2009年09月02日

●ジャコビニ流星群

望遠鏡流星のことを書いたところ、意外なほどのRESをいただきました。
今回はそのコメントで話題になった「ジャコビニ流星群」について・・・。

ジャコビニ流星群は、10月8日頃に観測される流星群です。
毎年出現する定常群ではなく、不定期に活発な活動が見られることから突発群の代表的なものとして知られています。
ただ、最近では、非常に少ないながらも毎年観測されるようになり、突発群から定常群への移行過程にあるともいわれています。

通常、流星群の名称は「ペルセウス座γ流星群」とか「ふたご座α流星群」のように、輻射点のある星座の名前を冠して呼ぶことが多いのですが、この群は伝統的に母彗星の名前をつけて呼ばれています。
母彗星はGiacobini-Zinner彗星といい、周期6.6年で太陽を回っています。
彗星の軌道と地球の軌道が公差する際に、軌道上にばらまかれたチリが地球の大気に突入して流星群として観測されるわけですが、毎年見られる流星群と異なり、軌道上に満遍なく流星のモトとなるチリが分布していません。
そのために、流星が見られる年と見られない年があるわけです。
名称については「りゅう座γ流星群」とも呼ばれますが、今年開催された天文学の会合で、「ジャコビニ流星群」も「りゅう座γ流星群」も正式名称ではなくなりました。
正式名称はまだ議論の余地がありますので、この記事では便宜的にジャコビニ流星群の名称で書いてゆきます。

突発出現と書きましたが、正式に記録されている最初の出現は1933年です。
北米やヨーロッパで流星雨と呼べる規模の出現が見られました。
このときに撮影された写真には無数の流星が写っていて、子供の頃初めてその写真を見た私は、一生のうちに一度はこんな流星雨を見てみたいと強く思ったものです。
1946年にも顕著な出現が観測されました。

1972年には、日本で大出現が見られることが早くから予測され、日本中が狂奔する騒ぎになりました。
私も一晩中起きていましたが、東京では薄曇りで流星は見られず、天候の良かった東北北部や北海道でもほとんど出現はありませんでした。
ただ、当時の「天文ガイド」の同好会誌紹介欄に、「ジャコビニ流星群出現?」という記事が掲載されており、「チカチカと線香花火のように数個まとまって飛んだ」とのことでした。
真相は不明ですが、妙に印象に残る記事でした。

SFY08L55.GIF

1985年には日本で比較的盛んな活動が観測され、1998年にも短い時間でしたが、活発な出現が見られました。
その日、プラネタリウムの仕事を終えた私は、自宅に帰るとすぐ自動稼働しているHRO(流星の電波観測)の画面を見ました。
何となく予感はしていたのですが、画面はたくさんのエコーで埋め尽くされていました。
外に出ると、雲量8程度と観測できる状況ではありません。
弱い冬型だったので、平野部へ行けば晴れていると思い、車を飛ばしました。
池田山の麓まで行くとけっこう晴れています。
流れの速い雲の隙間に頻々と流れる流星は、雪が舞うようなふわりとした印象で、ポロポロと崩れていくようなプロフィール。
出現数は1分間に数個~10個程度でしょうか。
速度も遅く、通常の流星とはかなりイメージが異なります。
この日は結局、晴れ間を求めてあちこち移動しながら見たわけですが、まともに観測できたのは後半の30分ほどで、その後は急速に終息に向かいました。

次回は、2011年にヨーロッパでの出現が予報されています。
近年、流星群の出現予報はかなり正確になり、なかなか大番狂わせはないのですが、半日出現がずれて日本でも観測できるといいなあと、かすかな期待を抱いています。

画像:当日のHRO画像。右端のバーがエコーの強度を表しています。

2009年09月04日

●詩「火星暦97年」

こんなうす青い夕暮れに
よく二人いっしょに地球を眺めたね
あなたの小さな望遠鏡で
海の青
雲のうずまき
それから
眩いほど白い両極の輝き
地球を見ていると
少しだけ哀しくて
少しだけ懐かしくて
なぜかしら
地球に行ったことなんて一度もないのに

でも
二人でいられれば
それだけで楽しくて
あなたの声
あなたの笑顔
だから
あなたが不意に死んでしまうなんて
今でも信じられなくて・・・


一年分の遥かな時差
いつかいっしょに地球へ行こうねって
たしかに約束したはずなのに

ずるいよ
一人だけ先に行っちゃうなんて。


地球がとってもきれい
火星の夕暮れよりも
もっと青くて


*近くて遠い星、火星。
生命にとってはあまりに過酷な環境でありながら、人類が移住するとすればその可能性が最も高い星でもあります。
そんな火星には、子供の頃から特別の思いを抱いてきました。
いつか人類は火星に移住するだろう。やがて火星で育ち、地球を知らない人類も多くなるに違いない。
そんな火星生まれの恋人たちにとって、地球はどんな天体だろうか。
そんなことを思いながらこの詩を書いたのは、もう20年ほども前のことです。

青い夕暮れ、と詩に書きましたが、大気圧の低い火星では太陽光の散乱が少なく、夕暮れには青い光が満ちるそうです。

mars012.jpg

画像は、火星探査機が撮影した火星の日没です。
生命の全くない(少なくとも地上には)世界を包み込む、どこまでも静寂な青い夕暮れ。
これほど不思議な写真な光景を、探査機が送ってきた画像とはいえ見ることができるなんて、科学の進歩に感謝してしまいます。
同時に、科学の進歩によって人類のインスピレーションが確実に拡がっていくのを感じます。
科学と芸術は相反した存在ではないと思わせてくれた画像でした。

2009年09月06日

●月明の寒谷峠

昨夜は、揖斐川町西横山と坂内諸家を結ぶ「寒谷峠」に行ってきました。
この峠は、西天の彗星捜索によく行く場所で、標高660m、南から西が開けています。
視界はやや狭いのですが、旧藤橋村と坂内村の村境で人家は周囲にまったく無く、完全無光害の空が楽しめます。
また、夜間はほとんど車が通らず、安心してゆっくりと観測することができる穴場です。

今回は、珍しくあえて満月を狙っての星見行でした。
もちろん、通常行っている暗い天体の観測が目的ではありません。
そろそろ秋の気配が濃くなり始めた峠で、月明に照らされた静寂な山間のたたずまいを体感しようという意図です。

目論見はあたりました。
ススキの穂が揺れる峠には月の光が満ち、静寂に包まれた時が過ぎてゆきます。
薄雲が広がり始めた夜空は、快晴でない分、全体にレースをかけたように不思議な白さで、木星や夏の大三角がそんな淡く輝く夜空にコントラストを添えています。

虫の声以外、物音はまったくしません。
気温は半袖では寒い程度。
深い山特有の森の匂いが周囲に満ちて、満月の星見の魅力を再認識した一夜でした。

2009年09月08日

●小さくてバカバカしい悩みあれこれ

え、と。
今日はバカバカしい話題です。
まじめな天文の記事を期待されていた方はすみません。
最近の個人的な悩み事などをつれづれなるままに・・・。

1.髪の悩み
「ほーら、いきなり来た来た!」と思った方、同志が増えたと期待されたかもしれませんが、残念ながら薄毛、白髪系の悩みではありません。

私の髪は水分含有量が多くて、洗髪直後はサラサラでまことにいい感じなのですが、半日後には空気中の水分を吸ってベタッとしてきてしまいます。
こうした現象を、我が家では「髪がワカメ化する」と称しており、髪質が似ている娘も同様の悩みを抱えています。
この夏はずっと雨ばかりだったのでワカメ化がごく顕著でした。
毎日洗髪しているにもかかわらず、私も娘もすぐにべっちょり。
加えて、二人とも基本的には直毛ながら、ごく僅かなウェーブがあります。
湿気が多いとウェーブが顕著になり、パーマをかけたようになってしまいます。
雨ばかりの夏が終わり、ようやく通常の髪型に戻りましたが、こんな髪の悩みもあるんですねー。
もちろん、天文はワカメ化を大いに推進します。
夜露に濡れる観測では、洗髪直後であってもすぐにベタベタに。

一部の方が期待しているような薄毛、白髪系の悩みは今のところだいじょうぶみたいです。
もともと子供の頃から額がすごく広くて将来はやばいかな、と思っていましたが、特に額の面積が広がっているようすはないので。

2.メガネの悩み
近視で、ずっとメガネのお世話になっています。
もはやメガネをかけていない私の顔は想像できないというぐらいトレードマークになっているのですが、天文という仕事、あるいは趣味の特異性のために、メガネの傷みが非常に早いのは悩みです。
自分の観測のときはメガネを外して望遠鏡を覗くのですが、観望会などで人に見せる場合は、視力をお客さんに合わせるため、そしていちいちメガネを外している時間がないため、メガネをかけたまま望遠鏡を何度も覗きます。
当然、接眼レンズとメガネのレンズが擦れてキズがつきます。
これが積み重なるとメガネのレンズは細かいキズでまっ白になり、やがて買い換える羽目に・・・。
実は今かけているメガネもひどいキズキズで、雨の夜などハレーションを起こして見えづらいことこの上もありません。
昼間も視野全体がボケッと白いので(これはいよいよ白内障に罹患したか)と思ってしまったほどです。
え?買い換えればいいって?まあ、その通りですね。
はい?コンタクトにしろって?まあ、仰るとおりですが・・・モノグサなので、コンタクトにしたらきっとメンテをせずに目の病気になると思います。

3.足の悩み
足が短くて困る・・・というわけではありません。
右足の不具合に、ここ20年間近く悩まされています。
東京に住んでいる頃、バイクに乗っていてシャブ中の車に追突され、右足首複雑骨折、靭帯と神経全切断という事故を経験しました。
2度の手術をして、何とかふつうの生活ができるようになりましたが、足首が曲らないため正座はできないし、長時間歩くことも走ることもできません。
疲れたときや季節の変わり目には痛いし、何とも困っています。
まあ、当時、医者は「一生、びっこをひくことになるかも」と言っていましたから、思ったよりも回復した方なんでしょうが・・・。
まあ、これ以上は治らないので仕方ないですね。

4.本と望遠鏡の悩み
天文、歴史、民俗といった仕事がらみの本、趣味の文学関係含め、本をたくさん読みます。
当然、家には本が増えてきます。
いまや、我が家は、どの部屋も本でいっぱいです。
といって、本というものは捨ててしまうことはできません。
これまで蔵書を始末した後に、その本を再読する必要に迫られたことが何度あったか。
廊下に本棚を増設しようかなどと考えています。
これは本をたくさん読む方には共通の悩みですね。
あ、望遠鏡などの観測機材も場所を取ります。
あちこちに鏡筒がごろごろ転がっている状態。
ちゃんとした機材室みたいなのがあるといいなあ。

5.動物の悩み
いま、ウチには猫が8匹、うさぎが1羽います。
どれも捨てられていたり不要視されていたのを保護したものです。
家族の一員でかわいいのですが、当然ながら一日たりとも世話を欠かせないことが悩みではあります。
餌代や病院代がかかるのは仕方ありません。
問題は家族揃って出かけることが不可能なこと。一人は必ず世話係として残らなければなりません。
旅行などに出かけられないのは我慢するとして、冠婚葬祭に家族揃って参加できないのは問題です。
動物それぞれ、体調や年齢、個性によって餌の種類も世話の仕方も違うので、人に任せるわけにもゆかず・・・。
「そんなの好きで飼ってるんだから仕方ないでしょ!」
そんな声が聞こえてきそうです。
まあ、ウチで保護しなければ生きていなかった動物ばかりですから、これからも家族の一員としてともに暮らしていこうと思っています。

どうでもいいようなことばかり書くなよ、と言われそうですね。
まあ、どうでもいいような悩みだから書けるわけですが・・・。


2009年09月09日

●春日上ヶ流で星を見る

昨日はよく晴れていましたので、月が出るまで観測をしようと揖斐川町春日の上ヶ流という場所へ行ってきました。
本当は、もっと山奥の藤橋あたりまで行こうと思っていましたが、北西の低空には黒雲が溜まっていましたので、あまり奥へは行かず、平野部に近い春日上ヶ流にでかけたわけです。

ときおり雲が湧いたものの、まあまあの晴天。
北西に落ちていく北斗七星のあたりからうしかい座、へび座と15㎝双眼鏡で流していきます。
M3、M5、M10、M12といった明るい球状星団が視野をかすめ、時折、人工衛星も横切ります。
望遠鏡流星も見えました。
9等と10等の暗い流星です。

kasuga15cmbino.jpg

南西にはさそり座が山の端に落ちかかり、いて座の天の川が南天を白く彩っています。
ひととおりの観測終了後、さそり、いて、やぎ座付近の星雲・星団を観望しました。
月が昇ってきたため、コントラストは冴えませんが、M8、M16、M17、M22など南斗六星周辺の天体はいずれも見事な眺めです。
M75やM55といったマイナーな星団も見ました。(何座のどこにあるかわかりますか?)

kasugayakei201.jpg

観測を終了し、車で山を下っていく途中、いきなり揖斐川町の夜景と下弦の月が目に飛びこんできました。
ちかちかと瞬く夜景がとてもきれいで、しばらく車を停めて見入ってしまいました。

月が出るまでの短時間でしたが、秋らしい澄んだ空気の下、静かな星見を満喫したひとときでした。

写真:いて座と15㎝双眼鏡(月が昇った後なので星は少ないです)・月と夜景

2009年09月10日

●揖斐高原の秋

昨夜は、揖斐高原に観測に行ってきました。
夕焼けがあまりにきれいだったので、「これは行くっきゃないぜ!」と思い、やりかけの仕事を放り出して職場からそのまま車を走らせました。
車には、望遠鏡やカメラをいつも積んでありますので、いつでも出動が可能なのです。

yuugure02.jpg

当初は藤橋方面へ行こうと思っていましたが、何となく今夜は揖斐高原日和(?)だなと思い、途中で進路変更、揖斐高原のテニスコート脇に車を乗り入れました。

夕闇の高原は、ススキが揺れて完全に秋の気配です。
気温は12度。
トランクからトレーナーを取り出して着込みました。
かすかな虫の声以外は、まったくの静寂。
私以外、誰もいません。
北西には北斗七星が山に落ちかかり、南西にはさそり座、その東側には、いて座の天の川が立ち上り、さらに東には木星が薄黄色の巨光を放っています。

iteza02.jpg

さそり座から、へび座、へびつかい座、うしかい座と15㎝双眼鏡の視野を移動させます。
M4、M5、M10、M12、M107など、見慣れた星団が次々に視野をかすめる中、人工衛星が狭い視野内に3連発。
いずれも8等程度でしたが、いかに人工衛星が多いとはいえ、2.7度の視野内をほぼ同時に横切るのは珍しく、もともとはひとつの衛星だったものが、何らかの理由でいくつかのパーツに別れてしまったものではないかと思いました。

先日行った春日上ヶ流よりも山奥の上に標高が高いので、空は暗く、視野を横切る星すべてが生き生きと輝いています。
星は大勢で見るのも楽しいですが、本当に星と会話をしようと思えば、やはりこうして一人きりで観測しなければなりません。
星を見ることは、自分と向き合うことでもあると思っています。
微星の一粒一粒が、心の奥底に無数の光を投げかけてくる感覚。
天文学的な成果などではなく、そんな一人になれるひとときを求めて、こうして星を見に来るのかもしれないな、などと思いながら、ただ無心に双眼鏡を操っていました。

写真:昨日の夕焼け・いて座付近の天の川

2009年09月12日

●伝説のクロス流星

最近、火球を見ません。
けっこう観測には行っているのですが、主要流星群の極大日がことごとく悪天候ということもあって、普通の流星もあまり見ていないのです。
見ているのは、望遠鏡流星ぐらいでしょうか。

kurosumeteor02.jpg

そんなことを思いつつ古い資料を整理していたら、懐かしく珍しい写真を見つけました。
火球クラスの流星がクロスしているこの写真、撮影当時はけっこう話題になりました。
3回爆発しているのが、やぎ座流星群の火球でマイナス5~6等級ほど、もうひとつがペルセウス座流星群でマイナス2等級でした。
やぎ群の火球は、爆発の度に地面が青白く照らし出され、独特のエメラルドグリーンの色、そしてゆっくりとした速度もあいまって、幻想的な迫力でした。
撮影場所は、東京都青梅市の御岳山長尾平。
1970年代から80年代、東京在住の天文ファンの定番観測地でした。
撮影したのは、私が創立者のひとりである東大和天文同好会。
全国に100名近い会員を擁する、当時、最もアクティブな同好会で、御岳山長尾平はホームグラウンドのひとつでした。
今でこそ流星観測、というより、若い人の間で天文という趣味はマイナーになってしまいましたが、その頃は天文が非常に盛んで、なかでも流星観測は学生にもできる観測分野として、多くの同好会がメインの活動にしていたものです。

この写真、フィルムは「ハイスピードインフラレッド」です。
デジカメしか知らない若い人には「なんじゃ、それ」と言われそうですが、いわゆる赤外フィルムで、赤外域にある程度の感度があるフィルムでした。
赤外フィルムに赤フィルターを併用すると、光害の影響を受けにくいことと、流星の性質として可視光域よりも赤外域で明るいことから、都会地でも流星の写りやすいフィルムとして私たちは愛用していました。
モノクロの写真自体が今の若い人には珍しいでしょうし、ましてや赤外フィルムなんて聞いたこともないという人が多いでしょう。

写真があんまりきれいじゃないのは現像ムラか定着ムラです。
自分で現像したり印画紙に焼きつけたりなんて、今では大昔の話みたいな
気がしてしまいますね。

2009年09月14日

●詩「約束」

地球時間の22時
かならず空を見上げてね
そして
地球の輝きだけをじっと見つめて。

同じ時刻
私もかならず
あなたのいる火星を見つめるわ

そうすれば
ね?
こんなに離れていても
いつでも見つめあえるでしょ?

☆前回に続いて火星シリーズ第2弾。
まあ、火星じゃなくて月でも海王星でも金星でもいいんですが、大気のない月だとあんまり気楽に人類が暮らせそうではないし、海王星では遠すぎるしガス惑星だし何より暗いし、金星では表面温度450度だし分厚い大気に覆われていて星が見えないしイメージ的に爽やかでないし、ということで、やっぱり火星の設定にしました。
これも火星と地球に離れて住んでいる恋人同士のお話ですね。
「こんなアマアマの詩、書くなよ」と言われそうです。
書いたのが1989年ですから、まだ私も甘ちゃんの頃ということでお許しを。
前回の詩同様、あえて女性からの視点です。男性の視点でも別にいいのですが、やはりちょっと暑苦しくなるので・・・。
気障な言い方ですが、人の想いは、惑星間の遥かな距離をも越える力を持っている・・・そんなことを思いながら書きました。
けっこう支持してくれる人が多い詩です。

2009年09月16日

●9月のオリオン

暑い暑いと思っていたら、いつのまにか朝晩は涼しい、というより寒くなってきてしまいました。
星空の方もようやく様変わりで、夕方こそ南西に、さそり座やいて座ががんばっていますが、少し遅い時刻になるとペガススの四辺形が高く昇りつめ、さらに遅くなると北東にカペラ、真東にすばるが昇ってきます。

日曜の晩は揖斐高原で、昨夜は宿直でしたので藤橋で星を見ていました。
揖斐高原は東天が開けていますので、昇ってくる星が良く見えます。
15cm双眼鏡で星雲・星団を見ているうちに、いつのまにか北東の山の端にカペラが昇っていました。
カペラという星は不思議で、どんなに低空でも、曇りのない端然とした輝きを放っているように思えます。
カペラが昇れば、次はすばる。
木立の間から昇ってきたばかりのすばるは、隣接した星どうしが小声で囁きあっているような、いつもそんな印象です。

dondon02.jpg

夜半を回ると、南東にオリオン。
今朝の2時、藤橋振興事務所の前で、高く昇ったオリオン座を眺めていました。
オリオン座はこの時期に見るのもいいですが、真夏の黎明、青く明け染める東天に、透き通ったような印象で昇ってくるオリオン座が好きです。
真冬は星座の王者のように堂々としたオリオン座なのに、夏の明け方に見るオリオンは、とてもはかなげに感じられます。

9月のこの時期にオリオン座を見て感じるのは、遠からず訪れる冬の緊張感です。
自分の身の回りや人間社会にどんな変化が起こっても、地球は正確に公転を続けている・・・。
そんな当たり前のことを、秋のオリオン座を見つめて考えていました。

写真:昇るオリオン座(旧藤橋村オートキャンプ場にて)

2009年09月19日

●スター・フォーレスト御園を訪問

18・19日と、愛知県東栄町の「スター・フォーレスト御園」に行ってきました。
ここには口径60cm反射望遠鏡をはじめ、スライディングルーフ内に大小さまざまな天体望遠鏡が備えられ、宿泊設備も完備しています。

toueidome03.jpg

天文担当職員は私の小学生の頃からの友達で、私とともに東大和天文同好会を1973年に設立した天文全般の達人です。
ずっと一緒に天文活動をやってきて、ギター、バイクと趣味も同じ、文学論議や政治論議に夜を徹したことも数知れず、私と前後して東京から東海地方の天文台職員として家族を連れて移住した経歴までも同じです。
楽しいときも辛いときも、ずっと同じ星空を見上げてきた生涯の友人なのです。

touei60cm2.jpg

往きは渋滞もなくスムーズに到着。
古い友人なので話が弾みます。
私が勤務していた西美濃プラネタリウムと同じミノルタ製のプラネタリウムもあり、久々に懐かしい星像を楽しめました。
60cm望遠鏡をはじめ、施設も久々に見学、望遠鏡談義にも花が咲きました。

toueitenjisitu1.jpg

残念ながら天気はあまり良くなく、雲越しに明るい星がいくつか見えた程度でしたが、夜遅くまでさまざまな天文談義をして過ごしました。
翌日から5連休が始まるため、余裕があるのは19日までとのこと。
予約表を見せて貰ったところビッシリで、ほんとうに体力勝負の仕事です。

帰路は豊川インターから大渋滞。
高速に乗らず、ひたすら一般道を通って帰りました。
高速に乗らないと、けっこうな大旅行です。

昨年は忙しくてどこへも行けませんでしたが、今年は全国の天文施設を回って見聞を深めようと思っています。
あなたの家の近くの施設にも出没するかもしれませんヨ。

写真:夕暮れの天文台・60cm反射望遠鏡・展示室内

2009年09月21日

●詩「決意」

9月
星あかりの歩廊で
その人と出会う
必然の黎明

静けさの満ちる大気に
長く運命の影をひいて
僕はその人の手をとる

ともに歩む未来は
はるか星の色に染まって見通せないけれど
誰も裏切ることなく
見つめあうすべての人を護りながら
信じ続け歩み続ける
そんな
ひたむきな決意を心に秘めて
小さな手のぬくもりを確かめる


☆人生の分岐点において、誰もが心の奥底に刻み込む、ひたむきでささやかな決意。
私もこれまで、幾度かそうした決意を心に秘めたことがあります。とてつもなく困難だけれど実現させなければならないことがらに立ち向かう決意。
私が星を見るのは、ただ科学的データを求めるためでもなく、美しい天体を楽しみたいからでもありません。
ともすれば雑事に埋もれそうになりがちな決意を再確認し、ふたたび磨き上げるために星を見るのだ・・・と書いたら、理解してくれる人はいるでしょうか。

2009年09月23日

●音楽のことなど・・・

最近、まじめな?天文の記事が続いていたので、たまには音楽の話などを・・・。

音楽はジャンル問わずいろいろと聴きます。
私のイメージは、クラシックか(ギターを弾くので)フォークという印象が強いらしいのですが、特にこだわりはありません。

最近は何かと忙しいこともあって、積極的に新しい曲やアーティストを開拓してはいませんが、割とよく聴いているのは、平原綾香さん、仙台貨物あたりでしょうか。

平原綾香さんはともかく、仙台貨物を知っている人は少ないでしょうね。
いわゆるビジュアル系なのですが、詞、曲調、そしてメンバーの風体、すべてが完全にツボです。
先日訪問した東栄町のS君はじめ、東大和天文同好会のオールドメンバーなら、誰もが自分を見るように共感してしまうあの変態ぶり。
でも、表バンドの方が売れすぎて、裏バンドである仙台貨物まで手が回らず活動休止が決定!
娘と二人、毎日嘆き悲しんでいます。
表バンドをやめて仙貨に専念してくれよォ!と言うと娘に睨まれますが。

ビジュアルロックだからとか、変態だから(?)というこだわりを捨てて、一度、聴いてみて下さいな。
特にHASのみんな、ぜひ聴いてくれい!
きっと本当の自分を取り戻せるぜ!
ちょっと前のPVだけど、仙貨のなかでは癒し系の代表曲、貼っときます。

平原綾香さんは誰でも知ってますね。
クリアで飛翔感のある詞と歌い方が好きです。
ベタベタの愛だの恋だのを歌わないところも好きだなあ。
楽曲でも小説でも、型にはまった愛だ恋だというパターンが嫌いです。
恋愛をうたうなら、ただ「あんたが好きやねん!」ではなくて、もっと高い次元を目指してほしい。
同じ恋愛をうたっていても、平原綾香さんの歌にはそうしたものを感じます。
「明日」や「君といる季節の中で」、「今、風の中で」とか大好きです。

ついでにテレビドラマのことなど・・・。
ほとんどテレビを見ない私ですが、最近はやはり娘と一緒に「オトメン(乙男)」にハマっています。
もともとは少女漫画ですが、着眼点といい、爆笑しながら共感してしまうストーリーといい、なかなかのもんです。
ああいうちょこっと切ない系爆笑ドラマ、好きだなあ。
仙台貨物といいオトメンといい、「まっちゃんのイメージが崩れたー!」と嘆かれそうですが、実はけっこう守備範囲、広いです・・・。

2009年09月24日

●白昼のアンタレス食

今日は、さそり座のアンタレスが月に隠される現象を観察しました。
月の通り道にあたっていることから、アンタレスはしばしば月に隠されます。
今日のアンタレス食は白昼でした。
月が細いと、1等星とはいえ白昼に見つけ出すのはけっこうしんどいのですが、今日の月齢は5.7でしたので見つけるのは簡単でした。

antares1.JPG

たまたま今日が休みだったので、何日か前から晴れていればアンタレス食を見ようと思ってはいたのですが、あれこれ家の用事を済ませているうちにすっかり忘れてしまい、気がついたら出現の15分前。
こりゃいかんと、2階のベランダに60mm屈折をセッティングしました。
暗縁潜入ということもあり、もともと潜入はあまり見る気がありませんでしたので、出現だけでも見られればいいなあと、気楽に望遠鏡を月に向けました。
うす雲がちょうど月の近くに停滞していましたが、明縁から出現したアンタレスを見つけるのは容易でした。

アンタレスは赤い星として有名ですが、白昼に見ると赤くは見えず白っぽい印象でした。
小さな望遠鏡で見ると、どの星も昼間は白か銀色に見えます。
これは集光力が足りないせいです。
ある程度以上の光量がないと、人間の目は色を感じることができないのです。
20cmクラス以上の望遠鏡に100倍以上の倍率をかけて見れば、アンタレスやアルクトゥルスは立派に?赤く見えます。

眼視で確認後、一応、写真も撮りましたが、雲があったこともあって写りは微妙。
処理してみましたが、心眼で見ないとわからないので掲載はしません。

写真は観望風景。
日食に持って行った望遠鏡なので、ファインダーが外したままになっています。
え?なんでファインダーが外してあるかって?
ファインダーのキャップを外したまま太陽を見ていて、髪の毛を焼いた経験がある人はけっこういるのでは・・・?

2009年09月27日

●幼稚園の星見会

昨夜は、揖斐川町内の私立幼稚園での星見会でした。
ここは大変に教育熱心な幼稚園で、毎年テーマを決めて趣向を凝らした教育的イベントを行っています。

次第に雲が増えてきたものの、園児と親さん合わせて200名ほどが集まりました。
岐阜県、愛知県から9名のボランティアがそれぞれの望遠鏡を持って集まり、望遠鏡ごとに対象天体を決めて観望してもらいました。

月は半月、南東に木星が輝き、天頂には夏の大三角。
夕方は快晴でしたが、観望会を行っているうちに次第に雲が増加、見える天体が限られてきます。
私は15センチ双眼鏡で北極星を見せていたのですが、北天はほどなく雲に覆われ、参加者の3分の2ほどが見たあとは完全に雲の中。
仕方なく月に双眼鏡を向けました。

15センチ双眼鏡で月なんて、と思われたかもしれませんね。
たしかに通常は暗い星雲・星団を見る機材です。
でも、当夜は月の近くをむら雲が次々に通過し、広く明るい視野内は、月の表面と周囲をさまざまに形を変えながら通り過ぎる雲のさまが非常に幻想的で不思議な光景が見られました。
さながら映画のワンシーンのようで、観望された方は一様に歓声をあげていました。
双眼で見ることによる擬似的な立体視効果もあり、ますます雰囲気を高めてくれるのです。

観望会は準備を含めて2時間半ほどで終了。
終わったあと、近くの暗い場所で、しばらく星を見上げていました。
一時曇っていた夜空はふたたび晴れ始め、木星が静かに明るく輝いていました。

2009年09月28日

●東大和天文同好会の例会に参加

東京に来ています。
昨日は、東大和天文同好会の例会に参加してきました。
東大和天文同好会は、私と現・東栄町スター・フォーレスト御園勤務のS君で35年前に創設した天文同好会です。
同会からは、現在、天文界で活躍しているたくさんの人材を輩出してきました。
流星観測では、日本流星研究会から小槇記念賞を贈られるなどの実績を持っている一方で、天文雑誌とのコラボでバイクによる星見を提唱するなど、一風変わった経歴を有する会でもあります。

reikai.jpg

昨日の例会は、途中から参加したところ、レジスタックスによる惑星の画像処理についての解説や議論が行われていました。
2次会は会員のH氏(不動産関係社長)宅で、天文、政治、経済あらゆる分野にわたる硬軟取り混ぜた話に花が咲きました。
天文界の裏話に通暁しているメンバーも多いため、通常では絶対に聞けないような○○な話も・・・。

残念ながら、一緒に会を設立したS君は参加できなかったものの、久々に心打ち解ける旧友との語らいに時を忘れることができました。
S君とは、つい先日、彼の勤務する天文台で会うことができましたから、ここ10日ほどのうちに、私の天文人生の原点といえる仲間たちの顔を見ることができたわけです。

メンバーが多忙なために一時は活動を縮小した東大和天文同好会ですが、ふたたび活動が盛り上がる機運が高まってきたように思えます。
これから5年ほどの間に、東大和天文同好会メンバーが、天文界に新たな潮流を捲き起こす可能性がふたたび起こりそうな予感にとらわれた昨日の例会でした。

写真:例会の様子