2010年05月02日

●ギフチョウの羽化

しばらく前、春先のことです。
勤務先の揖斐川歴史民俗資料館でギフチョウが羽化しました。
館の植栽の中にギフチョウの食草であるカンアオイが植わっており、その葉を食べながら大きくなった幼虫が夏に蛹になって、年を越した今年の春先、ようやく羽化したものです。

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幼虫は真っ黒で、美しくも可愛らしくもありません。
蛹も真っ黒で、猫の糞を小さくしたような感じです。
館長と二人、幼虫にカンアオイを与え、蛹になってからは、乾燥しないようにときどき霧吹きで湿り気を与え、育ててきました。
「なんで歴史民俗資料館の館長と学芸員が虫を育てているんだろうね」と苦笑しながら世話をしたものです。
とはいえ、正直言ってちゃんと羽化するかどうかは疑問でした。
子供の頃にアゲハチョウを育てて羽化させたことは何度もあるものの、ギフチョウを育てるなど初めての経験だったからです。
ですから、蛹を割って、まだ羽がくしゃくしゃの蝶が出てきたときには感動しました。
蛹になったのは10匹ほどいたのですが、羽化したのはそのうち4匹でした。
カビが生えてしまったり他の虫に食われてしまったりと、他の蝶でも蛹から成虫になれる確率はその程度のものです。
羽を伸ばした4匹の蝶は、やがて、春の日ざしの中へと飛び立ってゆきました。
その姿は春の妖精という呼び名にふさわしく、館長と二人、晴れがましいような、ちょっと寂しいような気持ちで旅立ちを見送りました。

2010年05月04日

●揖斐まつりが始まりました

今日から揖斐まつりが始まりました。
先日も書いたとおり、300年の伝統をもつ揖斐まつりを映像記録としてDVDに残す事業を私が担当することになり、4月中から準備や子供歌舞伎の練習風景などを撮影してきたのですが、いよいよ今日、明日と祭りの本番がやってきたわけです。

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今日は午前中から30度の暑さとなりました。
朝、8時に三輪神社入りして業者と撮影の打ち合わせ。
9時30分から拝殿で大祭神事が始まりました。
正午からは、旧三輪町内にある5つの町が持つ芸やま(いわゆる山車です)が、三輪神社境内へ1輌ずつ引き入れられます。
巨大で重い芸やまを、各町の人たちがえいや、えいやと引っ張ってくるのです。
神社境内に5輌の芸やまが揃うと、その上で担当町の子供たちが演じる子供歌舞伎が奉納されます。
今年は暑くて役者の子供たちの体力が心配されましたが、一日3回行なわれた公演は日頃の練習の成果が発揮されて素晴らしいものでした。
化粧をして衣装をつけた子供たちが、歌舞伎の難しい台詞回しを本物の役者顔負けにこなすようすに観客は拍手喝采です。

夜になると、ますます人出が増えてきました。
19時30分からの公演は、薄暗い中、提灯を灯して神秘的な雰囲気です。
大勢の観客は、愛らしい子供たちの演技に盛んな拍手を送っていました。

明日は本楽。
稚児役者練込みや3回の子供歌舞伎に加え、今日はなかった神輿の練りまわしや稚児舞奉納などが行なわれます。
夜は5輌の芸やまが本町通りに勢ぞろいし、幻想的な祭りの終わりを演出します。
お時間のある方は、ぜひ揖斐まつりにお越し下さい。

2010年05月06日

●すばらしかった子供歌舞伎

揖斐まつりが終わりました。
祭りの期間中、ずっと天候に恵まれ、いくつかのトラブルもクリアし、取材の仕事も順調に進みました。

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揖斐まつりの目玉のひとつに「子供歌舞伎」があります。
旧三輪町内の各町が持っている「芸やま」の上で、本物の歌舞伎役者さながらに扮した子供たちが歌舞伎の公演を行うのです。
今年の演目は「碁太平記白石噺 新吉原揚屋の場」でした。
吉原の遊郭、大黒屋の花魁宮城野のもとを、代官に無礼打ちにされた父の敵を取るべく、幼い頃に生き別れた妹の信夫(しのぶ)が奉公人として訪れます。
話を聞いた宮城野は、姉妹であだ討ちをするために姉妹揃っての駆け落ちを決意するのですが、その会話を大黒屋の経営者である惣六に聴かれてしまいます。
通常であれば遊郭から駆け落ちすることなど許されるはずもないのですが、義理人情に厚い惣六、「曽我物語」にならって姉妹の駆け落ちを許可する・・・という人情噺です。

登場する子供たちは小学校2年生から6年生まで6人。
難しい台詞と所作を懸命に練習した成果が実り、約1時間の公演はすばらしいものでした。
今年は例年にない暑さで、一日3回の公演を行う子供たちの体調が心配されましたが、疲れを感じさせない演技に、観客から盛んな拍手が送られていました。

今回、私は取材のために練習風景から見てきたこともあって余計に思い入れが強く、ひときわ心に残った子供歌舞伎でした。


2010年05月08日

●みずがめ座η流星群を観測

連休中は揖斐まつりの取材で忙しかったのと天気がイマイチだったので観測できずにいた、みずがめ座η流星群を、今朝、観測しました。

みずがめ座η流星群は、毎年5月の連休にピークを迎えます。
輻射点が夜明け前の南東に低く、明け方の2時間ほどしか観測できないのですが、青白く長経路で痕を残す印象的な流星を飛ばします。
極大時の出現数は1時間あたり多くても20個程度ですが、高原状のピークを持つため、極大の前後数日は、ある程度の出現を見ることができます。
南半球では、8月のペルセウス座流星群に匹敵する主要群となっています。

さて、この晩は、夜半前は藤橋で別の観測を行い、一旦帰宅して少しだけ仮眠を取ってから揖斐川町内の観測地へと向かいました。
天気は快晴、月が昇っているものの、天の川も見える好条件です。
高原状のピークを持つとはいえ、さすがに極大過ぎということで出現は多くありません。
1時間あたり6個程度の出現です。
それでもこの群らしい長経路で痕を残すシャープな流星が見られ満足しました。
最も明るかったのは-2等級で、思わず声を上げてしまいました。
散在流星も多く、さそり座方向からの流星が目立つ気がしました。

東の空からはペガスス座が昇りはじめ、下弦の月と木星の輝きが目を引いていました。
さほど寒くなく、カエルの鳴き声を聴きながらの観測は心が落ち着くひとときでした。

2010年05月10日

●足腰弱ったアルネ君

9歳になるうさぎのアルネ君、いよいよ老化が進んで、最近では足腰が立たなくなってきてしまいました。
しばらく前は後ろ足を引きずっていましたが、ここ数日は前足も力が入らないようで、いつも植木鉢のお皿におなかを乗せてじっとしています。

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足で踏ん張って立っていることができないために、植木鉢のお皿の縁でおなかを支えているのです。
うさぎは元々、骨が脆く骨折しやすい動物です。
1年ほど前に動物病院で骨量を計ってもらったら、その時点ですでにかなり骨が脆くなっているとのことでした。
それから1年が過ぎ、ますます骨量が減っている上に筋力も衰えてきており、動けなくなるのは時間の問題のようです。
このところは土の上に出しても穴掘りをしなくなり、固い木をかじることもしなくなりました。
日がな、居眠りをしながらじっとしています。
今のところは餌や水の場所までは動くことができますが、今後、完全な寝たきり状態になってしまったらどうしようと不安です。
できるだけ運動をさせて栄養のある餌を与え、寝たきり状態になるのを先延ばししなければと思っています。

2010年05月12日

●C/2009K5(McNaught)彗星を観測

昨日は夜まで雨でしたが、夜半後から晴れてくるという予想のもと、車に15cm双眼鏡他、観測用具一式を積んでおきました。
日付が変わった頃に空を見上げてみると予想通り快晴。
翌日も仕事ですが、貴重な晴れ間を逃すわけにはいきません。
藤橋で午前1時から観測を開始しました。
まずは北極星の近くにある彗星、C/2009K5(McNaught)に双眼鏡を向けました。
McNaught彗星といえば、7月に南半球で2~3等級になるC/2009R1の方を思い浮かべる方が多いと思いますが、それとは別の彗星です。
現在、最大光度を迎えているこの彗星、私の観測ではm1(全光度)8.5、Dia(視直径)5′、DC(集光度)6、tail(尾)なし、核なしと目測しました。
一晩中観測できる位置にありますから、望遠鏡をお持ちの方はぜひ観察してみて下さい。

その後は夏の天の川の下、夜明けまで東天を流しました。
M30やM2が視野をかすめましたが、透明度が良いために非常に明るく見えました。
久々にはくちょう座の網状星雲も見ました。
これから明るくなる方のMcNaught彗星は、東天低空に10等ほどで見え始めているはずですが、低空のモヤのため観測できませんでした。
次回、晴れた晩に観測してみるつもりです。

2010年05月15日

●81Pウィルド第2彗星を観測

ようやく冬型が解消した14日、揖斐高原へ観測に行きました。
夕方から快晴となり、多少の風はあるものの湿度も低く、透明度も良好です。

当夜の最大の目的は、やや暗くなりつつある81P(Wild2)=ウィルド第2彗星を見ることでした。
この彗星は6.4年で公転する周期彗星です。
現在は、おとめ座ι星の西側にあり、予報光度は11~12等ほど。
実は、その前日も揖斐川町内で探したのですが、空が明るかったことや雲が流れてきたために見つかりませんでした。
他の観測を終えて、真夜中過ぎ、15cm双眼鏡を予報位置に向けました。
おとめ座ですからやや高度が低く、光害の影響を受けますが、見えないことはないはずです。
星図から予報位置をたどっていきます。
でも、確かにあるはずの位置に見えません。
明るさとしては15cm双眼鏡の限界で、予報より0.5等暗ければ見えませんから、これはやっぱり難しいかなと思いました。
ところが、視野をじっと見つめているうちにおかしなことに気づきました。
視野内の星のひとつがわずかに滲んでいるのです。
もちろんその星は恒星で目的の彗星ではありません。

これはもしやと思いました。
やはり星見に来ていたogawa嬢にお願いして、ルイを貸してもらいました。
ogawa嬢の愛機、ルイは25cmのドブソニアン。とてもバランスの良い機材で非常に良く見えます。
ルイの視野をじっと覗きこむこと1分。
「あった!」
思わず声をあげました。
思った通りでした。
ウィルド第2彗星は、例の滲んで見えていた恒星にほぼ重なっていたのです。
口径が小さく倍率の低い(25倍固定)15cm双眼鏡では、恒星と彗星の分離ができなかったのでした。

10cm口径の大きなルイで見ると、完全に重なっているわけではなく、彗星の中心は1′ほど恒星から離れています。
ただコマは重なっていて、非常に小さな散光星雲を見るように恒星の周囲が滲んでいます。
彗星は全光度11等台後半、視直径2′、DC(中央集光度)4と目測しました。
扇形の尾があるはずですが、恒星と重なっているためかコマがやや偏心しているかなと思えた程度でした。
ogawa嬢がいてくれて本当に助かりました。
15cm双眼鏡だけでは、おかしいなあとは思いながらも彗星の視認はできなかったことでしょう。
過去にも恒星と彗星が重なっていて見づらかったり目測ができなかったことが何度かありますが、今回は彗星が暗いために手間取りました。

北天にあるC/2009K5(McNaught)は明るく、全光度8等、視直径8′ほど、前日も同じような明るさでした。
天の北極近くで、しばらくは見やすい状態が続きます。

2010年05月17日

●月と金星の大接近

16日夕方、暮れなずむ西の空を見た方は、程度の差こそあれ驚いたことと思います。
驚いたというより、あまりの美しさにうっとりした、という方の方が多いかもしれません。
まだ明るさが残る夕暮れの空で、三日月と金星が大接近していたのです。

「宵の明星」として知られている金星と三日月ですから、もちろん望遠鏡など使わなくても肉眼で良く見えます。
宝石のようにキラキラと輝く金星のすぐ下に、やはり金色の三日月。
これは素晴らしい眺めです。

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私は、自宅の近所から15cm双眼鏡で見ていました。
この日、月と金星は時間の経過につれて次第に接近し、やがては月が金星を隠す現象が見られたのですが、残念ながら日本では隠れる前に月と金星は西の地平線へと沈んでしまいました。
それでも、これだけ両者が接近するのは珍しいことです。
双眼鏡で見ると、細い月の表面にはたくさんのクレーターが見え、また月の欠けている暗い部分がうすぼんやりと光って見える「地球照」がきれいに見えていました。
「地球照」は、地球で反射された太陽の光が月まで届き、本来は見えない月の欠けている部分を照らし出す現象です。
地球照を抱いた三日月のすぐ上に金星が輝いているさまは、本当に美しい光景でした。

月と明るい惑星や恒星が接近する現象は、1年のうちに何度か起こります。
天文雑誌やインターネットなどで調べると、あらかじめ日時を知ることができますよ。

そうそう、この日は国際宇宙ステーションとスペースシャトルがランデブー飛行をするさまを見ることもできました。
15cm双眼鏡で夜空を移動していく両者を追いかけてみましたが、25倍ではさすがに形を見ることはできませんでした。

2010年05月19日

●スター・ウィーク2010オリジナルTシャツ、絶賛発売中!

毎年、8月1日~7日は、スター・ウィーク【星空に親しむ週間】です。
この期間をはさんだ夏休み中には、全国のプラネタリウムや公開天文台などでさまざまな協賛イベントが開催されます。

このスター・ウィークを盛り上げるアイテムとして、スター・ウィーク実行委員会では、オリジナルTシャツを製作しました。

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しっかりとした生地に、Star Weekの文字をデザインしているハイセンスで着心地の良いTシャツです。
天文イベントに着て行くのもよし、カジュアルに着こなすのもよしのこのTシャツ、アイソテック(株)の協力をいただいて大好評販売中!
数量限定ですので、早く注文しないと売り切れてしまう可能性大です。
欲しい方は、ぜひ早めに入手して下さい。
私も購入しましたが、絶対にオススメです!
この夏は、このTシャツを着てあちこちの天文イベントや観望会に出没するつもりです。

販売は、アイソテック(株)
http://www.lcv.ne.jp/~takei920/denen/isotek/
℡ 045-311-3459
FAX 045-316-3452

で行っています。
価格は1着1,890円(税込)です。
月曜日~金曜日9時~17時までの間に℡かFAXでご注文下さい。
送料は1着500円ですが、5着以上まとめて注文の場合は無料となります。
サイズは、S・M・L・LLですが、すでにMは完売しました。

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実は、スター・ウィークは、揖斐川町の西美濃天文台が発祥の地です。
1995年に西美濃天文台で開催した「全国の公開天文施設の会」で提唱され、以来、国立天文台に実行委員会事務局を置き、私も実行委員としてさまざまな天文普及活動を行ってきました。
そんな関係もあってPRをしているわけなのですが、そんな事情を差し置いても、Tシャツのデザインとクオリティは抜群です。
みんなでTシャツを着て、スター・ウィークを盛り上げましょう!

2010年05月21日

●C/2009R1(McNaught)彗星を観測

7月に南半球で2等級前後まで明るくなると予想されているC/2009R1(McNaught)彗星を、今朝、観測しました。
一昨日・昨日と天気が悪かったのですが、今朝は晴れるという予想のもと、1時間ほどの仮眠を取ってから外に出てみると、南東に薄雲があるものの晴天。
日本海側ほど天候が良いはずなので、山間部は晴れると考え揖斐高原へ。

揖斐高原に着くと南天低空にべったり雲がかかっているものの、ほぼ快晴です。
透明度も良く、夏の天の川がくっきり見えます。
15cm双眼鏡で東天を捜索し始めてすぐ、ペガスス座の一角に同彗星をとらえました。
全光度7.9等、視直径7′、集光度5、核なし、尾なしと観測しました。
急激に明るくなっており、イメージもしっかりしていますので、6月~7月は見事な姿が期待できそうです。
1970年代であれば、アマチュアによる眼視で発見されたのだろうなと思うと、やや寂しい気持ちになりました。

途中、M31、M76などをとらえ、捜索は終了。
北極星近くにあるもうひとつのMcNaught彗星、C/2009K5も観測しました。
こちらは、全光度7.8等、視直径7′、集光度5、核なし、北にかすかな尾があるかな?というイメージでした。
これからゆっくりと暗くなっていきますが、まだ当分は明るく見ることができます。

ふたつのMcNaught彗星は、今のところはどちらもよく似たイメージです。
R1の方は、これから急激に明るくなりながら東へ動いてゆきます。
最も明るい頃は、ぎょしゃ座からふたご座にあり、日本からの観測は困難です。
ただ、非常に明るくなれば、日没直後の西天超低空に観測することができるかもしれません。
明日以降は、月が大きくなるために観測の障害になります。
月明と来週の天候、梅雨入りを考えると、今夜あたりが当面のラストチャンスになるかもしれません。

初夏、静寂の黎明に見上げる夏の星空は心に染み通るほど美しいものでした。
明け初める東天高く輝く木星を正面に見ながら帰路につきました。

2010年05月22日

●悲しい観測

昨夜は、月が沈むのを待って揖斐高原へ向かいました。
低気圧が近づいていることはわかっていましたので、晴れているうちにと車を飛ばしたのです。

揖斐高原へ着くと、先客が二人いました。
30cmクラスのドブソニアンで星雲・星団を観望しているようすです。
声をかけると、名古屋市と岐阜市から来たとのことでした。
見上げる空は、東天が薄雲に覆われています。
自宅近くは晴れていましたが、先客に聞くと「ずっとこんな感じですね」とのこと。
今夜の目的であるふたつのMcNaught彗星の位置は、どちらも雲の中。
薄雲を通して15cm双眼鏡で探ってみますが、さすがに見えません。
天頂から西は晴れていましたので、星雲・星団をざっと観望しているうちに、雲が次第に拡がってきました。
午前2時半を回る頃には薄雲が全天を覆ってしまい、撤収することにしました。
東天の捜索もできず、結局、観測の目的は果たすことができませんでした。

つい先日も同じようなことがありました。
C/2009K5(McNaught)を撮影すべく、午前2時に起床し赤道儀を組み立てました。
空は快晴、自宅にしては透明な星空です。
赤道儀のセッティングが終わり、カメラを取りつけ、いよいよ撮影!と思ってファインダーを覗くと、あれ?なんだか視野が白い。
空を見上げて愕然。
ほんの数分のうちに、快晴だった空が全天、雲に覆われてしまっていたのです。
薄明開始までさほど時間もなく、晴れそうな気配はありません。
がっくりと肩を落とした私は、組み上げたばかりの望遠鏡を撤収にかかったのでした。

その晩も昨夜も、翌日は朝から仕事です。
まあ、こうした事例は過去に何十回となく経験しており、こんなものだと思っていますので、さほどがっかりはしませんが、それでも少しだけ悲しくはなります。
でも、曇ってしまうリスクを恐れていてはチャンスは得られませんから、これからもきっと、同じような小さな挫折をたくさん味わいながら星を見上げていくのだろうと思います。

というわけで、今日は朝から眠い・・・。

2010年05月27日

●緑の星

さそり座のアンタレスは赤い星、太陽は黄色い星、こと座のベガは青白い星・・・。
よく見ると星にもさまざまな色があることに気がつきます。
こんな星の色は、星の温度によって変わってきます。
温度が低い星は赤っぽくて、もう少し温度が高い星は黄色、さらに高い星は白、それより高い星は青みを帯びた色になります。

それならば「緑色の星」もありそうですね。
でも、長年、星空を見上げている私でも緑の星は見たことがありませんでした。
星が放つ光は一色ではなく、さまざまな色であり、それらの色のうち、最も強い色、あるいは私たちの目が感じやすい色をとらえて「○○色の星」と私たちは認識します。
緑色の光を放つ星はあるのですが、特に緑色についてはその星が放つ他の色の光と合成されて人間の目には白としか感じられないために、夜空を見上げても緑色の星はなかなか見つけることができないのです。

それでも緑色の光が強い星であれば、人の目でも認識できないはずがないと思い続けてきたところ、つい先日、15cm双眼鏡で「もしかして緑色?」という星を見つけました。
とはいえ、草木の葉のような緑色ではありません。
大量の白絵の具にほんの少しだけ緑の絵の具を混ぜたような色、あるいは純粋な白に、ほんのわずか緑の香りをつけた、というような色です。

その星は、うみへび座のη星です。
南中高度が低いので、南中時に見ないとごく淡い緑色は大気の吸収のために認識できないかもしれません。
その他、てんびん座のβ星もほんのわずか緑がかっている気がします。

色収差や大気の吸収、目の感色性によって左右されますので、もしかしたら私の思いこみかもしれませんが、興味のある方は観察してみて下さい。
なお、アンタレスの伴星がよく「緑色に見える」と紹介されていますが、これは主星であるアンタレスの赤さの影響による錯覚です。
二重星の色については、このようにお互いに影響し合ってしまいますので注意が必要です。

2010年05月29日

●ユキノシタの花

庭の一角に群生しているユキノシタが花をつけました。

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ユキノシタは、苔むした石垣や庭の日陰に生えているよく知られた草です。
薬用や食用としては昔から知られていて、火傷や切り傷には葉を火で炙って貼り付けます。
絞り汁は子供の咳やひきつけに効くそうです。
漢方薬としては、乾燥して煮詰めた葉を心臓や肝臓の疾患に用います。
美白にも効能があるようです。
天ぷらにすると美味しいそうですが、私は食べたことはありません。

このように何かと有用な草なのですが、陰気な印象があるために人気はありません。
ウチのユキノシタも、ふだんは目立たない日陰者です。
でも、こうして花が咲くと一気に印象が変わります。
日陰にたくさんの白い星が輝いているようで、とても繊細で綺麗です。

この草は、梅雨の時期がいちばん生き生きしています。
日ざしがきつい夏が来ると途端にしょぼんとしてしまって、「早く涼しくなってほしいよう」と訴えかけているようです。

2010年05月30日

●めそめその憂鬱

めそめそは、我が家の猫のうちではいちばん新参者です。
1年ほど前、3匹の子猫を連れてウチにやってきました。
子猫のうち2匹は貰われていきましたが、いちばんヤンチャなメスの子猫と、母親のめそめそは貰われず居残ったのです。

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子猫のことは後日、あらためて書くとして・・・。
子猫を連れてきた頃は、なんとなく悲しげな顔つきに見えたので、めそめそという名前がついたのですが、それは多分、3匹の子猫を連れて行き場所がなく不安だったせいなのでしょう、ウチで飼われるようになってからは美猫に変身しました。
以前もどこかで飼われていたらしく、はじめから人になついていました。
顔立ちが良く、健康でいたずらもせず、子供の面倒も良く見て、頭もいい。
とにかく優れた猫です。
でも、そんなめそめそは毎日が憂鬱・・・。

憂鬱の原因は、まず外に出られないこと。
以前に飼われていた家では、たぶん自由に家の外に出られたのだと思います。
でもウチでは、近所の迷惑や交通事故の危険性などから、女王様のビビさん以外は猫専用の6畳間から出しません。
他の猫はそれほど外に出たがることはないのですが、めそめそは出たくて仕方がないのです。
廊下へ出るドアのノブを回そうと、いつも試みています。
以前に家の中へ出してあげたらものすごく幸せそうで、おなかを見せて転がってはゴロゴロ喉を鳴らしていました。

もうひとつの憂鬱は、もうすっかり大きくなった子供のくろっぴに、おなかを引っかかれることです。
大人になっても心は子猫のままのくろっぴ、まだおっぱいが欲しいらしくて、めそめそのおなかを引っかくようなのです。
ひっかかれた部分を舐めるために、めそめそのおなかは毛が抜けてしまい可哀相です。

こんなめそめその憂鬱を解消する方法は、くろっぴと離して猫部屋から出してあげることなのですが、猫部屋の外には最古参の猫であるビビさんがいます。
自分を人間と思い込んでいて、大の猫嫌いであるビビさんと協調することは、いかに優れためそめそでも難しいでしょう。

めそめその憂鬱は、まだまだ続きそうです・・・。