2010年07月18日

●公開天文施設かくあるべし!

先日、岐阜県西濃地方では最大級の規模をもつ公開天文台の昼間公開を見てきました。
幸い、お天気も良く、またお客さんも適度な数でした。
その天文台の担当者は昔から良く知っている人で、天文知識も経験も豊富で、天文教育に大変に熱心な人です。

大口径の望遠鏡を操作し、解説をするその人の姿を久しぶりに見ましたが、ときにユーモアを交えながら、わかりやすく参加者の親身になった説明は以前と変わらず、このところ、駆け出しのアマチュアのレベルにも達しない公開天文台をいくつか見てきた身にとっては、非常に満足の行く公開で、久々に「公開天文台の本当の姿というのはこういうものなのだなあ」と感じ入りました。

下火になってきたとはいえ、わが国には公開天文施設は無数と言えるほど存在します。
しかし、その多くは、大口径の機材を揃えている割にはただ惰性で月や惑星を覗かせているだけで、職員の天文知識も観測経験も劣悪な施設が、残念ながら少なくありません。
税金を投入し、理科教育の一環を担っているはずの天文施設の多くがこうした状況にあるのは、文教関係予算の削減や行政トップの無理解もありますが、それでも運営に携わる職員が常に研鑚を怠らず、天文教育に対する熱意を持ち続けているならば、工夫次第で何とか良い運営ができるものです。
残念ながら、現在、公開天文施設に勤務している職員の中には、そうした自己研鑽の努力が足らない人が散見されるような気がします。

そうした職員は、プラネタリウムの投影やおざなりの天文台公開は行なうものの、総じてプライベートに星を見ていません。
高度な観測や撮影をしろとは言いませんが、星が好きで公開天文台に勤務しているのですから、晴れた晩には自分のテーマに沿って星空を見上げたくなるのが普通です。
というより、普段から星を見ていない人が、他人に星空の魅力を伝えられるはずがありません。

今回、公開に参加させていただいた施設の職員は、自分でも観測をし、仕事の手も抜かず、非常にエネルギッシュに天文に取り組んでいます。
天文を仕事にしている以上、星空を見上げ、少しでも知識と経験を蓄積する努力を惜しまないのは当然なことです。

落胆することの連続だった最近の公開天文台巡礼ですが、今回は本当に清々しい気持ちになりました。
Fさん、久しぶりに会いましたが、ありがとう。