●おとめ座の相互作用銀河
先日、ウィルド第2彗星を観測した際、彗星のすぐ近くに私の持っている15cm双眼鏡の限界に近い明るさと思われる銀河を見つけました。
その晩、彗星は、おとめ座にありました。
星図を見ると、このあたりには銀河の記号が驚くほどたくさんありますが、15cm双眼鏡では星図に記載されている半分程度しか見えません。
それだけ暗いものが多いということです。
今回、見たのは、おとめ座イオタ星の近くにあるNGC5426・5427という銀河です。
たまたま、ウィルド第2彗星が近くにあったので位置がわかりやすく、探そうという気になりましたが、NGC5426が12.6等、NGC5427が11.9等(いずれも写真等級)と、通常の彗星捜索中では気づかない暗さでした。
見た印象は、非常に淡く細長い光のシミです。
南天は光害に浸食されていることもあって、バックグラウンドよりほんのわずかだけ明るいというだけ。
暗い星雲を見慣れた人でないと、存在の確認すら難しいほどの淡さです。
私が持っていた星図では、なぜかNGC5427しか記載がなかったことと、恐ろしく淡くて細部がわからなかったので、そのときはひとつの銀河だと思っていたのですが、実際にはNGC5426とNGC5427のふたつの銀河がごく近接していたことが後から調べてわかりました。
画像を見ると、ふたつの銀河は互いに細い腕でつながっており、いわゆる相互作用銀河のようです。
もっと大口径であれば、そうした細かい様子もわかったのでしょうが、何しろ淡くて「そこに銀河がある」ということがわかる程度でしたので、そこまでの観察はできませんでした。
今日、コメットハンターとして実績のあるある方のホームページを見ていたら、彗星捜索中にこの両銀河を見た話が掲載されていました。
その方は46cm反射で捜索されており、この程度の口径があれば捜索中に見つけることも十分に可能なのでしょう。
もちろん大口径での眼視捜索は、視野が狭い上に有効最低倍率が高くなるので困難も多くなります。
決して46cmだからラクに暗い星雲・星団を捕捉できるということではなく、その方のスキルが高いからこそ、大口径鏡の性能を活かすことができている、ということは銘記しておかなければなりません。
いずれにしても、光害で明るい南天にあの明るさの銀河を見ることができたのは嬉しいことでした。
次回は、もっと空の暗い場所で、ふたつの銀河が近接している様子を見ることができればと思っています。
