2006年05月16日

●14日のシュワスマン・ワハマン第3彗星

14日の晩は宿直でした。
満月過ぎの月が南天に明るく、しかも全天薄曇という悪条件でしたので、まあいいやとばかり寝てしまったのですが、午前2時に目が覚めてみると、とりあえずは3等星ぐらいまでは見えています。
ちょっと見てみようかなと15センチ双眼鏡を速攻で組み立て、アルビレオが見えるか見えないかの夜空に向けてみると・・・。
意外や意外、シュワスマン・ワハマン第3彗星、よく見えるではないですか。

B核はコマの明るさが4.5等、視直径10分弱、尾は1度ほど。
C核はコマの明るさが5等、視直径5分、尾は1度弱。

060515SW3B.jpg
猛烈に明るい月明りと薄雲の悪条件下ですから、好条件下でしたら相当見映えがする姿だったことと思います。特にB核は、分裂(というより崩壊)によるバーストが続いているらしく、今後も目が離せない感じです。とはいえ、宿直中、撮影機材も手元になしというわけで、何年ぶりかでスケッチを取りました。
掲載したのはB核のスケッチです。データは次のとおり。
2006年5月14日 26時30分 T=1/5 S=3/5 25×150双眼鏡(field 2.7°)

それにしても晴れませんね。ひそかに彗星起源の流星出現を期待しているのですが。


2006年05月22日

●シュワスマン・ワハマン第3彗星関連群

昨夜は、透明度は悪いながらも晴れていたので、73Pシュワスマン・ワハマン第3彗星関連群の観測を行ないました。


 DATE JST TIME aM Spo. SW3 Lm CL Dir
-----------------------------------------------------
2006 May
21/22 21:00-22:00 60 7 7   0 4.8 0   Boo

観測方法:眼視計数観測
観 測 地:岐阜県揖斐川町東津汲

観測地は旧久瀬村です。かみのけ座がぼんやりと見える程度の透明度でした。
残念ながら、同彗星関連群らしい出現は、私の観測している時間中はありませんでした。

今日、22日が予報されている出現日なのですが天候は下り坂。しばらくは星空を見られない日が続きそうです。

2006年09月23日

●177P Barnard2観測報告

9月23日、よく晴れていましたので、藤橋で177P Barnard2を見てきました。

2006.09.23 20h30m JST m1=10.0 m2=- Dia=10′< DC=2 Tail=- 15cm×25双眼鏡

以上のとおりです。
核はおろか中央集光もほとんどない恐ろしく拡散した姿で、透明度が優れなかったこともあり、探すのにしばらくかかりました。これからは暗くなっていく一方ですので、未見の方は月が明るくなる前にぜひご覧いただきたいと思います。りゅう座の頭近くで高度もまあまあ高い位置ですから、10cm以上の光景と良い透明度があれば見つかるものと思います。

彗星を見る前は、双眼鏡でいて座を丹念に見ていました。いて座といえばM8などの散光星雲がすぐ頭に浮かびますが、球状星団の宝庫でもあります。NGCナンバーの小さな球状星団を星図と照合しながら見ていくと、なかなか味わい深いものがあります。

2006年10月15日

●C/2006M4(SWAN)が明るい!

C/2006M4(SWAN)が夕方の西空で明るくなっています。
一昨日は揖斐川町鶴見で、今日は同東横山で観測してきました。

2006.10.13 18h20m JST m1=5.9 m2=- Dia=7′ DC=6 Tail=? 15cm×25双眼鏡
2006.10.15 18h30m JST m1=6.1 m2=- Dia=6′ DC=6 Tail=5′ 15cm×25双眼鏡

りょうけん座からうしかい座へと移動しており、北斗七星とアークトゥールスの中間で
探しやすい位置です。
非常に明るく、近傍にあるM3と明るさもイメージも同じようでした。尾がほとんど眼視
では見えず、中央集光が顕著なので、彗星というより球状星団といった感じです。
写真にとれば淡い尾が写りそうですので、今度晴れた日があれば撮影しようと思ってい
ます。
小さな双眼鏡でも簡単に見えますので、ぜひ皆さん、ご覧下さい。

2006年10月25日

●4P Faye彗星観測報告

今日、仕事の帰りに藤橋で4P/Fayeを見てきました。

2006.10.25 20h30m JST m1=9.8 m2=- Dia=3′ DC=5 Tail=3′ 15cm×25双眼鏡

中央集光が比較的強く、一回見つかれば見やすいのですが、それなりに小さく暗いために、空が悪かったり口径が小さな機材では見づらいかもしれません。
仕事帰りで詳しい位置予報を持っていなかったので、概略の位置を彗星捜索の要領で探したのですが、見つけるまでに10分ほどかかりました。
今後も10等前後を保持するはずですので、来年早々まで見やすい状況が続きます。
やはり夕方に見えるSWANやBarnardと見比べると、同じ彗星でもずいぶん個性があるものだということがわかると思います。ここ最近の位置は、くじら座とおひつじ座の境目あたりです。

彗星を見た後、しばらく夏から秋の星雲・星団を見みました。みずがめ座のNGC7293も一発導入、久々に巨大でふわりとした独特の輝きを楽しみました。

2006年10月29日

●アウトバースト後のSWAN彗星

バーストを起こして一時は4等まで明るくなった2006M4 SWANを、今日、仕事の帰りに藤橋で見てきました。

2006.10.29 18h30m JST m1=5.1 m2=- Dia=10′ DC=7 Tail=1°15cm×25双眼鏡

月齢7の月が明るい中でも、1度程度の尾が見えました。すぐ近くにM13があり、大きさも明るさも同じようです。ただ、そうしてすぐ近くにある同士で比較すると、やはり彗星独特の青白さは球状星団とはまったく違うことがわかります。
月明がなく透明度がもう少しよければ、ミニ百武彗星的なイメージで観測できたのではないかと思われます。
残念ながらバーストの最大光輝は過ぎており、これからは月も明るくなって見映えはしなくなりそうです。

2006年12月20日

●C/2006L1 Garradd観測報告

揖斐高原で、C/2006L1 Garraddを観測しました。

2006.12.20 20h00mJST m1=9.1 m2=- Dia=3′ DC=5 Tail=- 15cm×25双眼鏡

ぎょしゃ座のカペラとペルセウス座α星の間あたりにあって、探しやすい位置です。
すでに最大光度は過ぎており、視直径も最盛期より小さくなっていました。12月上旬には、8.5等、視直径10分に達したそうですが、あいにくの悪天候で観測できませんでした。
集光が比較的強く、核があるようなないような感じです。尾は(多分)ありません。
透明度が優れなかったので、もっと良い条件で見れば印象が違うかもしれません。

ところで揖斐高原ですが、このところいつも西の山の上に強烈な明かりが点灯されています。
ホテルのあたり?と思うのですが、この状態が続くと、観測地としてはちょっと使えません。東はまあまあですが、西は最悪の条件です。

2007年10月23日

●活発だったオリオン座流星群

21日の晩は、ちょうど極大となるオリオン座流星群を観測しました。
ハレー彗星を起源としたこの流星群は、いわゆる中堅流星群で、毎年1時間あたり10個前後の出現をします。
ところが、昨年は1時間に50個以上と、年間最大のペルセウス座流星群並みの出現をしたことから、今年の動向に関心が高まっていたものです。

leo2.jpg

夜半前は輻射点が低く月明もあるので、午前1時に起床したのですが、雲量9と観測にならない状態だったので、もう一度就寝して、午前2時30分に起床したところ良く晴れていました。
あまり遠くまで行く時間がないため、揖斐川町谷汲の某所で観測を開始。オリオン座が南中して、夜空は壮麗な眺めです。
移動中の車中からも、数個の流星を目撃していましたので期待していたところ、観測開始直後にマイナス2等のオリオン群。暗いものも多く、かなりの出現です。
こりゃいいぞ、と思っていたのですが、時間経過とともに明るい流星が減少してしまいました。、
それでも、出現数はペルセウス群よりやや少ない程度で、例年よりはかなり活発でしたので満足しました。
明け方には、東天から金星と土星を交えた賑やかな「しし座」が昇り、久々の流星観測を、何げなし、爽やかな思いで終えることができました。

以下にデータを記します。

=======================================================================
DATE JST TIME aM Spo. Ori Lm CL Dir
--------------------------------------------------------------------
21/22 3:00- 3:55 55 37 6 31 6.1 0 Gem
4:13- 4:43 30 23 4 19 6.1 0 Gem


<光度分布>
21/22
-2 -1 0 1 2 3 4 5 | All| Ave| Lm
-----+-----------------------------------------------+----+----+----
Ori| 2 0 2 8 8 13 10 7 | 60|2.68| 6.1
Spor.| 2 1 5 1 1 | 19| 2.8 | 6.1

写真:金星・土星のいる「しし座」(EOS KissD 28mmF1.8)

2007年10月26日

●こんな彗星、見たことない! 17P/Holmes

テレビでも報道されていますが、地球から非常に遠くにあって、予報では17等星という、大望遠鏡を使っても見ることが難しいHolmes彗星というほうき星が爆発的に明るくなっています。
そんなHolmes彗星を、昨夜、奇跡的な雲の晴れ間から見ることができました。
天気予報では曇り時々雨だったのですが、部屋で読書をしていたところ「今、晴れているから見なさい」という天の啓示?があり、外に出たところ快晴!
小望遠鏡でも恒星状というネットの情報でしたが、何となく見える気がしたので7×40双眼鏡を向けてみると、ペルセウス座α星の下、というか北西に、明らかに恒星とは違う天体を発見、速攻で15cm双眼鏡を組み立てて見ると、何とまあ、こんな彗星あるんだろうかという奇妙な姿。
視直径は2分ほど、強い中央集光を囲んで滲んだ球状の輪郭があり、外縁は普通の彗星のようにバックグラウンドにぼんやり溶け込んでいくのではなく、かなりのコントラストで浮き出して見えます。土星状星雲という惑星状星雲がありますが、イメージは彗星というより惑星状星雲そのもの。
しかも特筆すべきはその色です。通常、彗星は青白いのですが、この彗星は非常に黄色い! 第一印象は「卵を使ったお菓子」を連想しました。
大量のダストを一度に放出したためなのでしょうが、こんなに黄色い彗星を見たのは、30年間の観測生活を通じて初めてです。
カミさんと娘、それに猫もいっしょにワイワイ見ているうち急速に雲が広がりました。
イメージについてばかり書きましたが、光度は2等台です。すぐ近くにペルセウス座α星がありますが、それよりはやや暗く、カシオペヤ座のWの一番暗い星よりは明らかに明るいというところ。もちろん肉眼でよく見えました。ただし、尾は見えません。

今後の経過は予想できませんが、放出されたダストが急速に広がるとともにコマが大きくなって、尾はないもののそれなりに立派な姿が期待できる可能性があります。
ただ、全国的に悪天候が予報されているので、見るチャンスが少ないかもしれません。
都会地でも見えますが、双眼鏡では恒星との判別が難しいかもしれません。星を見慣れた人であれば、難なくわかりますが。
100倍以上の倍率で見てみたい彗星です。

2007年10月27日

●27日の17P/Holmes

話題の彗星、17P/Holmesですが、明るさは2等台前半、いちだんと大きくなり、肉眼でもはっきりと見えています。
一昨日はやけに黄色く見えましたが、今夜は拡散した分、黄色味が薄れて、やや彗星らしい色合いになってきました。

Holmes27b.jpg

イメージは相変わらず惑星状星雲そのものです。視直径が増大した分、構造がわかりやすくなり、コマの中央から偏心した核と、明るい部分と暗い部分がくっきりと2重構造になったコマがよく見えています。
尾は、やはり見えません。
多少、らしくなったとはいえ、なんとも変わった彗星であることは変わりありません。
これだけ大量のダストが放出されるということは、小天体が彗星に衝突した可能性があります。
今後の推移が楽しみになってきました。
月明りのない条件で見たいものですね。
画像はつい先ほど撮影したものです。イメージがわかり易いように拡大撮影しました。

20cmF9反射 LV20mmで拡大 EOS-KissD ISO1600 exp 30sec

2007年11月01日

●大きく成長したHolmes彗星

先ほどまで、西美濃天文台で17P/Holmesの撮影をしていました。
ここ2日ほどお天気が悪かったので気になっていたのですが、暗くなるのを待ちかねて見たペルセウス座は・・・。

60Holmes31a1.jpg

いやはや、何ともすごいことになっています。
彗星はぐんと成長していました。
光度はここ数日とほとんど変わらず、視直径は15′以上、肉眼でもぼんやりとした姿がドドーンとわかります。
いや、視直径が大きくなった分、全光度は明るくなっているかもしれません。
60cm反射望遠鏡で見る姿は、核から渦巻状にダストが噴出し、何ともすさまじい形状となっています。
まず思い浮かべたのは、ちょっと古いですが、「宇宙戦艦ヤマト」に出てきた「彗星帝国」。
あれって、中心核があってぐるぐる渦を巻いてましたよね。ちょうどあんな感じです。
視直径が増大すれば、単位面積あたりの光量は減少するのが通常なのですが、この彗星の場合は、なぜかちっとも暗くならない。
ということは、核からの物質供給が継続されているということではないかと思います。
どのようなメカニズムでそのようなことが起こるのか、今後の研究を待つ必要がありますが、何にしてもこれまでになかったタイプの彗星です。
もしかして、本当に「彗星帝国」だったりして・・・。

写真:10月31日 20時16分 60cmF7RC反射直焦点 EOS20Da ISO800 露出40秒

2008年02月02日

●46P/Wirtanen観測と職場観望会

昨夜はよく晴れていましたので、仕事を終えてから藤橋で観測をしてきました。
当初は、明るくなっている46P/Wirtanen彗星をすばやく観測して帰宅するつもりだったのですが、職場で観測の準備をしていると、残って仕事をしていた何人かの方から「今夜は何を見るのか」と声がかかり、結局、職場内での観望会から始まることになりました。

観測場所は、国道417号線からちょこっと山手に入ったいつもの場所。
15cm双眼鏡をセッティングしていると、さっそく職場の方がやってきました。
とりあえず、オリオン座大星雲、アンドロメダ銀河、二重星団を見てもらい、
次いでもう少しマニアックな対象ということで、うさぎ座の球状星団M79、そしてウルトラマンの故郷のM78(少し、じゃなくてけっこうマニアック?)。
あまりの寒さにここまでで帰られましたが、実は、一昨夜も職場の方からの要望でミニ観望会を行い、火星やレーザーポインターを使用した星座案内を行ないましたので、二晩続けて職場観望会を実施してしまったことになります。

一人になり、ようやく本題の彗星観測。
Wirtanen彗星の位置は、エリダヌス座とくじら座の境界付近という微妙な場所。
数分で視野にとらえた彗星は、光度9等、視直径3分、核、尾はなく、集光度4程度の拡散した姿でした。
次第に南下しますので、この新月期が最も見ごろです。

彗星観測が終わると、今度は全国星空継続観察の写真撮影。
昨夜も撮影しましたが、昨夜は雲が発生したので、再度の撮影です。
久しぶりのフィルムカメラでF4とF2.8で露出を変えて3枚ずつ撮影。

撮影後、南天から雲が湧いてきましたので、これ幸いと機材を片付け、帰路につきました。
非常に寒く、車のヒーターを全開にしていても、帰宅するまで体が冷えたままでした。