2011年01月07日

●双眼鏡選び逡巡記

皆さんご存知のとおり、何本も持っている望遠鏡の中で今、私が主に使用している観測機材はフジノンの25×150mm双眼鏡です。\
購入してかなり経ちますが、変わらずすばらしい星像を映しだしてくれています。\
鏡筒は、アクロマートの直視タイプで、ニコンのピラーに載せています。\
条件の良いときには12等星まで見ることができます。\
購入に先立って、勤務先の西美濃天文台に同じ機種の対空ED仕様があり、アクロマートとEDでは星像に大きな差があるのではないかと不安でしたが、実際に使用してみると、星像の差はまったくなく安心しました。\
これは恐らく、対空仕様は光路にプリズムが入っているために、プリズムの収差や吸収に阻害されて、ED本来の性能を発揮できていないためと思われます。\
というより、だからこそ対空仕様だけがEDレンズ仕様なのでしょう。\
もちろん、高い位置を見る際には対空仕様の方が圧倒的に有利です。\
直視だと、60°以上はかなり苦しい姿勢を強いられます。\
当初は対空仕様の購入も検討しましたが、何しろ価格が170万円、とても手が出ませんでした。

fujinon.jpg

この双眼鏡を購入するにあたって、ニコンの120mm双眼鏡と宮内光学の140mmED対空双眼鏡も検討しました。\
ニコンの方は実際に使用してみて、星像は優れていましたが、可搬性があまり良くないのと、近視の私にとってはピントの可動範囲が狭く眼鏡をかけたままでないとピントが合わなかったので候補から外しました。\
残った宮内光学の方は、価格も安くカタログスペックも十分でしたが、小さなメーカーなので、なかなか本物を見るチャンスがありませんでした。\
同社の工場は、埼玉県の秩父にあります。\
なので、わざわざ東京に行った際に工場まで見に行きました。\
秩父市内から外れた辺鄙な場所にある小さな工場で、実際に組み立てラインも見せてもらいました。\
突然の来訪者にも親切に対応して下さいましたが、肝心の製品は注文が殺到していて生産が間に合わないとのことで、生産ラインには半完成品しか乗っていませんでした。\

ということで、結局、現物を見ることはかなわず、考えたあげく、実績のあるフジノンに決定したわけですが、工場見学の印象が良ければ宮内光学の140mmを購入した可能性も十分にあります。\
ただ、その後、勤務先で同社の100mmアクロマート対空双眼鏡を購入しましたが、星像は甘いものでした。\

結果として、それまで天文台で使用してきて使い勝手に慣れていたフジノンにしましたが、正解だったと思っています。\
今や、「まっちゃんといえばフジノン」と言われるぐらい頻繁に使用していますが、組み立てもラクだし可搬性も星像も良いし、とても満足しています。\