●憧れの65cm屈折望遠鏡
先日、国立天文台へ行った折、少し時間があったので構内の一角にある「天文台歴史館(大赤道儀室)」を見学してきました。
ここは、日本最大の屈折望遠鏡として有名な65cm望遠鏡を収めた直径15mの大ドームです。
ドームは、東京帝国大学営繕課が設計して大正15年(1926)に完成しました。
ドームを載せている建物は鉄筋コンクリートづくり2階建てで、地面からは19.5mの高さがあります。
ドーム部分は木製で、細かい板をきっちりと組み合わせた構造が、職人芸と長い歴史を感じさせてくれます。
床はエレベーター構造となっていて、長い鏡筒の位置に合わせて昇降させることにより、快適な観測を行うことができました。
このドームの中央に鎮座しているのが、焦点距離1021cmの大屈折望遠鏡です。
カール・ツアイス製で、1929年に完成しました。
1960年に岡山天体物理観測所の188cm反射望遠鏡が竣工するまでは日本最大の望遠鏡として、天体の位置観測や分光観測、掩蔽(月が星を隠す現象)観測などさまざまな観測に用いられました。
この望遠鏡は、子供の頃からずっと憧れでした。
天体の図鑑に載っている写真を見ては、いつかは実物を見てみたいといつも思ったものです。
私は屈折望遠鏡が好きですが、この望遠鏡のイメージによる部分がかなり大きいような気がします。
この望遠鏡、現在は観測に使われてはいないものの、いつでも使える状態にあるそうです。
幼い頃から憧れてきたこの大屈折望遠鏡が、いつか現役に復帰する日が来てほしい。
そんな期待を胸に秘めながら静寂のドームを後にしました。
以下に関連記事があります。
以前に国立天文台構内の諸施設を見学した際の見学記です。
よろしければご笑覧ください。
2008年3月19日「国立天文台見学記(前編)」
2008年3月22日「国立天文台見学記(後編)」

コメント
ずいぶん前ですが、一般公開のときに、この望遠鏡を覗いたことがあります。ただし、覗いたのは同架してある38cmサブ望遠鏡のほうです。月面を見せてもらったのですが、見た瞬間「何だ!これは!」と驚くくらいすばらしい姿でした。さすがに焦点距離10m、F26はすごい、と感心したものです。とっても長~い列に並んで見たのですが、それだけの価値十分でした。
あまりにすごかったので、翌年の一般公開でも出かけていって、長い列に並んだのですが、今度はたいしたことありませんでした。
やはり、気流が大事だということです。でも、条件に恵まれれば、大口径・長焦点はすばらしいですね。
Posted by: うちやま | 2009年12月25日 20:39
うちやまさん、こんばんは。
年に一度の一般公開、ずっと参加したいと思っているのですが、毎年必ずその日は仕事が入ってしまいます。
国立天文台には仕事で行くことが多く、なかなか構内の見学やイベントへの参加ができません。
設計に無理のない長焦点屈折望遠鏡、気流に恵まれれば素晴らしい像を結んでくれますよね。
大口径になるほど色収差が顕著になるものですが、F26ならさほど気にならないでしょう。
この65cmの場合、眼視、写真、どちらにレンズの分光曲線をフィットさせているのかが気になります。
写真による精測位置観測をしていたようですから、写真に振ってあるのかもしれませんね。
Posted by: まっちゃん | 2009年12月25日 21:19