったことがあると思います。
彗星捜索者や流星観測者には昔から注目されており、古くは東京天文台(当時)の井上秀雄先生が研究を行い、大昔になりますが、新宿にあった先生のご自宅までお話を伺いに行ったこともあります。

私は昔から彗星の観測をしてきましたから、望遠鏡流星をずいぶんたくさん見てきました。
ずっと光度や性状を記録してありますので、手元には数十年分の望遠鏡流星の観測データがたまっています。

望遠鏡流星の光度はさまざまですが、8等程度のものが多いようです。
もちろんもっと明るいものや暗いものも見え、5等よりも明るいものが流れると、ハッと驚いてしまいます。
4等より明るいと眩しく感じられ、それよりも明るいものでは目の前でフラッシュを焚かれたようです。
暗いものは10等程度まで見えますが、それより暗いものはたとえ口径が大きくなっても見るのは困難です。

暗いものでは光度変化はあまり見られません。
でも、流星痕はかなりの割合で見られます。
7等や8等の流星に痕が残るのは本当に不思議な感じです。
明るい流星では数秒続く痕も見られ、高空の風に流されて変化してゆくようすもわかります。

大流星群の極大期だと、1時間に十数個の望遠鏡流星が観測できます。
以前、ペルセウス座流星群の極大日に観測していたら、暗いけれど明らかにペルセ群とわかる性状の流星が、どれも痕を残して次々に視野を横切り、眼視とはまた別の楽しさがありました。
肉眼と違って分解能が優れているため、痕の微細構造がよくわかり、本当に不思議なものです。
いわゆる「割り箸痕」と呼ばれる二本平行した痕や、スパイラル痕と呼ばれるらせん状になった痕など、分解能が高い望遠鏡ならではの珍しい現象が観測できます。

光度分布や有痕率など、まとめなくてはと思っているのですが、なかなか時間がとれません。
特に有痕率の研究はこれまでなされていないため、面白い統計結果が出せるかもしれません。

ペルセ群やふたご群の極大夜、西美濃天文台の60センチ望遠鏡で望遠鏡流星を観測しようという野心的?な試みも何年も前から計画しています。
これまで天候の関係等で実施できていませんが、ぜひ試みてみたいと思っています。

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コメント

こんにちは。

流星は肉眼でしか見たことありません。そもそも望遠鏡を覗く時間が少ない(泣)
いいなー、ぜひ見てみたいです。

望遠鏡で人工衛星なら見たことがあります。
え、そんなん普通じゃんって? 実は昼間のことなんですよ。
60cm反射で、水星か何かを見ていた時にたまたま視野の中を横切っていきました。
視野角は、月が画面に入りきらないくらいだから、20'くらいです。倍率は180倍。
あっという間の出来事でした。

流星を望遠鏡で見るのは「運」という部分が大きいと思いますが、
まず、可能性があるものとして、流星痕を望遠鏡で見てみたいです。
無論、流星痕を残してくれるような流星に気づけなかったらお話にならないですが…。

こんにちは。

望遠鏡流星、そんなに珍しいものではないのですが、やはり望遠鏡を長時間覗く観測じゃないとなかなか見られません。
彗星捜索はその点うってつけで、最低でも30分、長ければ1時間以上、ホウキで夜空を掃くように見てゆきますので、季節にもよりますが、たいていは1個か2個、望遠鏡的な流星を見ることができます。

それにしても昼間の人工衛星。
私も見たことがないかも。
180倍あれば、よほど高軌道を飛んでいるものでなければ形状がわかりますね。
太陽との位置関係次第ですが、昼間なら陽光にきらきら光っているようすも見えそうです。

流星痕は、肉眼で流星が流れた後に双眼鏡をすばやく向ければ、肉眼で痕が見えなくてもしばらく見えることがあります。
実際に視野内を望遠鏡流星が流れて、その跡に見える痕を見ようと思ったら、うーん、やっぱり広視野低倍率の望遠鏡で忍耐強く待つしかなさそうです。
ペルセ群やふたご群の日なら、けっこうラクにたくさん見えますヨ。

こんにちは。
いつもお世話になります。
望遠鏡流星!実は私も観たことがありますよ。あの時はたしかC-14で土星を観ていた時でした。土星の横をスッと流れていきましたヨ。
干場 一志

こんばんは
 望遠鏡流星。若い頃、一時はまりましたね。5cm双眼鏡で観測していました。肉眼で見るのとひと味違って興味深いのですが、毎回睡魔との戦い。寝椅子に横になって固定した双眼鏡で天頂を観測。流星が飛ばないと10分も経たないうちに深い眠りに。これがまた気持ちいいのですよ。小雨が降ってきて気がついたこともありました。
望遠鏡で見る流星痕も感動ものですが、私の一番は、双眼鏡で見たジャコビニ群の小流星です。

干場さん、こんにちは。
土星を見ていて望遠鏡流星、それは非常に珍しい。
広視野低倍率の望遠鏡でないと、視野にとらえるチャンスはほとんどありませんし、土星が明るいので幻惑されてしまうこと、瞳孔が小さくなることから暗い天体が見づらくなることが要因です。
運良く明るい流星が狭い視野を横切ったわけですね。

Furukawaさん、こんにちは。
おお、望遠鏡流星を観測されていたのですね。さすがFurukawaさん!
たしかに睡魔との戦いかもしれません。私の場合は彗星捜しがメインなので視野がどんどん移動しますので退屈しませんが、視野を固定してあると眠くなりそう。
流星痕、感動しますよね。
ジャコビニ群、1972年の出現時ですか?
だとすれば私が天文を始めた頃です。
日本中大騒ぎでした。
そのうちジャコビニ群のことも書かなきゃ。
1985年の大出現時は雲が多いながら観測できました。
眼視でしたが。

こんばんは
 1972年は曇ってしまい(東濃地方)全く見ることができませんでした。85年は天文から離れていた頃で、出現があったことすら知りませんでした。初めて見たのが98年。22時を過ぎた頃でしたか、双眼鏡の視野内を流れ星がまるで粉雪が風に流されるようにフワーと飛び始めました。30分と続かなかったと思います。ちょっと現実離れした印象的な眺めでした(記憶の中で美化されているかな?)。2011年が楽しみですね。

Furukawaさん、こんにちは。
1972年のときは東京でもほぼ曇りでした。
1998年は雲が多かったですね。
自宅でHROの画面を見ていたら、急に出現数が増え始めたので急遽、山を下り、池田町、揖斐川町で観測しました。
Furukawaさん仰るように、フワーッとした感じの頼りない流星でした。
ポロポロと崩れていくような。
出現時間は1時間ちょっとでしたね。
2011年はヨーロッパで出現が予想されています。
日本でも見えるといいのですが・・・。


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