2006年05月20日

●基本は星像の美しさ

旧藤橋村へ移住したのが平成4年6月。それ以来、教育委員会事務局で勤務していた3年間を除いて、すでに10年以上、プラネタリウムの解説を生業にしていることになります。

藤橋城(西美濃プラネタリウム)は、ドーム径9.2メートル、座席数86席、投映機はミノルタのMS-8です。
といっても、最新鋭の大型機しか見たことのない方にとっては、MS-8という投映機、ご存知ないかもしれません。10メートル以下ドーム用のツアイスタイプ、操作はすべて手動という機械です。
最近は、こうした小型機でもデジタル化が進み、地球から見た星空だけでなく任意の天体から見た星空を投映できたりと、さまざまな機能を持つ機械も増えてきていますが、MS-8は、レンズを使って恒星原版に穿たれた星を映し出す、本当に古典的なフルマニュアル機となっています。

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「そんな古めかしい投映機じゃ、もう時代遅れじゃないの」なんて思わないで下さい。
実は、このタイプの投映機が映し出す星像は、デジタル機に比べて何倍も優れているのです。
デジタル機も長足の進歩を遂げてはいますが、大型館用の高価な投映機でも、その星像はぼってりと大きく、本物の星空とは比べるまでもない貧弱さです。
14年前、採用試験に合格し、初めて当館のプラネタリウム投映を見学したとき、私はその星像の臨場感に本当に感激しました。
もちろん、当時、解説を担当されていた小栗さんのすばらしいナレーションや機器操作も感激に一役買っていたことは間違いありませんが、長年星空を見つめてきた私を瞠目させるに足る星像であったことは間違いありません。

以来14年、あちこちのプラネタリウムを見てきましたが、メガスターを除いては、ウチの館に優る星像を映していた館はなかったような気がします。ですから、今でも私は、レンズ式の古典的な投映機が大好きです。
プラネタリウムの基本は、派手な演出でもなく、ましてや人気アニメのキャラを使った人気取り映画でもない、星像の美しさであると信じているからです。

最近でこそ、家庭用プラネタリウムの爆発的なヒットなどによって、プラネタリウムの人気は回復傾向にありますが、基本的にはその入館者数は長期低落傾向をたどってきました。
一部のプラネタリウム関係者は、そうした傾向に危機感を抱き、派手で奇抜な映像と大音響を駆使した番組を作り、入館者をひきつけようとしています。もちろんこうした傾向には、フルマニュアル機を自在に操作できる熟練解説者が非常に少ないこと、大がかりで高価な投映機と番組を売りこみたいというメーカーの戦略も大いに絡んでいるのですが、はたして入館者の皆さんは、ゲームのような派手派手しさをプラネタリウムに望んでいるのでしょうか。
心安らげる静かな時間と空間を望む方が、本当は多いのではないでしょうか。

もう一度、入館者のニーズと投映機の基本性能に立ち返って、プラネタリウムを考え直すことが必要ではないかと思います。

2006年05月30日

●プラネタリウムは世相を映す

プラネタリウムというと、何となく世間一般の流れからは切り離された空間であるように思えます。
とはいえ、長年この仕事をしていると、プラネタリウムといえども、実は世相を敏感に反映していることがわかってきました。

私が勤め始めた当時は、バブルが弾けて間もない頃で、ブランド品に身を包んだお姉さんや、何人もの外国人女性を連れた社長さん風のおじさんが頻繁に来館されました。

平成7~8年頃になるとそうしたお客さんは少なくなり、家族連れの姿も減りました。
かわりに増えたのが、若いカップルです。当時は、満席のお客さんのほとんどが二人連れということもありました。

困ったお客さんが増えたのもこの頃です。当時、徳山ダムの工事を攻撃する論調が盛んになり、ダムとはまったく無関係の西美濃プラネタリウムもダムからの補償金で作られたという報道が、一部の企画・取材能力のないマスコミから流れたことから、興味本位のお客さんが激増したのです。
「ダム工事で村は大儲けなんやろ」とか「村民一人あたりいくら貰っとるんや」など、週刊誌やテレビのワイドショーで仕入れたいい加減なネタを元に嫌味を言いに来るこうしたお客さんには本当に困りました。
きちんと説明をし、多くの方は誤解と偏見だったことを納得されてお帰りになるのですが、楽しからざる経験ではありました。

最近は、一時減少した家族連れが最も多い客層です。それも、礼儀正しく睦まじい家族が多く、応対するこちらも気持が良くなります。
また、ある意味では上記と対極なのですが、どう見てもご夫婦とは思えない中年カップルが増えてきました。

バブルに浮かれた時期、経済が縮小し家族の大切さが再認識された時期、そしてさまざまな意味でモラルが流動化しつつある現在。
プラネタリウムは、たしかに世相を映しているようです。

そして、いつの時代も減らないのが若い二人連れ。
デートコースとして、プラネタリウムは、やはり定番なのでしょう。

2006年06月17日

●いつも人気! 望遠鏡展示コーナー

写真は、西美濃プラネタリウム内にある天体望遠鏡の展示です。

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右端の黒い大きな望遠鏡は45cm反射(NGT18)、その手前にある茶色いヤツは、ニュートンが初めて製作したという反射望遠鏡のレプリカモデル、他はごくありふれた8㎝屈折望遠鏡等々です。
展示としてはそれほど掘り下げたものではなく、市販品を並べて光学系の簡単な説明をつけただけですが、デパートの望遠鏡売り場のような雰囲気があるからでしょうか、このコーナー、意外なほど人気があります。特に家族連れに好評で、子供さんは必ずといっていいほど接眼レンズを覗こうとします。また、自分の子供にあれこれ光学系の説明をしているお父さんもけっこう見かけます。
あまり人気があるので、いくつかの望遠鏡は接眼レンズを覗くと土星や彗星が見えるように工夫をしました。(壁に小さな天体写真を貼ってそこに望遠鏡を向けてあるだけですが。)
別の展示室には、屈折・ニュートン反射それぞれの鏡筒を透明にしたモデルがあり、これも覗けるようになっています。こちらもなかなかの人気です。
曇った晩の観望会でも、とにかく一度は望遠鏡を覗いてみたいという希望が多く、ちょっと困ったりもするのですが、年齢や性別を問わず、天体望遠鏡という道具は人気があるようです。

2006年06月25日

●ちょっと疲れる5回連続投影

今日は、月に一回か二回ある解説者一人勤務の日でした。
西美濃プラネタリウムでは、お客さんが多く投影回数も一日5回ある土日祝日には、基本的に解説者二人が出勤して交代で解説を行ないます。
それでも、もう一人の解説者であるKさんともども家庭を持つ身、月に一度か二度はさまざまな所用で、土日祝日に休みを取らねばなりません。

今日は、Kさんが用事があるとのことで、一人で5回の投影を行ないました。午前中に一回、午後はほぼぶっ通しに近いので、さすがに疲れます。こういうときだけは、自動投影ができる機械ならいいなあなどと罰当たりなことも考えてしまいます。
特に今日は、あまり体調が良くなかったため、楽ではありませんでした。疲れてくると口も回らなくなるし、声も出なくなります。それでも、お客さんにはあくまで快活にわかりやすく解説をしなければなりません。

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こういうときは、かえって多少騒いでくれる子供さんがいた方が、私にとっては解説しやすかったりします。アベック二人きりのシーンとした30分間というのはなかなか喋りづらいものですが、小さな子供さんがそれなりのリアクションを返してくれると解説に変化が出せるものです。

でも、今日最終の投影に入ったお客さんは、二人きりでした。施設内にはもう少したくさんのお客さんがいたのですが、皆さん、時間がないのでプラネタリウムはご覧にならないとのことで、日曜日にしては珍しいアベック二人きりの投影となったのです。
もちろん、気力を振り絞ってきちんと解説しましたヨ。でもやはり、たくさんのお客さんが入っていた方がその気になるものです。Kさんは「一人でも満席でも意識しません」といつも言っていますので、私は修行が足りないのかもしれません。

写真:西美濃プラネタリウムのコンソール(操作卓)

2006年06月26日

●トラブルは忘れたころにやってくる

今日は久々の休み。でも、風邪を引いてしまいました。昨日、体調が良くないな、と思っていたので、やっぱり、という感じです。

昨日が、一人で5回連続投影だったことは書きましたが、そんな日に限ってさまざまなトラブルが起こるものです。

第1回目の投影は、どちらかといえば嬉しいトラブルでした。投影時刻直前になって、30人近い団体さんが来てくれたのです。ただ、団体割引料金があることを知らないまま、個人個人で正規の入場券をお求めになっていたため、その清算にやや手間取りました。時間が迫っていましたので、投影をご覧いただいている間に、受付員の方にレジの打ち直しをお願いしました。

2回目の投影では、終了近くになって突然天の川が消えてしまいました。白々とかかっていた天の川が急に消えると、客席から小さく驚きの声があがります。天の川を映している電球が切れることは、ままありますので、「珍しく電球切れですね」と言おうとしたところ、突然、天の川がふたたび点灯、数秒後にはまた切れて・・・。そんな繰り返しが数回、続きました。

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4回目の投影では、カセットの音が出なくなりました。西美濃プラネタリウムでは、音響に、カセット、CD、MDを状況に応じて使い分けており、昨日は太陽が沈むまでのBGMにたまたまカセットを使用していました。
もちろん、慌てず騒がず、日没時のシチュエーションに使えそうなCDを選び出し、本編用のCDと素早く入れ換えて解説を続けました。お客さんには、たぶん、ほんの少しだけ違和感を抱かれただけだろうと思います。

機器のメンテナンスは怠りなく行なっているつもりですが、電球切れや電気系統の接触不良、音響の不調などは、年に数回は発生します。特に電気系統に伴なう不調は再現性のないものが多く、すぐに修理というわけではないので厄介です。昨日の天の川の点灯不良、カセットの不調も、その一度きりでした。

さまざまな機器を駆使する30分間の投影、なかなかにスリリングではあります。

2006年09月09日

●解説者は昼メシも食べられない!

先日、9月に入っても忙しい!と書きましたが、今日もまた厭になるくらい多忙な一日でした。
西美濃プラネタリウムと藤橋歴史民俗資料館が「西美濃生涯学習連携講座」という講座の会場となり、朝から130名ほどの方が来場、折から徳山ダム見学の方もたくさん来訪されたため、総数200台近くが停められる駐車場が満車となってしまいました。
プラネタリウムは一回投影を増やして一日6回、それでも二回目は86席のドーム内に90名以上の方がすし詰めの状態でした。
午前中に2回投影を行い、その後12時30分から3回目を行ないましたが、その間もひっきりなしにお客さんが来訪され、結局、私も相棒も、昼食を摂ることができませんでした。
夕方までに来場された人数は300名近く、この人数を二人きりでこなすのはなかなかしんどいものです。
明日は日曜日。団体予約こそありませんが、また昼食抜きになる可能性はあります。
嬉しいような悲しいような、昨今の盛況です。

そうそう、8日明け方の部分月食は、雷雨でまったくダメでした。夏の続きのような喧騒から早く脱け出して、一人静かに夜空を見上げたいのですが・・・。

2006年09月10日

●プラネタリウム=天文台?

予想通りというべきか、今日も270人ほどのお客さんが入り、プラネタリウムは大盛況でした。12時30分の投影は満席となり、最終の投影が終わってからも「もうプラネタリウムの投影はないのか」と受付で質問されるお客さんが何組もいらっしゃいました。

ドームが乗ってそれらしくなってきた天文台にもお客さんの興味が集中、何度も聞かれたのが「プラネタリウムがあそこ(天文台)へ移転するのか」という質問でした。一般の方の多くが、プラネタリウムと天文台の区別がついていないことは以前からわかっていましたが、あまりにたくさんの方から同じ質問が出ることに、今さらながら驚いてしまいました。

「プラネタリウムに行けば昼間でも星が見える」
「天文台では曇った晩でも星を見ることができる」
この二点も、一般の方の多くが誤解されていることです。
これだけ科学技術が進歩し、テレビやインターネットで宇宙の話題が毎日のように報道される昨今ですが、基本的な部分で天文という分野への理解が不足しているように感じるのは私だけでしょうか。

2006年10月13日

●望遠鏡クリアモデル展示

天体望遠鏡というものは、大人にも子どもにも人気があるものです。いかにも未知の世界を覗けそうなサイエンティフィックな外観が宇宙への夢を誘うのでしょう。
天体望遠鏡には、レンズを使った屈折式と鏡を使った反射式があり、西美濃プラネタリウムには、鏡筒を透明アクリルとしたそれぞれのクリアモデルが展示してあります。
先日、生川さんからこのクリアモデルについてご質問がありましたので、展示について簡単にご紹介します。

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屈折式は口径68mm、焦点距離600mm、反射式は口径100mm、焦点距離600mmです。このスペックを見てベースとなったモデルがわかる方はなかなかの通ですね。
アクリルケースの中に屈折・反射2本の筒が並べて置かれており、透明な鏡筒を通して光学系の仕組みが一目でわかる他、それぞれ接眼部から覗けるようになっています。
覗くと、窓に張ってある月の写真が見えるのですが、生川さんのご質問は、あの距離でどうやってピントを合わせているのかというものでした。
実は、特に変わった工夫はありません。屈折式はK40mm、反射式はK20mmの接眼レンズがついており、ドローチューブの繰り出しで足らない分は、ごく普通の延長筒で対応しています。屈折式にK40mmを使用しているのは、月面写真の全景を見られるようにしてあるためで、それより長い接眼レンズを使用してもピントは出るようになっています。
もう10年近く展示していますが、特に問題はなく、メンテナンスとしては、正しく月面写真を視野内に入れなすこと(ときどき台座ごとずらしてしまうお客さんがいるので・・・)、ピントをチェックすること、ケースの中に侵入した虫を掃除することぐらいです。
1階にある望遠鏡展示とあわせて、もっとも人気のある展示のひとつとなっています。

2006年11月03日

●入館者大幅増で嬉しい悲鳴

プラネタリウムは、11月になっても相変わらず異常なほどお客さんの多い状態が続いています。
10月の対前年度伸び率は60%以上、10月半ばですでに昨年11月末の年間入館者数をオーバーしてしまいました。今日も先週も200人ほどのお客さんがあり、私たち職員は嬉しい悲鳴をあげています。
ほぼ完成した天文台への関心も高まりつつあり、今月中旬の竣工式に向けて、最後の調整が続いているところです。
お客さんが増えて仕事が忙しいのはありがたいことなのですが、たった2人の職員では有り余る業務量をこなせなくなりつつあります。町の上層部には、繰り返し増員をお願いしているところですが、なかなか色よい返答が貰えず困っています。
それでも、幸いというべきか、町長が天文への関心をけっこう持っていますので、何とか実情を理解してもらい、施設の発展につなげたいと思っているところです。
明日も明後日も200人前後のお客さんがありそうですから、連休の三日間で600人~700人の積み増しができることでしょう。11月も、昨年度より大幅増の記録となりそうです。

2007年03月29日

●喋れない解説者

いやはや、弱りました。
重症の気管支炎になってしまったことは書きましたが、通院して薬も飲んでいるにもかかわらず、なかなか良くなりません。
熱はないのですが、咳がひどくて普通の会話すらままならない状態です。仕事で電話を取るのにも困っています。
4月1日のプラネタリウム春季オープンが間近に迫ってきましたが、当館のプラネタリウムは、マニュアル機+肉声解説。
喋ることができない今の状態では、解説することができません。
このまま回復しなければ、本当にかなりまずい状況です。
ああ、困ったなあ。

2007年04月09日

●「喋れない解説者」その後

体調不良ですが、その後、だいぶ通院したり薬を飲んだりしているものの、はかばかしい回復はしていません。咳の回数は減ってきましたが、それでも突然、噎せるような激しい咳が出ますし、声もうまく出ません。。あまり咳をした影響で、左右脇の下の肋骨を骨折し(疲労骨折でかなり多い症例だそうです)咳をしても何をしても痛いことこの上ありません。また、炎症の影響で全身にひどい倦怠感があります。
レントゲンでは、肺はだいぶきれいになってきたとのことですので、あとは安静にするしかないとのこと。
プラネタリウムは、同僚のKさんが投影してくれています。土日は、一日、5回の生解説がありますので、Kさんにも相当の負担をかけてしまっています。それでも、Kさんは「お互いさま」と快く投影をしてくれており、感謝の極みです。
二人しかいない職員のどちらかに、今回のような健康上の問題、また慶弔など休みを取らなければならない事情が発生する可能性を考え、職員増員を町当局に強く働きかけていますが、まったく顧慮してもらえず、困っています。
動揺の事情は全国の天文施設で起こっており、行政当局が天文施設に向ける視線の軽さを示しているといえます。
以前、3K業種、などということが言われましたが、恵まれている大型施設以外、今や、天文施設はそれ以上に厳しい状況にあります。
組織よりもマンパワーで運営されているこの業界の特殊性を、もっと理解して欲しいものです。

2007年04月15日

●久々のプラネタリウム投影

昨年12月からの冬期休館、そして4月早々からの肺炎のために、ずっとプラネタリウムの投影を行なっていませんでしたが、今日、久々に、そして何とか投影を行なうことができました。
とはいえ、今日も、朝から咳は出る、胸は痛い、全身倦怠感があるという最悪の体調でした。
それでも、いつまでも甘えてもいられず、途中で咳が出ても仕方ないや、そのときはそのときと思い切って11時の投影に。

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解説中、何度か危ない感じもありましたが、何とか30分の投影を乗り切ることができ、その後も一日5回の投影を、無事に終了することができました。
発作的な咳が何の予兆もなしに出る上に、咳をすると肋骨の折れた箇所が、しばらくうずくまっていなければならないほど痛むので、投影中は本当に綱渡りという感じでした。
今日は家族連れが多く、完璧とはいえない投影にもかかわらず、子供たちも親さんも、みんな喜んでくれて、嬉しいような申し訳ないような思いでした。
明日は休みなので、少しでも回復につなげたいと思ってます。

2007年04月27日

●忙しい一日

連休の直前の平日なので、今日はさほど忙しくはないだろうと思っていたらさにあらず。
朝から消防署が消火器など消防施設の点検に来て、ついでにプラネタリウム、天文台を案内。
10時の開館に間に合うよう、急いでプラネタリウムの初期設定と太陽望遠鏡の立ち上げ。
なぜか電話が多く、その対応に追われるうち、11時のプラネタリウムの準備。
お昼は何事もなく弁当を食し、また電話が何度もかかるうち、13時30分のプラネタリウム。
喉の調子が悪いながら何とかこなすと、役場のダム対策室が施設の視察に来訪。
館内の説明等をするうち、15時30分のプラネタリウム準備。
お客さんは、このブログでも常連さんの一人だけだったので、操作体験を交えながら投影を行い、太陽望遠鏡も見学。
そうこうするうちに閉館の時刻。
藤橋振興事務所に戻り、会計業務の後、揖斐川町南方の教育委員会事務局へ。
若干の打合せと書類の受け渡しを終えると、もう19時を回っていました。
喋りすぎで喉はガラガラ、予定では、今日は投影以外は一日、押し黙って書類仕事にいそしみ、養生に努めるつもりだったのですが・・・。

2007年05月03日

●ピアノを聴く夕べ

こうしてパソコンに向っている傍らで、娘がドビュッシーの「月の光」を弾いています。
リクエストをすると私の好きな曲を弾いてくれるので、なかなか優れものの娘ではあります。
私は、ドビュッシーやラヴェルのピアノ曲が好きでよく聴いています。
以前にもラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」が好きだと書きましたが(プラネタリウムのBGMにも使っています)、もうラヴェル独特の世界といった感じの「水の戯れ」なんかもかなり好きです。
ロマンチックな香りのする「亡き王女・・・」に比べれば技巧派バリバリ、どうだ、こんなわけのわからん難しい曲をオレは作れるんだぞ、とラヴェルがほくそえんでいそうな「水の戯れ」、不協和音だらけの中にラヴェルならではの詩を感じてしまいます。
「月の光」も、プラネタリウムのBGMで使ったことがあります。
静寂の中に月光の淡い影がきらめいているイメージが、プラネタリウムにぴったりです。
本当を言えば、解説などせずに、ドームの中で一人きり、満天の星を映して好きな曲のメドレーを聴いていたいのですが、そこはお仕事、なかなかそういう機会に恵まれません。

2007年05月19日

●実は難しいドーム内の撮影

雑誌やテレビの取材で、よく「投映中のプラネタリウムの中を撮影したい」という依頼があります。
カメラマンやテレビ屋さんは、機材の性能にかなり自信を持っており、簡単に撮影できると思っているようなのですが、実はこれがかなり難しいのです。

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プラネタリウムに投映される映像は、想像以上に暗く、テレビカメラならハープ管が、スチルカメラならISO400以上の高感度で数秒以上の露光が必要となります。ですから、普通のテレビ屋さんがお持ちのテレビカメラでは撮影することができません。
先日も、ある雑誌の方がスチル撮影に来たのですが、結局うまく写せず、その方のカメラで、私がかわりに撮影するハメになりました。
数枚、写してあげると、えらく喜んでくれて「さすが天体写真を撮影される方は違いますね」などと妙に持ち上げられてしまいました。
まあ、暗い対象を撮影するという意味では天体もドーム内も同じには違いないのですが・・・。

写真:その際に撮影したドーム内の画像(その方がメールで送ってくれました)

2007年05月23日

●隕石の展示

西美濃プラネタリウムの人気展示の一つに「隕石」があります。
隕石は、そのできたプロセスによって大まかに「石質隕石」「石鉄隕石」「隕鉄」の3種類に分けることができますが、いずれの種類も収集してあります。
特に「隕鉄」のうちのひとつは、台に固定して触れるようになっており、これが一番の人気となっています。

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さまざまな人に撫で回されている触れる隕鉄。
そのうち、あちこちにある「安産のお地蔵さん」みたいに表面が磨かれてつるつるになるかもしれません。
こんな隕鉄、触ればたちどころに病気が治る、的に霊験があればいいのですが、残念ながらそんなことはなさそうです。
でも、目の前の小さな鉄の塊が、数億年から数十億年もの間、暗い宇宙を彷徨ってきた「天体」であると考えれば、おのずと不思議な感じがしてきますね。

2007年05月27日

●石鉄隕石

先日、プラネタリウムの隕石の展示について書きました。
その際は「隕鉄」をご紹介しましたが、今回は同じく隕石展示コーナーにある「石鉄隕石」をご紹介します。
写真でもお分かりいただけるように、この隕石(エスケル石鉄隕石)は、スライスされた薄片です。大きさは横15cm×縦10cmぐらいでしょうか。
薄くて破損しやすい上に、石鉄隕石は落下数が少なく高価なため、ガラスケースに入っています。

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石鉄隕石は、ある程度大きな微惑星の内部で形成されたもので、文字通り石と金属が混じり合っています。
日本国内で発見された隕石では、石鉄隕石の割合は非常に少なく、四国で見つかった在所隕石ぐらいです。
隕石、というか流星物質は、一日に1,000トンも地球に降り注いでいるとのこと。
藤橋城の前あたりに、ドカンと1トンぐらいの石鉄隕石が落下してくれれば、すごい町おこしになるのですが・・・。
いや、揖斐川町では「隕石饅頭」を売り出すぐらいがせいぜいかも・・・。
そういえば、私は隕石の落下は見たことがありませんが、音は聞いたことがありますヨ。
筑波隕石落下の際、ちょうど東京にいたのですが、衝撃波に近い音響を聞きました。
妹の旦那は、落下の瞬間を見たそうです。ラッキーですね。

2007年06月30日

●テクタイト

先日、変光星観測の大家であり、多くの天文書を書かれている平澤康男先生より、「テクタイト」をいただきました。

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「テクタイト」とは、地球上のある限られた地点からのみ採集されるガラス質の石です。
産出地によって「モルダバイト」や「インドシナイト」などの名称がつけられていて、色は真っ黒から宝石のようにきれいな薄緑色までさまざまです。
紡錘形や勾玉形など、形状はさまざまですが、表面に溶解や発泡の痕跡があることが共通しています。

その成因については諸説あり、もっとも一般的なのは「巨大な隕石が落下した際に、地上の岩石が大気圏外まで吹き飛ばされ、それらが地上に落下する際に大気との摩擦で溶解した」というものです。
この点について、平澤先生は、「テクタイトは月に隕石が衝突した際に衝撃で宇宙空間に飛ばされた月の岩石が、地球に落下したものではないか」という考えを述べておられました。

私の勤務するプラネタリウムにも、いくつかのテクタイトが展示してあります。
成因について定説がないため、明確な解説はつけてありませんが、月の石ではないかという平澤先生のお考えは新鮮なものでした。
テクタイトをご覧になりたい方は、プラネタリウムへお越し下さい。

2007年07月11日

●いつでも一緒? 織姫星と彦星

少々、古い話題になってしまいましたが、7日(土)は七夕でした。
プラネタリウムでは、笹に飾り付けをし、短冊を置いて来館者に自由に願いごとを書いて貰いました。
願いごとの内容は、案外と慎ましいものが多く、家族が健康でありますように、的なものが最も多かった気がします。

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この日は、25名ほどのミニ団体さんが来館され、プラネタリウムを観覧後、別室で30分ほど星の話をしました。
ちょうど七夕でしたので、
「今夜、織り姫星と彦星が実際に夜空を動いて会えると思いますか」
と尋ねてみると、低学年の子どもが多かったにもかかわらず、そう思うという回答はゼロでした。
ふたつの星の間は16光年離れており、お互いが光の速度で歩み寄ったとしても出会うまでに8年かかってしまいます。
それ以前に、七夕はあくまで伝承ですから、実際に両星が動くことはありません。
その意味では、子ども達の反応は的確でした。
ただ、なんだか夢がないようなお話しですので、
「広い宇宙では、16光年なんて目と鼻の先です。そう考えれば、織り姫星と彦星は、いつでもすぐ近くに寄り添っているといってもいいかもしれません」
そう締めくくっておきました。

そう、私たちの住む銀河系だけで10万光年の直径があります。
現在、考えられている宇宙の果ては、130億光年から140億光年の彼方。
そのスケールで考えれば、半径25光年ほどの距離にある織り姫星と彦星、そして太陽やシリウス、プロキオンといった星々は、ひとつの家に住む家族のような存在なのですネ。

2007年08月07日

●プラネタリウムの修理

先日、プラネタリウムのメーカーが来て、ちょっとした修理を行ないました。
修理の必要箇所がプラネタリウムの回転軸そのものだったため、投影機を、ほぼバラさないといけませんでした。

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ツアイスタイプの投影機の恒星球部分がはずれ、さらに惑星棚部分が外れてしまうと、ちょっと異様な姿となります。複雑な機械だけど、基本になる部分はこんな感じなのね、というところでしょうか。
床にごろんと置かれている恒星球部分も異様です。メーカーの方は「タコ」と呼び習わしていましたが、なんというか、海にいるタコの頭の部分に吸盤がたくさんついている感じです。
バラしていく過程の要所要所をデジカメで撮影しながら、なかなか興味深い一日を過ごしました。
プラネタリウムでも天文台の望遠鏡でも、ふだん見えない部分が見えるのは勉強になりますし楽しいものです。
とりあえず、修理は完了。
設置して19年目になるMS-8型ですが、まだまだ元気です。
でも、もうしばらくしたらモーター交換が必要とメーカーさんが言っていました。
モーター交換となれば、いわゆるオーバーホールを兼ねて行なうことになるのですが、果たして揖斐川町は予算を組んでくれるのでしょうか。

写真:回転系のみが残ったMS-8

2007年09月06日

●幼児投影は難しい!

昨日は、近くの保育園の子どもたちがプラネタリウムを見にきました。
以前に、幼児相手の観望会は難しいということを書いたことがありますが、幼児相手のプラネタリウムもまた、相手の顔が見えない、また、基本的には解説者がしゃべるだけというプラネタリウムの性格上、観望会以上に難しいものがあります。
プラネタリウムを見てもらうには、まず東西南北、方角を確認してもらうのですが、小さい子には方角という概念がありません。
また、当然、数字による説明はタブーですし、「惑星」とか「星雲・星団」なんていう言葉も理解されません。
というわけで、インタラクティブな演出が難しいプラネタリウムでも、特に幼児相手の時は、できるだけ問いかけをしたり興味を引く映像を出しながら、対話形式で投影するようにしています。
今回も、事前に星座絵を身近な動物に一部入れかえたり、いろいろと工夫をしながら投影を行なったのですが、どうも反応が思わしくない。
どうやら、先生方から、投影中は静かにしているようにと強く因果を含められているようで、とにかく静か。
一般の投影の場合は静かな方がありがたいのですが、方角や数字を使えない幼児投影なので、対話形式で面白く進めようという思惑がもろくも崩れ去り、30分間、ちょっと困りながらの投影となりました。
とはいっても、格段の破綻もなく、できるだけ平易かつ無難に投影を終えましたが、せっかく時間枠をとっての団体投影なので、静粛を厳命するのではなく、もう少しラフな見方をしてもらった方が良かったなあと思ってしまいました。
昔、私の娘が幼い頃、たまたま私の投影を見ていて、星座絵を出すたびに「あ、おじちゃんだ」とか「くまちゃんが出た」などと大声で反応してくれたときには、笑い出しそうで困りましたが。

2007年09月25日

●地球と月の1億分の1モデル

今夜は「中秋の名月」です。
今のところの天候では、なんとか見ることができそうです。

私の勤務するプラネタリウムには、さまざまな天文展示があり、地球と月をテーマにしたものもあります。
今回、ご紹介するものは「地球と月の1億分の1モデル」です。

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地球の直径は、約12,700km、月は3,480kmです。おおむね、地球は月の4倍の大きさがあります。
では、重さはというと、大きさの割には、地球の方がずいぶんと重いのです。
地球も月も、その中心にはコアと呼ばれる金属の核がありますが、地球のコアは、月のそれにくらべると非常に大きいために、大きさの比率の割には地球の方がかなり重いという結果になっているのです。
この展示では、地球と月の縮小モデルを手にとって、大きさと重さの比較を体験できます。
小さな子どもさんでも、地球が非常に重いことが実感できます。

展示を製作されたOさんは、模型の大きさはもちろん、重さの調整に苦労されていました。
誰にでもわかりやすくシンプルで、製作者の技量と見識をうかがわせる展示です。

2008年01月13日

●久しぶりの東大和市立郷土博物館

父の病気の関係で東京へ来ています。

今日の午前中は、実家近くにある東大和市立郷土博物館のプラネタリウムへ行ってきました。
この博物館は、私にとって思い入れの深い施設です。

まだ博物館の計画もない頃、私は民間企業で仕事をしながら学芸員試験の勉強をしていました。
2年間の勉強の結果、資格を取得した私は、それまでの勉強を活かして「となりのトトロ」で知られる狭山丘陵をテーマにした博物館を東大和市に建設する提案書の作成を始めました。

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私の育った東大和市は「となりのトトロ」で知られる狭山丘陵を抱える緑豊かな街です。子供の頃から狭山丘陵の自然の中で遊んできた私は、東京というコンクリート地獄の中の緑のオアシスとも言うべき狭山丘陵を、東大和市が誇る大きな財産にしたい、博物館での研究活動を通して、失われゆく丘陵の自然を保全してゆきたいという夢を描いて、市当局に建築設計と展示設計のモデルプランを提示したのです。
その際、夜空が描く自然の姿として星をとらえ、またドームスクリーンにさまざまな映像展示を映し出せる施設としてプラネタリウムの併設をも提示しました。

その結果、さまざまな紆余曲折もありましたが、市民や議員さんのバックアップもあって、ほぼ私の思い描いたとおりの博物館が建設され、五藤光学製の投影機を備えたプラネタリウムも併設されました。
そうした意味で、東大和市博物館は、私の手がけた初めての大きな仕事であり、人生のモニュメントともいうべき施設となったわけです。

岐阜へ転居してからは、頻繁に顔を出すことはできなくなりましたが、幸い熱心な天文担当のNさんが赴任され、今に至るまでさまざまな活動を行ってくれています。
今日はNさんとも久しぶりに会うことができ、1時間ほど、さまざまな話をすることができました。

Nさんと話しながら、思えばあれから20年近くが過ぎてしまったのだなあと、改めて感慨を新たにした東大和市立郷土博物館訪問でした。

写真:博物館の外観。銀色のドームがプラネタリウム。

2008年01月14日

●メガスターを見てきました

今日は、川崎市青少年科学館へ行ってきました。
ここのプラネタリウムは、メガスターⅡと五藤光学の光学式投映機を併用しています。
メガスターといえば、従来の光学式投映機が肉眼で見える極限等級である6等星程度までしか投映できなかったのに対し、肉眼では見えない10等以下の星まで映し出せる、光学式プラネタリウムの革命と言われた機械です。
実を言えば、これまで私はメガスターを見たことがありませんでしたので、岐阜への帰路、ふと思い立って立ち寄ってみたのです。

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肝心の星像ですが、さすがに星の数は多く、前編の星座解説に使用した五藤光学製の投映機と較べると、像のシャープさを含めてまったく異なる次元の違うものでした。
ただ、星数が多すぎるのと星の輝度が高すぎて、不自然な感じは否めません。
もちろん、従来の投映機とそのあたりを差別化したのがメガスターですから、批判するわけではないのですが、しっとりと穏やかな日本の星空が従来機とすれば、メガスターは光害と湿気のない大陸の砂漠で見上げた星空という印象がありました。
誤解のないように付け加えますが、五藤製の従来機も星像は美しく、決して劣っているわけではありません。開発コンセプトが違うという意味で、次元が異なると書いたわけです。

45分間、生解説をするのは楽ではないのですが、女性解説者のトークはよどみなく温かみがあり、非常に好感が持てるもので、寒い中、足を運んだ甲斐がありました。

写真:科学館の外観。大きなドームがプラネタリウム。小さいドームには天体望遠鏡が納められていますが、曇天のため昼間の天体観察はできませんでした。

2008年01月20日

●「満天」に行ってきました

この土日も、父の病気の関係で東京へ行っていました。
しょっちゅう東京へ行っているので、新幹線も通勤電車のような感覚となっています。

今回の東京行きでは、久々に池袋の「満天」へ行きました。
「満天」は、コニカミノルタプラネタリウム直営のプラネタリウム館です。
昨年、投映機が「インフィニウムS」にリニューアルされました。

今日見た番組は、冬の星座案内「Winter Sky」と「Passport to the UNIVERSE」というCG番組でした。
インフィニウムSの星像はなかなかのものでしたが、プロジェクターを使用した全天映像は、迫力はあるものの、やはり光学式に比べると星像は甘く、まだまだデジタルは成長途上だなあと思いました。

番組は、星空の下、デートに出かけた二人が星空を見上げて語り合う形式です。
前半が二人の語りによる星座案内、後半は、二人の語り形式はそのままに、地球から飛び出してオリオン座大星雲の中を突き抜け、さらに銀河系を飛び出し、ディープスカイへと旅をするCG番組へと無理なく移行させていました。
CG番組の星像は甘いものの、迫力とコンセプトは素晴らしく、番組終了後の一般のお客さんたちの評価も高かったようでした。

ただ、星座案内の番組では、日没のシーンはなく、いきなり暗くなって冬の星座の解説が始まり、番組終了時も、日周運動ではなく緯度変化で次第に南天の星座が昇りながら、しかも南天から薄明となるというおさめ方だったのが気になりました。
日没・日の出にこだわるわけではありませんが、南天の星座が緯度変化で昇りながら南の地平線が明るくなるという演出は、何らかのことわりを入れない限り、教育的に問題があると思います。

その他の部分は満足できた番組でした。
投映機の排気音がうるさいなあ、なんて、ちょっとマニアックな見方もしてしまいましたが・・・。

2008年01月27日

●「葛飾区郷土と天文の博物館」へ行きました

所用で出かけた帰り、葛飾区郷土と天文の博物館へ行ってきました。
同館は、ともすれば星座の見つけ方とギリシャ神話の紹介主体になりがちなわが国のプラネタリウム館のなかでは、サイエンスを主体にした欧米型の番組を制作している意欲的な館です。
昨年、プラネタリウムの投映機を更新し、よりサイエンスを前面に押し出した投映ができるようになりました。

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星座解説に続いて、恒星の進化をテーマにした45分間の番組でしたが、地球から飛び出してオリオン大星雲やプレアデス星団を巡りながら星の進化を平易に解説する、いわゆる宇宙型の番組だったにもかかわらず、全編が生解説でした。
あれだけのスピード感を持つ映像を生解説でフォローするのは、さすがと思いました。

今、プラネタリウムは急激な変革の時期を迎えています。
ロマンチックに星座を解説しながら夢の世界へ、という従来型の番組でなく、ダイナミックでスピード感のある、あくまでサイエンス主体の番組が、ようやく欧米並みに受け入れられつつあるのです。

「日本人はどうしてギリシャ神話がそんなに好きなんだ?」
欧米人は不思議がります。
私も不思議でした。
いろいろな意見があるでしょうが、少なくとも私は、子供の頃から「星座の神話」に全く興味がなかったからです。
日本で、星座イコールギリシャ神話となった経緯についてはいずれ考察するとして、葛飾らしい良い番組でした。
プロジェクターの星像も、光学式に比べれば大きく劣りますが、ここ最近見たプラネタリウム館のなかではかなり良いほうでした。

急速にデジタル化が進むプラネタリウム。
これからどんな方向へ進むのでしょうか。

2008年02月27日

●もうすぐ年度末・・・

もうすぐ3月です。
お役所はどこでもそうですが、今ごろから年度末の事務処理で私の仕事も非常に忙しくなります。

まずやらなければならないことは、予算執行の漏れがないかどうかのチェックです。工事や施設保守管理委託業務のやり残しや支払忘れがないかを精査します。

次いで、新年度の施設保守管理委託契約に係る設計書を作成し、会計システムで決裁書類を作ります。
もともと管理施設が多い(プラネタリウム・天文台・歴史民俗資料館・藤橋森林生態学習舎)ことに加え、今回は旧春日村の博物館施設3館の書類を私が作成することになり、全部で40件ほどの契約をしなければなりません。
さらに、いくつかの施設について条例・規則改正が必要になるため、条例・規則案の作成を行い、また各施設で働いていただいている日日雇用職員の新年度の契約書類を作成する必要があります。

そのかたわら、新年度からの担当施設開館の準備、事業計画の作成~決裁など、4月から遅滞なく新年度の業務が開始できるようにしなければなりません。

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事務専任の職員がいればいいのですが、私どもの場合は、二人の天文担当職員が、プラネタリウムの解説、天文台業務、出張星見会、さまざまな施設の管理に加え、一般事務全てをこなさなければならず、恐ろしく多忙です。

天文施設といえば、プラネタリウムや天文台といった「表の業務」にばかり目がいきますが、施設を支える管理事務の業務量が大きな割合を占めています。
さらに私の場合は、役職柄、他部署に関わる仕事にも多くの時間を割かねばならず、なかなか天文専任というわけにはいきません。

天文業務だけに関わることができれば、もっとさまざまな仕事ができるのですが・・・。

写真:施設の除雪も必要・・・。

2008年06月15日

●平塚市博物館

所用で東京へ行ったついでに、前から行きたかった平塚市博物館へ行ってきました。
最近のプラネタリウムでは、これまでの恒星原版を光源でドームに映し出すアナログ式に替わり、パソコンの画面をそのままドームに投影するデジタル方式への移行が試みられています。
ただ、これまでは大型館での採用がほとんどでした。
平塚市博物館のプラネタリウムでは、比較的小規模館でありながら新鋭のデジタル機を導入し、メーカーさんによれば星像も満足できるとのことでしたので、私の勤務する揖斐川町の西美濃プラネタリウムでもデジタル機を採用するとすれば参考になるのではないかと思い、前々から行くチャンスを狙っていたのです。

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残念ながら、私の行った回は幼児投影でした。
どうやらこの館では、適宜一般投影と幼児投影を入れ替えているらしく、ネットや他の媒体でも何のアナウンスもなかったため、幼児投影だということを事前に知ることができませんでした。
半分は生解説、後半は番組でしたが、わかりやすくユーモアを交えた解説は秀逸でした。
お目当てのデジタル星像は、後半の番組中でちょこっと垣間見れただけでしたが、メーカーの喧伝するほどは綺麗な像ではありませんでした。
子どもたちからも「ちょっとぼけてる」という声が上がっていました。

それでも、現在構築できる先端のデジタル投影技術では、平塚市博物館の機械よりもさらにシャープな像が得られるはずなので、あと数年のうちにはアナログ式を凌駕する可能性があります。
もちろん、シミュレーターとして考えればアナログ機がデジタル機にかなうはずはなく、いわゆる「宇宙型」の投影を今後、考えていくのであれば、デジタルへの移行はやはり必然であるような気がしました。

写真:天文展示のひとつ「今日の太陽」

2008年09月21日

●星のテレフォンカード

最近は携帯電話に押されて、テレフォンカードをとんと見なくなりました。
でも10年ほど前までは、さまざまなデザインのカードが売り出され、オリジナルデザインのカードもたくさん作られていたものです。

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今回、ご紹介するのは、西美濃プラネタリウムのある藤橋城とへール・ボップ彗星のカード。撮影者は私です。
まだ彗星が明け方の東天に見えていた頃ですから、3月中旬だったでしょうか。
気温は零下5度、1mほどもある積雪を踏みしめてお城と彗星がちょうど良い構図になる場所にカメラをセット、50mm標準レンズで23秒露出で撮影しました。雪の表面はカチカチに凍っていましたが、体重を支えるほどではなく、雪にずぼずぼと穴を開けながら撮影場所に向かったのを思い出します。

今でも時々、当時のカードを欲しいという問い合わせがありますが、すでに完売しており、残念ながら頒布できるものはなくなってしまいました。
その意味では貴重品かもしれません。

それにしてもあの頃は、百武彗星、ヘール・ボップ彗星と2年続けて大彗星が夜空を彩り、けっこうな天文ブームでしたね。
またあのぐらいのスケールの彗星が来てくれないかなあ。

2009年06月19日

●テレホンカードの時代

携帯電話の普及で、すっかり影が薄くなったテレホンカード。
でも、10年ちょっと前までは、実用に、ノベルティグッズに、非常に人気があったものです。
以前に同じような書き出しで「ヘール・ボップ彗星と藤橋城」のテレホンカードをご紹介しましたが、今回はもう少しレアもの。

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見ておわかりの通り「藤橋城竣工記念」のカードです。
ここで、藤橋城を知らない方のためにちょっと説明・・・。
藤橋城は、内部にプラネタリウムがある全国でも珍しいお城です。
というか、正式には「お城の外観をしたプラネタリウム」と言うべきでしょうね。
「歴史にない城を造って云々・・・」と批判する向きもありますが、プラネタリウムの外観が近世城郭建築なのだと思えば、特に目くじらを立てることはないような気がします。

プラネタリウムはミノルタのMS-8。ドーム径は9.2mです。
平成元年10月の竣工で、これまでに50万人の入館者を数えています。
私が勤め始めた平成4年頃は年間4万人ほどの入館者があり、全編生解説ということもあって大変に忙しかったものですが、それより以前、平成元年から平成2年頃は年間5万人以上の入館者を数え、大盛況、というより死ぬほど忙しかったそうです。

今回ご紹介するカードは、藤橋城(西美濃プラネタリウム)竣工時につくられた、まさに記念すべきモノ。
もちろん今はもう入手することは不可能です。

携帯電話は便利ですが、さまざまなデザインを競ったテレホンカード時代の方が夢があったような気がします。
それにしても、たった10年か20年前の技術や製品がノスタルジーの対象になってしまう時代の変化のめまぐるしさ。
あと10年後には、とんでもない技術を当たり前のように使っているのかもしれません。
日本中で不夜城化が進む昨今、その頃には夜空に星の姿を見ることはできるのでしょうか。