2010年03月02日

●初めて土星を見た夜

少し遅い時間帯には土星が見ごろになってきました。
昨年夏の環消失から半年が過ぎ、だいぶ環が開いてそれらしい姿になってきています。

観望会でも一番人気の土星、初めて見たのは小学6年生の頃でした。
口径60mmの屈折経緯台をようやく入手したものの、頼りになるのは星座早見板一枚のみ、どこにどんな星座や天体があるのかは、まだよくわかっていませんでした。
とにかく目についた明るい星を手当たり次第に見ていたわけですが、宵の空に見えていた木星と金星以外はどれも点像に見えるだけ、星雲・星団はいくら探しても見えず、天体望遠鏡を購入した初心者誰もが一度は陥る「月と明るい惑星しか探せない」状態となっていました。

そんなある晩、ふと真夜中に目が覚めました。
外に出てみると一面の星空です。
もちろん東京の空ですから満天の星というわけにはいきませんが、ふだん見慣れた宵の空と違い、夜半過ぎの夜空は綺麗に澄んで、星の輝きがまったく違って感じられました。
何といっても小学生ですから、いつもならば完全に夢の中をさまよっている時間帯です。
でも、その晩は不思議に眠さを感じず、ふだんは面倒なはずの望遠鏡のセッティングも苦になりませんでした。

家の前の道に望遠鏡を組み立てた私は、すぐに天頂近くに輝く黄色っぽい星にレンズを向けました。
なぜかその星が自分を呼んでいるような気がしたのです。
その星の名前などもちろん知らなかった私は、視野に入ってきた姿を見て思わず声をあげてしまいました。
米粒のように小さいけれど、確かに環を持つ黄土色の星。

有頂天になった私は、家族全員を起こして土星を見せました。
時刻は午前2時過ぎ。
そんな時刻に叩き起こされれば誰でも怒りそうなものですが、不思議に家族の誰も怒ったり不機嫌になることなく、何度も交替しながら小さな土星の姿を食い入るように眺めました。

初めて見る土星の姿にも感動しましたが、それ以上に心に刻み込んだのは、ふだんと違う星空を見たければ、宵空だけでなく夜半過ぎや夜明け前の空を見上げる必要があるということでした。
宵とは透明度もシーイングも大気の匂いも違う星空の下で、まったく異なる星座を見上げることの新鮮さを、小学生の私は土星に導かれて学ぶことができたのです。
「そんなこと当たり前でしょ」と言われそうですが、指導者もガイドブックもなかった当時の私は、当たり前のことを試行錯誤しながら体得するしかありませんでした。
でも、それだけに全てが新鮮で、人に教えられるよりも遙かに生きた知識と経験を身につけることができたように思います。

今でも土星を見るたびに思い出します。
あの晩の大気の冷たさ、家族の笑顔、不思議なほど冴えた星空・・・。

2010年03月05日

●月の出と曇る直前の観測

一昨日の昼間は晴れていましたが、夜は曇るという予報でした。
夕方になってもまだ晴れていましたので、仕事を終えてから観測に向かいました。
さすがに天気が崩れる直前で、空には怪しげな雲がちらほら。
当初は藤橋で見るつもりだったのですが、北の方は雲が蟠踞している気配なので、揖斐川町横蔵で観測することにしました。

現地に着くと、南の低空から雲が湧いています。
そんな雲の中から黄色みを帯びた明るい光点が・・・。
ISSです。
南天を横切って、西から東へと-2等ほどの明るさで移動していきました。

その後は西空を30分ほど流しました。
くじら座のM77が入ってきました。
それからは月が昇るまで観望。
うさぎ座のクリムゾンスター、M79、おおぐま座のM97(ふくろう星雲)、M108、M109、M81・82、NGC3077などを見ました。
NGC3077は、M81・82と同視野に入る11.5等ほどの小さく暗い銀河です。

月の出と同時に雲が一気に広がり、観測も終了。
湿った風が非常に強く、気温はさほど低くないながらも辛い観測でした。
翌日は雨になりました。
機会を逃さず観測ができてよかったなと思っています。

2010年03月06日

●くしちゃんは男が好き!

ウチで飼っている7匹の猫の中に「くしちゃん」というオス猫がいます。
8歳になる白黒もようの、とても美形の猫です。
このくしちゃん、なぜか男にしか興味がありません。
くしちゃんがいる猫専用の部屋(通称猫部屋)にいる猫の半数はメスなのですが、追い回しているのはオスばかり、メスには目もくれないのです。

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しかも、なぜか肉親が好き!
いちばん好きだったのは「猫夜叉くん」という兄弟でした。
いつもいっしょにいようとするだけではなく、隙を見つけては交尾しようとするのです。
猫夜叉くんが腎臓の病気で死んでからは、もう一人の兄弟である「くろ」を追いかけています。
猫夜叉くんは、実は赤ちゃんのときに拾われてきた猫で、くしちゃんの本当の兄弟ではないのでまだ許せる(?)として、くろは血のつながった兄弟です。
猫夜叉くんはとてもいいヤツだったので、くしちゃんの求愛に迷惑しながらも邪険にはしていませんでした。
鬱病のくろは、くしちゃんの熱愛にどう対応していいかわからない様子で呆然としています。

で、飼い主である私もれっきとしたオスであるわけで、くしちゃんに好かれないはずがありません。
私が猫部屋に入っていくと、くしちゃんは抱きついてきます。
胸や肩にぴったりと貼り付いて夢心地になっています。
そのまま眠ってしまうこともしばしば。
放っておけばきっと、一日中抱きついているでしょう。

くしちゃんはとても可愛い顔をしていて、赤ちゃんの頃はメスだとばかり思っていました。
人間でいえば、かなりの美少年(本当はもう中年ですが・・・)のはず。
人間に生まれていたら、どうなっていたのでしょう。

2010年03月08日

●弥生の夜空の流星群

夏はペルセウス座、秋はしし座・オリオン座・おうし座、冬はふたご座・りゅう座・・・。
ここまで読んで「ははあ、なるほど」と思った方は流れ星の好きな方ですね。
そう、主要流星群の名称です。
あれ?春がありませんね。春の流星群って、そういえばあまり聞きません。
春というより初夏になれば、4月にこと座流星群、5月にはみずがめ座η流星群があるのですが、今の時期、3月って・・・?

2月から3月は、年間で最も流星群活動が静かな時期です。
じゃあ、ぜんぜん流星群がないのかといえば、そんなことはありません。
3月の流星群といえば、まず、しし座から放射する群があります。
ひとつの流星群ではなく、いくつかの小流星群の複合体です。
1時間あたり1~2個程度の活動が見られれば上々というささやかな群です。
他には、おとめ座流星群があります。
以前は(なぜか)主要流星群として取り上げられていました。
3月から4月にかけて長期間活動しますが、1時間当たり1個見られるかどうかというしょぼい活動です。
火球を飛ばすといわれていますが、顕著に火球の割合が多いわけではありません。
他にも、へび座やうみへび座に輻射点が散見されるものの、いずれも初心者には荷が重い流星群です。

というわけで、3月はまともな流星群がないんですね。
学生時代、こうしたしょぼい群を何年か続けて観測したことがあります。
星図に流星の飛跡を記録するプロット観測で何時間も粘りましたが、明確な輻射点はなかなか見出せませんでした。
流星がちっとも飛ばない春のトロンとした夜空を何時間も見上げているのは、退屈であると同時に情緒を感じるひとときでもありました。
流星も飛ばず、ただ静かに移り変わっていく星座を眺めていると、さまざまな想いが浮かんでは消えていきます。
とりとめのない想いばかりでしたが、具体的でない分、大切な心の動きを春の星空に重ね合わせていた気がします。

小流星群と呼ぶのもはばかられるほどの、ささやかな弥生の夜空の流星群たち。
心静かに、また観測してみようかな。

2010年03月10日

●鉄道の企画展を準備中

年度末で恐ろしく多忙な事務仕事の間隙を縫って、3月19日(金)から始まる企画展「ありし日の名鉄揖斐・谷汲線」の展示準備を行っています。

新岐阜駅から岐阜市内の路面電車区間を経て、揖斐川町内の本揖斐駅(揖斐線)・谷汲駅(谷汲線)を結んでいた電車は、どちらも大正時代からの歴史を有する鉄道でした。
1990年代より名鉄全体の収支が悪化する中で不採算路線整理の対象となり、揖斐線の黒野~本揖斐間および谷汲線の黒野~谷汲間が2001年9月に、残る岐阜市内線および忠節~黒野間の揖斐線残存区間も、2005年4月で廃線となってしまいました。
揖斐川町をはじめ沿線市町の利用者にとっては、岐阜市まで一本で行ける公共交通機関として好評でしたし、乗客もさほど少なかったわけではなかったので、廃止は大変に残念な選択でした。

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揖斐・谷汲線は、路面区間に乗り入れるために車体が小さいことが大きな特長でした。
レトロな車両が多く、大正時代か昭和の初期にタイムスリップしたようで、乗っているだけでワクワクできる鉄道でした。
谷汲線の終着駅である谷汲駅は、西国33札所の結願の寺である谷汲山華厳寺への参詣駅として賑わい、根尾川の清流に沿ってゴトゴト走るようすは、乗って良し、見ても良しの味わいのある姿でした。
私はちょっと暇ができると、なにも用事がないのにわざわざ揖斐線や谷汲線に乗りに出かけたものです。

今回の展示では、懐かしい両線の歴史やたたずまいを写真や絵画、さまざまな資料でたどりながら、ありし日の小さな鉄道を回顧します。
意外なほど資料が集まらず苦労しましたが、何とか形にできそうになってきました。
また展示が整ったらご案内します。
歴史民俗、美術系とはまた違った展示を、ぜひご観覧にお越しいただければと思います。

写真:黒野駅で並ぶ新岐阜行きと本揖斐行き電車

2010年03月12日

●民家の葺き替え工事が完成

勤務先である揖斐川歴史民俗資料館で、昨年10月から行っていた茅葺き民家の屋根葺き替え工事が完成しました。
今はダムに沈んでしまった旧徳山村から移築した民家の屋根が、移築してから23年を経て腐朽が進み、ようやく予算をつけて葺き替えすることになったものです。

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葺き替え工事は、専門の業者が施工しました。
昔は地域で葺き替えを行ったのですが、茅葺き屋根が稀少な存在となってしまった今では、一部の地域を除いて業者に任せるしかできなくなっています。
作業をしていただいた職人さんは茅葺き技術を熱心に研究している若い人ばかりで、こちらも勉強しながら工事を進めることができました。
また、資料館の館長が民家の専門家で、かつ本民家を移築した経緯を良く知っていることから、職人さんも適切なアドバイスを貰いながら葺き替えをすることができたと喜んでいました。
今回の葺き替え工事は、マスコミで報道されたことから、工事中も見学者が多く、多くの方に関心を持っていただけたことは良かったなあと思っています。

新装なった民家を使ったイベントも企画しています。
またご案内しますので、機会を見てぜひお越しいただければと思います。

写真:23年ぶりに葺き替えられた民家

2010年03月17日

●豪華星空三昧!奥飛騨温泉郷の旅

先週末、2泊3日の行程で奥飛騨温泉郷へ行ってきました。
このところ天気が悪い日が続いていましたが、ちょうど新月ですから、車の後部座席に15cm双眼鏡を積んで行きました。
積雪が心配だったものの、幸い道路にはまったく雪がなく、思いのほか早い時刻に到着することができました。
天気予報では午後から晴れてくるはずですが、空から落ちてくるのは日ざしではなく霰。
車のフロントグラスに、タピオカのような白く丸い小さな氷の玉が激しく打ちつけられ、ワイパーに溜まっていきます。
宿に入り、暗くなってからも雨模様。

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ところが、夕食を食べ終えた頃から急速に晴れ始め、身支度を整え終えた頃には快晴!
宿の女主人に教えてもらった星見のポイントへ向かいます。
その場所は、宿から5分ほど車を走らせた橋の上でした。
夜の山奥、橋の上とはいっても車など通りません。
雪をいただいた山々の上にかかる星空は豪華そのもの、冬の天の川が無数の星屑に分離して見えるほどの素晴らしさです。
15cm双眼鏡で冬から春の星雲・星団を次々に導入。
主な天体は頭に入っている上に、空の条件が良いので導入は超速です。
効率よく主なメシエ天体・NGC天体を見終えた後は、軽く写真撮影。
空が暗いので、眼下に見える街灯りが意外なほど明るく見えるのですが、その灯りが霧でもかかったように霞んでいます。
雲か霧が湧いているのかなと思いましたが、どうも感じが違います。
どうやらそれは温泉の湯けむりらしいのです。
さすが奥飛騨温泉郷だなあと感じ入りました。

星空を堪能し、宿に戻った後は温泉に・・・。
夜遅くなので、湯船には私一人。
おいしいフランス料理と豪華な星空、そして一人きりの温泉を満喫して、奥飛騨の夜は更けていきました。

写真:沈む冬の星座と15cm双眼鏡

2010年03月19日

●企画展「ありし日の名鉄揖斐・谷汲線」開始

勤務先の揖斐川歴史民俗資料館で、今日から4月18日(日)まで企画展「ありし日の名鉄揖斐・谷汲線」が開催されます。
ここ数日、年度末で他の事務仕事が超多忙の中、展示作成作業にいそしんでいました。
必死にがんばった甲斐あって、何とか昨日の夕方に展示を完成させることができました。
駅の駅名標や運賃表、制服や帽子、切符など実物資料の他、古い写真や鉄道を描いた絵画などを展示しています。

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東京から岐阜へ移住するにあたり、初めて旧藤橋村を訪ねた際に乗ったのが名鉄揖斐線でした。
一両きりの小さな車体、木張りの床など、レトロ感覚あふれる車両と、レールの継ぎ目をきっちり刻みながら走る懐かしい乗り心地に、強い驚きと郷愁を覚えたものです。
岐阜まで直通で行くことができましたので、仕事や用務でもよく利用しましたし、用事がなくてもその心安らぐ雰囲気を楽しみたくて乗りに行きました。
根尾川に沿った山際をトコトコ走る谷汲線の車窓風景は特に素晴らしく、西国33霊場結願寺である華厳寺への参詣鉄道としても賑わっていたこの路線を、観光鉄道として残すことはできなかったのかと今でも残念に思います。
忠節駅からはそのまま岐阜市の路面に乗り入れるのも魅力でした。
東京では、路面電車自体がほとんど絶滅していましたし(子供のころは走っていました)、郊外電車がそのまま路面に乗り入れるというシステムは初体験だったのです。

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路面電車サイズの小さな車体で、岐阜の市内から緑したたる美濃の山裾を結んでいた「赤い電車」。
今回の展示をご覧になって、ひとときの郷愁に浸るとともに、公共交通の大切さも改めて考えていただければと思います。

■揖斐川歴史民俗資料館
岐阜県揖斐郡揖斐川町上南方901番地5
電 話:0585-22-5373
入館料:大人100円 小中学生50円
休館日:毎週月曜日(22日も休館です)

2010年03月21日

●星空の露天風呂

前々回に書いた奥飛騨温泉郷の宿には24時間かけ流しの露天ぶろがありました。
「露天風呂で満天の星空を満喫!」とか「星空の見える露天風呂」などを、キャッチコピーにしている宿はあちこちにありますが、実際に行ってみると煌々と照明が灯されていたり、すぐ近くに明るい街灯があったりして、うたい文句どおりの星空を見ることはできないことがほとんどです。

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ところがこの宿は違いました。
宿のオーナーが星好きということもあって、照明を自分で消すことができ、真っ暗な状態の露天風呂に浸かることができたのです。
岩風呂の中でゆったりと体を伸ばし、見上げる空にはそれこそ満天の星!
北斗七星が、しし座が、かすかな湯けむりに揺らめいてキラキラと輝き、赤い火星が穏やかな春の星空にコントラストを添えています。
ややぬるめの湯加減が、ゆっくりと星を見上げるにはちょうど良く、まさに極楽です。
春の星座を縫うように、流星がひとつ、ふたつ。

「露天風呂で満天の星空を見上げる」というのは、星好きの夢のひとつだと思います。
今回の奥飛騨旅行では、そんな夢を叶えることができました。
泉質が良いので、星空を堪能して湯からあがっても体はぽかぽかと暖か。
こんな素晴らしい時間を過ごしていいのだろうか、夢ではないのだろうかと思うほど最高の体験でした。

写真:雪山に沈むペルセウス座(宿近くから撮影)

2010年03月23日

●晴れた晩を逃さずに・・・

冬以来、ずっと天気が悪い今年です。
猫の目のように毎日天気が変わり、皆さんも、星空を見上げる機会がどうしても少なくなっているのではないでしょうか。

先日は夕方からけっこう晴れてきましたので、ogawa嬢と揖斐川町谷汲まで星見に行きました。
夕方は透明度が良かったのですが、現地に着いてみると星の輝きは鈍く、どんよりとした星空です。
それでもせっかくですから、15cm双眼鏡を組み立てました。
冬の星座はすっかり傾いてしまっていますので、透明度の悪い中、あえて春の銀河を見ることにしました。
しし座のM65,M66,NGC3628、NGC2903は、この透明度でもけっこう良く見えます。
しし座のおなかにあるM95,M96,M105は、暗いのでさすがに見る気にならず、双眼鏡を、おおぐま座、りょうけん座に向けました。
M97(ふくろう星雲)は私の双眼鏡では光のシミですが、ogawa嬢の25cmドブソニアン(ルイ)で倍率を上げて見ると、かすかに目玉に当たる暗部のひとつが見えます。
M94は、中心部が明るい割りに周辺部が非常に淡い2段階の輝度を持つ小さな銀河ですが、ルイに高倍率をかけると淡い周辺部が意外なほど見えて、25cmという口径の威力を感じました。
M81,M82近傍のNGC3077やM63,NGC5005,M51,M106など意外に良く見えるので気をよくして、今度は南天を見ることに。
南天は街明かりを反映して恐ろしく明るい空です。
M104(ソンブレロ星雲)はとりあえず見えたものの、からす座の南にある球状星団M68は、通常は明るくはっきり見えるのに、あるかないかという寂しい姿。
さらに南にある、うみへび座のM63はまったく見ることができませんでした。

透明度の優れない晩ではありましたが、翌日は曇り。
年度末で仕事が非常に忙しいこの頃ですが、多忙で天候が優れない時期であるほど、晴れた晩を逃してはいけないなと思いました。

2010年03月24日

●絶景!新穂高ロープウェイ

先日の奥飛騨旅行では、夜はもちろん昼間も絶好の快晴に恵まれました。

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昼間は、新穂高ロープウェイに乗って西穂高口の展望台まで行きました。
昼間の星が見えそうなほど深い青空の下、ロープウェイは急勾配を上っていきます。
まだ寒い季節なのでロープウェイが混み合うこともなく、ゆったりとした気持ちで北アルプスの大展望を見渡しながら、標高2200mの西穂高口へ到着。

この季節でこの高所にもかかわらず、寒さはほとんど感じません。
展望台では、施設の職員さんが「今日は最高の日だね。こんな日は一年に何日もないよ」と話しかけてきます。
そのとおり、空は快晴、寒くもなく、雪をいただいた山々は大迫力、オフシーズンなのでお客さんで溢れかえることもなく、本当にこんなすばらしい日はなさそうです。
近景に北アルプス、遠方には真っ白な白山連峰、さらに遠方に見える山を地図と照合してみると、どうやら伊吹山のようです。

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「ここで星を見たら、どのくらい見えるんですかね」
件の職員さんに聞いてみたら「僕が宿直のときに来てみればわかるよ」と。
もちろん冗談ですが、信じられないほどすばらしい星空が見えるであろうことは想像に難くありません。
でも、冬場や台風の悪天候時の宿直は大変だろうな・・・というより命がけだろうと思います。

この職員さんだけでなく他の職員さんもみんな親切で、レストランの食事もリーズナブルかつ美味しかったし、最高の一日を満喫できました。
混み合う時期を外して、また訪れてみたいなと思います。

写真:奥穂高岳・白山連峰

2010年03月26日

●限界等級の銀河を見る

私の使っている15cm双眼鏡では、暗い空の下であれば、恒星で12等まで、星雲・星団では11等まで確実に見ることができます。
でも、12等よりも暗い星雲・星団については極端に見ることが難しくなります。
15cm双眼鏡の実質的な限界等級が12等程度なのでしょう。

これまでこの双眼鏡を使って、ずいぶんと暗い天体を見てきました。
私以外には、その場にいる誰も見えないという天体もたくさんありました。
そうした長い経験の中で、先日、奥飛騨に行った際に見たNGC2916は最も暗く見づらい星雲のひとつでした。

NGC2916は、しし座の頭、NGC2903のすぐ近くにある12等の小さな銀河です。
以前に藤橋で挑戦した際には、月明の影響もあって見ることができませんでした。
標高が高く空の暗い奥飛騨なら見えるかもしれないと、驚くほど明るいNGC2903を見た後でトライしてみました。

近くにNGC2903がありますので、探し方はさほど難しくありません。
星の並びを頼りに位置を探すのは簡単です。
8等程度の星が数個、特長ある配列に並んでいるすぐ近く・・・。

見えません。
目を懸命にこらしても、あるはずの位置には何も見えないのです。
意地になってなおも見ていると・・・。
ふっと恐ろしく淡い、でも細長い形をした幻のようなモノが一瞬、映じました。
あった!と思い、見つめると見えない。
やぶにらみで視野をぐるりと見回していると、ときどき、バックグラウンドより微妙に白い何かが見えます。

どうやらこの明るさの銀河が15cm双眼鏡の限界のようで、暗い天体を見る能力に自信のある私にとっても極めて視認が困難な天体でした。
もちろん、もっと大口径で見ればラクに見えるのでしょうが、15cmという口径で限界ギリギリの銀河に挑戦するのも楽しいものです。
でも、次回は20cm以上の機材で見て見たいなあ。
それから、奥飛騨よりも空の暗い場所に15cm双眼鏡を持って行って、再度チャレンジしてみたいとも思います。

2010年03月30日

●年寄りうさぎ、アルネ君

我が家で飼っている動物たちのうち、もっとも古株は、藤橋の学校から貰ってきたうさぎのアルネ君です。
アルネ、とは、うさぎ座のアルファ星「アルネブ」からとった名前で、白黒模様の、とても賢くかわいいうさぎです。

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このアルネ君、今年で9歳となり、このところ急速に老化が目立ってきました。
目は両方とも白内障で真っ白、もちろん視力はゼロです。
かつてはボールを追いかけて遊んでいましたが、ここ数ヶ月はいつも半分、眠ったような状態であまり動くことがなくなっていました。
それでも、餌はよく食べましたし元気だったのですが、3月に入って餌を食べなくなり、糞や尿が出づらくなりました。
老齢なので弱ってくるのは仕方がないとは思いつつ、何といっても9年も家族として苦楽を共にしてきた子ですから、もう少し長生きしてほしいもの。
病院へ連れて行ったところ、点滴をした上で飲み薬を貰いました。
獣医さんは「こんなに長生きしているうさぎを診たのは初めてですよ」と驚きながら、「やっぱり年ですからね。この点滴で食欲が回復しなければダメかもしれません」とも。

幸い、病院から連れ帰った直後から野菜を食べ始め、糞や尿も出るようになってきました。
できるだけアルネ君の好きな、そして栄養のある餌を与えるようにし、撫でてあげたり声をかけてあげるようにしています。
撫でたり名前を呼んであげると、それまでじっとうずくまっていても、走り回って喜んでくれます。
動物でも人間でも、スキンシップはもちろん、愛情をこめて名前を呼ばれることはとても嬉しいことなのですね。

こんなアルネ君、無理に長生きさせるつもりはもちろんありませんが、もう少しだけ、元気で過ごしてほしいと思います。